写真●クールテクノロジーズが販売する緊急通知システム構築用センサー機器セット「HMS-350Wシリーズ」 写真は、インターネット経由での超音波を利用した離床センサーを含むセット「HMS-350W/RF2/IS」。
写真●クールテクノロジーズが販売する緊急通知システム構築用センサー機器セット「HMS-350Wシリーズ」 写真は、インターネット経由での超音波を利用した離床センサーを含むセット「HMS-350W/RF2/IS」。
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 クールテクノロジーズは2011年3月2日、Android端末と無線LAN機器を利用して緊急通知システムを構築するためのセンサー機器セット「HMS-350Wシリーズ」(写真)3モデルを発売した。3月15日から販売を始める。

 グループホーム(認知症施設)や老人介護施設などの小規模施設を主な販売ターゲットとした製品で、最小構成のセットが4万円前後から購入可能。「システム導入に数百万円以上かかる」(クールテクノロジーズ)という既存のPHSを利用する大病院向けなどのシステムと比べて、大幅に安くナースコール機能を導入できることを売りとしている。

 HMS-350Wシリーズは、ワイヤレス離床センサーセット「HMS-350W/RF2/IS」、ワイヤレスセキュリティセンサーセット「HMS-350W/RF2/SS2」、ワイヤレスSOSボタンセット「HMS-350W/RF2/EB」の3モデルで構成する。

 3モデルとも、無線LANルーターのLANポートにメインユニット「HMS-350W」を接続する。これが「無線ユニット」(RF2)を介して遠隔のセンサーからの無線信号を受け取ると、無線LAN経由で専用アプリをインストールしたAndroid端末を呼び出す仕組みになっている。Android端末の呼び出しに使うのはローカルの無線LANだけなので、通信費用や回線料金はかからない。センサーが無線ユニットへ送る無線電波の周波数は950MHzで、出力は最大10mW。見通しで300m以上届くという。

 HMS-350W/RF2/ISは、超音波を利用した離床センサーを含むセット。ベッドなどに設置すると、要介護者が立ち上がろうとした瞬間にセンサーが検知、ナースセンターに設置した無線ユニットに対して無線で信号を送出する。無線ユニット経由で信号を受け取ったメインユニットは、警報音を鳴らすと同時に介護士が持つAndroid端末にもメッセージを送って警報音を鳴らし、端末の画面に発生場所を表示する。

 HMS-350W/RF2/SS2は、ドアや窓などに貼りつけて使うマグネットセンサーを含むセット。要介護者がドアや窓を開けることを同センサーで検知し、HMS-350W/RF2/ISと同様に警告音を鳴らしたりAndroid端末に通知できる。センサーが「一定時間動作しないこと」をトリガーに警告を発するモードも搭載。冷蔵庫やトイレの扉などに設置することで、要介護者が倒れて動けなくなっているなどしていないかなどの確認も可能だ。センサーは単4電池×2個で450日間稼動するという。

 HMS-350W/RF2/EBは、要介護者が自らナースコール(緊急通知)をするための「SOSボタン」を含むセット。SOSボタンは、ベッドの脇や通路、エレベーター内に設置して使う。緊急時にボタンを押すと、他の2モデルと同様、ナースセンター内のメインユニットから警報音を鳴らしたり、介護士が持つAndroid端末に警告を送ったりできる。

 HMS-350Wシリーズは同社直販サイト「クールショップ」やamazon.co.jpなどを通じて販売する。価格は、HMS-350W/RF2/ISが4万6500円、HMS-350W/RF2/SS2が3万8000円などとなっている。