筆者のAnish Majumdar氏は、就職活動支援ファーム「ResumeOrbit」の創設者で、履歴書の作成やソーシャルメディアの使い方、ニッチな求人情報の見つけ方などの支援を行っています。今回はAnish Majumdar氏が「面接に呼ばれる履歴書の書き方」を伝授してくれます。

企業に履歴書や職務経歴書を送っても良い返答をもらえない...就職活動中の多くの人が経験するであろう状況です。どうせ自分なんか採用してくれる企業はないさ、なんて諦める前に履歴書をきちんと書き直してみましょう。以下に、面接に呼ばれやすい効果的な履歴書の書き方を紹介します。■ターゲット職種を明確にする

今日の求人市場では、ターゲットを明確に絞ることが成功の鍵となります。履歴書に関していえば、汎用的な履歴書ではなく、狙いたい職種に合わせた「特注」の履歴書を作ることが大切。「Monster」や「Indeed」などの求人サイトを使って、関心のある職種の求人情報を集め、情報分析を始めてください。最終的にはひとつのターゲット職種に絞るべきですが、複数の職種を射程範囲に入れてもOKです。ただし、それぞれの職種ごとに履歴書を作り直すようにします。それでは以下に履歴書の具体的な書き方をご説明します。

まず、「応募職種」の名称を正確に記入してください。企業には応募者から大量の履歴書が届きます。審査のときにカテゴリー違いとしてはねられてしまわないように正確な応募職種名を明記しておきましょう。

最初のパラグラフ(段落)で、あなたが応募職種にぴったりな人材であることをアピールします。主要な職務経験や、最近取得した学位や資格を記載します。チームビルディングやリーダーシップ、顧客管理などのスキルについても書いておきましょう。簡潔さを保ち、3~4行以内に収めること。誇張やウソを書いている印象を与えないように気をつけてください。

次に、「コア・コンピテンシー」をアピールするセクションを作ります。集めておいた求人情報を調べて、頻繁に要求されているスキルを書き出します(自分が持っているスキルの範囲で)。最初のパラグラフの真下にこれらのスキルを並べて書きます。例えば、応募職種がマーケティングスペシャリストなら「マーケティングプラン/コーポレート・ブランディング/トレンド分析」などのスキルが並ぶはずです。箇条書きで見やすくしてもよいでしょう。

■キャリアゴールをサポートするように「職歴」を構成する

本質的に、履歴書とは個人的なマーケティング・ツールです。仕事上の失敗などのネガティブな情報をわざわざ書く必要はありません。また、キャリアゴールをサポートするように職歴を最適化することが重要です。職歴欄では、キャリアゴールに合った職務を強調し、そうでない職務は目立たないようにします。では、どの職務を目立たせ、どの職務は目立たないようにすべきでしょうか? それは、以下の質問に答えることで判断できます。

その職務は応募職種と直接関係あるものか?:関係がある職務なら、責任範囲を明確にしつつ職務内容を数行程度で記述します。続いて「主な業績」を箇条書きにします。この書き方は、必要な文脈情報を提供しつつ、視覚的にもインパクトを与えます。

その職務はソフトスキルやユニークな経歴としてアピールできるか?:応募職種とは直接関係がない職務経験でも、ソフトスキルやユニークな経験としてアピールできるものがあります。書き方は上記の「応募職種と直接関係ある職務」と同じでかまいませんが、職歴中に占める領域は小さめにしてください。

その職務はマイナス要素になりそうか?:責任範囲や報酬の点で「降格」に該当するような職務内容や、単純にうまくいかなかった職務経験は、ばっさり省いてしまってかまいません。履歴書に大きな空白期間ができてしまわない限り、その職務はとばして次の職務に移りましょう。大きな空白期間ができてしまう場合は、1~2行で短く要約しておきます。

■致命的な欠陥をなくす

審査の過程で履歴書がボツにされる一番の原因は、致命的な欠陥があることです。以下に、NGが出されやすい履歴書の特徴と、その回避方法をご説明します。

キャリアゴールと職歴の間に明確な関連性が見られない:履歴書の最初のパラグラフが、履歴書全体を貫くテーマになっていることが大切です。このパラグラフで述べたスキルや特徴が、職歴全体を通して発展してきているように見えるかを確認してください。特に、直近の職務ほどキャリアゴールと強い関連性があるべきです。多少くどくなってもかまいませんので、キャリアゴールと職歴の関連性が明確に見て取れるように全体を構成してください。

職歴に大きな空白期間がある:数ヶ月程度の空白なら問題はありません。ただし、6カ月を超える場合は注意が必要です。その場合は、空白期間の箇所に数行の「キャリアノート(注意書き)」を記入しておきます。例えば、家庭の事情、トレーニングコースへ通っていた、新しいキャリアを模索していたなどです。何もせずブラブラしていたわけではないことを明確にします。

必要な教育やトレーニングを受けていない:現在進行形の教育過程も学歴欄にしっかり書いておきましょう。学位を取得中であるとか、アドバンストレーニングコースを受講中であるとかいった場合です。卒業まで待つ必要などありません。卒業予定日を明記しつつ「現在受講中」と書いておけば大丈夫です。

Anish Majumdar(原文/訳:伊藤貴之)