部活と熱中症の関係

剣道部顧問、厳しい稽古でふらふらの部員を「演技だ」と疑って蹴る→熱中症で死亡
少々時間が経っているが。しかし、ほんとにこの手の体育会脳はどうしようもない。何らかの刑事処分・民事処分があって当然だろう。剣道の防具は暑そうだしなあ。
 ところで、このスレの発言で、

137 : ノイズs(コネチカット州):2009/11/04(水) 14:11:08.75 ID: vFMVht9B
元剣道部員だが、1時間半の稽古は普通だろ。
確かに夏の稽古は辛いし臭いが、これくらいやらないと勝負には勝てない。

372 : ノイズe(埼玉県):2009/11/04(水) 14:52:11.69 id:tXBJYWll
オイラ剣道部だったけど、笑えない、これって実は剣道の世界ではよくある光景。


もっと死んでる人多いんじゃないかな?
剣道というスポーツ全体の体制を見直したほうがいい。

375 : ノイズw(関西地方):2009/11/04(水) 14:52:47.31 id:PSrCQEJu
今はニュースになるだけで、昔のほうが死亡事故多かったんだよ

522 : ノイズs(関東):2009/11/04(水) 15:26:52.66 id:xMocsPZ5
剣道って昔からずっとこんなもん
日常
親は子供が大切なら剣道なんてやらせないほうがいい
健全な精神なんて決して宿らないよ

 このあたりのレスでちょっと気になったので、部活と熱中症の関連について調べてみた。学校で起きた各種事故については、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付が基礎データになりうると思うが、Web上に公開されている資料(http://www.naash.go.jp/kyosai/toukei.htmlにある)は、過去2年分かつ大まかな情報なので使い物にならず。めんどくさいので、加工済みの情報を利用。


 同じく日本スポーツ振興センターの安全講習の資料「スポーツ活動を中心とした学校における熱中症の予防について」で学校での熱中症の状況がまとめられている。7ページ以下に統計データが掲載されている。以下、箇条書きでまとめる。(追記:現在はURLが変わっている。http://naash.infodnn.com/anzen/anzen_school////tabid/454/Default.aspxから、講習会資料へ)

  1. 社会全体では1994年以降、熱中症の死者が急増している。この時期以降、顕著に気温が高くなったので納得できる状況(p.7)
  2. 学校管理下での熱中症の死亡例は80年代前半が多い。年10人前後。その後も5人程度の高水準が続くが、世紀が変ってからは減少。最近は対策が進んだのか(p.8)
  3. 学校管理下の熱中症への医療費給付は近年急増。熱中症の発生事態は増えている。あるいは現場での熱中症への理解が進んだ結果、申請が増加した?(p.9)
  4. 学校管理下で熱中症の件数は、80年代から90年代にかけて年間数百件。01年は1000件に迫る勢い。(p.11)
  5. 部活動での熱中症死亡例では、屋外では野球・ラグビー・サッカー、屋内では柔道・剣道が多い。全体の6割以上。半分以上はマラソンダッシュの繰り返しで発生。(p.12)
  6. 運動開始から熱中症発症までには2時間以内が4割。(p.18)

簡単にまとめるとこのような状況が読みとれる。


 剣道だけとは限らないが、熱中症での死者は毎年出ていること。昔の方がその点ではひどかったことは分かる。最近の若いのが軟弱という訳ではない。また、熱中症に関しては、ここ数年で理解が進んだのか、死亡例は減っていること。逆に言えば、この事件の教師の無能さ、生徒の安全に対する理解のなさが際立つように思う。
 事故の事例熱中症のホームページ内)を見ると、症状を訴えていたのに、対処をせず、死に至らしめた事例も散見される。特に酷いのは1983年の事例で、「退部を翻意させるための、マンツーマンによるルーズボール練習中、何度か倒れた後、動けなくなる」というもの。ここまでくると本気で殺人か傷害致死のレベルだな。


あと、熱中症に関連しては、熱中症について調べる国会図書館サイト内リサーチナビ)なんてのもある。


部活動中の事故に関しては、特集:柔道事故(学校リスク研究所内)も興味深い。結構な数の死人が出ているな。しかも、柔道とラグビーの危険度が突出して高い。まあ、競技内容から分からないこともないが。