「疲れると甘い物が欲しくなる」とか「ストレスが溜まるとドカ食いしてしまう」なんて話はよく聞きます。人間の疲れと旺盛な食欲には相関関係がある、という研究結果がありましたので、ご紹介しましょう。

 心理系ブログメディア「Psychology Today」で、Courtney Hutchinson氏が日内変動と食事の相関関係について書いていました。最近は(今に始まったことではないと思いますが)、どうでもいい仕事に手こずらされて長時間労働させられた挙げ句、疲れ切っている人が多いです。睡眠不足によって引き起こされる問題は多々ありますが、不健康な食事を避けようとする判断力も、睡眠不足によってかなり落ちてしまうのだそうです。

シカゴ大学の研究によると、人間は眠い時の方が明らかに間食が増えるのだそうです。2週間の睡眠時間制限の後では、通常は健康的な食事を摂っている人でも、間食によって1日に200キロカロリー以上を摂取してしまう、という結果が。しかも、間食の内容は炭水化物や糖分中心の食べ物で、ほとんどが夜7時〜朝7時の間という最悪の時間帯に摂取されていました。食べる必要のまったく無い時間に、余計なものを食べてしまうなんて、太るために食べているようなものです。

ところが、この問題は睡眠不足だけが原因ではありません。その上に、脳に過度の負荷やストレスが掛かったことも原因です。ですから、働き過ぎて睡眠が十分に取れないような状況では、無駄に太ってしまう人が多いのです。

痩せるために食生活を変えるのは難しいですが、「食事を制限する」のではなく「睡眠を多く取る」という風に意識を変えると、結果として間食が減り、体重も減るのではないかと思います。睡眠不足と過労のせいで肥満にまでなってしまったら、本当に不健康まっしぐらですから、まずは睡眠時間の確保から始めてみてはいかがでしょうか。

Mental Drain and Weight Gain [Psychology Today]

Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)