今日バイト先で話をした小学校五年生の女の子(別に怪しいバイトじゃなくて普通の個別指導塾)の話が興味深かったのでつぶやくことにする。
彼女は休み時間にイヤホンをしてずっと腕を組んで寝ていた。
何を聴いているのか気になって話をかけてみると、どうやらボカロを聴いているらしい。
カゲロウプロジェクトの曲を聴きながら眠りについていた様子。

俺「ボカロ好きなんだ〜!?」
小(学生の女の子の生徒)「そうだよ〜!」

どれどれ見せてみーっ!!ってな感じで彼女のスマホを見てみた。
どうやら彼女が聴いていたのはMP3ではなく、YouTubeだった様子。

俺「いつもユーチューブで聴いているの?」
小「そうだよ〜」

おお、流石現代っ子や。

俺「音楽はスマホで聴くの?」
小「うん、スマホならどこでも聴けるもん!」
俺「まぁそうだけど…ユーチューブじゃ音悪くない?」
小「んん?でもすぐ聴けるし、私はこれでいいかなー」

やっぱり今の子は感覚が違うんだなぁ……。

俺「もしかして友達とかもみんなユーチューブで音楽聴いてるの?」
小「友達はわかんないけど、結構みんなそうなんじゃん?」

うわ〜、その状況は音楽業界的にキビシー

俺「じゃあ○○ちゃんはボカロのCDとかは聴かないの?」
小「なんで?だってスマホで聴けばCD買う必要ないじゃん!」

???

俺「え、だからそれじゃ音悪いし、歌詞カードとかもないじゃん!」
小「私は音楽が聴きたいの。音が悪くても良くても私には関係ないし、音楽だけ聴ければいいの。」

なん…だと…。

俺「だけどなんかそれって好きな音楽にお金払ってないし失礼な感じしない?(まだ小学生だし、そうは思わないのかな)お母さんにCD買ってとか言わないの?」
小「言ってもムダムダ!YouTubeで聴けるからCD買う必要ないもん!ていうか、CDってどうやって聴くの?持ち運べないじゃん。」

ええ〜!!!!そんな質問……。

俺「いや、家ならCDコンポとかでCDは聴けばいいし、持ち運ぶならPCから取り込んで、スマホとかiPodなんかに入れればいいんじゃない?(俺はウォークマンだけど)」
小「えぇ…なにそれ、めんどくさ。」

「めんどくさ」だと……。

俺「いや、でも音とか全然違うよー!!」
小「いや、だから音とかは関係ないって言ってるじゃん。私は音楽が聴ければいいの」
俺「カゲロウプロジェクトの限定小説がついたCDとかあったら買う?」
小「それだったら迷うけど、そうしたら小説だけ欲しいかな。CD買うだけ無駄じゃん!」

む、むだ…だと…

俺「じゃあもしYouTubeでいつもきいてるカゲロウなんちゃらが毎月100円払わなきゃ聴けないって言ったらどうするよ??」

ちょっとつっこんだ質問を投げかけた!!

小「んん〜〜迷うけど、お金払ってまで聴こうと思わないかな〜〜」

えええーーー!!!!どういうことだよ……。
こっちがどんなに「なんで?」って疑問を提示しても「別にそれって普通でしょ?」という回答の小五女子。 
小学校五年生の女の子一人の意見だけど、音楽に対する意識というものがここまで違っているとは全く思ってなかった。この子にとっては音楽とは、蛇口をひねれば出てくる水道の水のような感覚なのだ。それが本来は貴重な資源であるということは普段一切考えない。そんな感じがした。
 
CDを買わない理由には、おこづかいとか物理的なモノもあるだろう。
親御さん、スマホは持たせるのにCDは買ってくれないっていうのもアレだが……。

もうなんかわけわからんくて絶望した。
江戸時代の人間がちょんまげをしていない現代人を見て「なぜまげをしていない?」と質問しているような感覚。

音楽にお金を払って聞くという価値観が存立していない状況であった。虚しさに震えた。
こうした子供達が将来大きくなって、今の音楽コンテンツに夢を求めて投資をしてくれる日はくるのだろうか。この感覚の違いは数年経てばいくらかは埋まるモノなのだろうか。
いや、その前にどうにかして、音楽の楽しさをこの子のような将来を担う世代にも伝えていかないと!!と一人の音楽人として思った今日この頃だった。





※この記事の続き書きました。
音楽の価値とは??続き??