大和総研がミャンマーでクラウド構築へ、電機大手と共同で=社長

[東京 23日 ロイター] 大和証券グループ本社<8601.T>傘下の大和総研(東京都江東区)は、日本の大手電機メーカーと共同で、ミャンマーの政府や公共機関を結ぶIT網の構築に乗り出す。大和総研の深井崇史社長が20日、ロイターとのインタビューで明らかにした。
深井社長によると、大和総研はミャンマーの中央銀行から、同国政府の基幹IT網の計画立案を任された。事業費は300億円(約3億8400万ドル)ほどの見込みで、日本政府からの資金支援を模索しているという。
ミャンマーは半世紀に及ぶ軍事政権から民主化に向けた変革期にあり、インフラ整備が急務となっている。大和はインターネット経由で情報サービスを提供するクラウドを構築し、ミャンマーの32の省庁のほか、学校や病院をつなぐ計画。電力や技術者が不足している国では、昔ながらのシステムよりも安価に、早くIT網を整備できるメリットがある。
深井社長によると、計画にはパナソニック<6752.T>のほか、東芝<6502.T>、日立製作所<6501.T>、NEC<6701.T>、KDDI<9433.T>が参画に関心を示しており、ミャンマーのインフラ整備に「オールジャパン」で臨む構え。各社ともロイターの取材にコメントを控えた。
ミャンマーは6000万人以上の人口と豊富な天然資源を抱え、日本企業の進出や商機拡大が期待されている。富士通<6702.T>とNTTデータ<9613.T>も、ミャンマーの銀行間決済システムの構築に関する調査を開始した。
大和証券グループは今年5月、ミャンマーの証券取引所設立を支援するため、東京証券取引所と共同でミャンマー中央銀行と覚書を締結した。資本市場の構築に向けて、ノウハウやシステム面で協力する方針を示すなど、関係強化に動いている。
深井社長によると、大和はすでに20社超のミャンマー企業に株式公開を提案。ガス会社や鉱山関連企業、農業関連企業などが含まれるという。ベトナムのような経済発展を遂げれば、2020年をめどに180─300社のミャンマー企業が株式を公開し、取引される可能性があるという。
(ロイターニュース アントニー・スロドコフスキー、翻訳:江本恵美、編集:久保信博)

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