ITmedia NEWS >

厳選!初心者にオススメしたいポータブルヘッドフォンアンプ初めてのヘッドフォンアンプ特集(1/2 ページ)

» 2011年03月25日 15時43分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 以前の記事で、いまヘッドフォンアンプがちょっとしたブームになっていることを紹介したが、しかしそれはUSB DAC機能があってこその話。そう、この人気は純粋にヘッドフォンアンプが盛り上がっている訳ではなく、あくまでもPCオーディオ製品の中核たるUSB DACの普及に伴う、付加機能的な拡がりであることは事実だ。

 しかしそういった動向がきっかけで、ヘッドフォンアンプが超マイナーな製品から、気軽にiPodなどを楽しむ一般ユーザーに対して認知度が高まったこともまた事実。ということで、今回は、注目度の高まりに応えるべく、(USB DAC機能はさておき)ポータブルプレーヤーで活用できるヘッドフォンアンプについて、その使いこなし方法とオススメ製品を紹介していこう。

 そもそもヘッドフォンアンプとは、音声信号を増幅する、小さい音を大きくするための道具であって、あくまでもヘッドフォンの能力を生かすための機能品に過ぎない。しかもその機能は、すでにポータブルプレーヤーに内蔵されているもの。それをわざわざ導入するなんて、一見無駄のように思えるかもしれない。しかし、これこそオーディオの奥深さの1つであり、「増幅」という行為の難しさを証明する証拠でもある。

 そう、小さな音を大きくしようとすると、音がひずんだり細やかさが低下したりするデメリットが生じやすいのだ。音楽の場合、それが音質やリアリティに直結するため、こだわり派の人たちが質の良い「ヘッドフォンアンプ」を求めたがるのである。

 また、欧州製のヘッドフォンなどでは、高いインピーダンス特性を持つ製品も多く、ポータブルプレーヤーのヘッドフォン出力ではボリュームが確保しきれない場合がある。こういった場合にも、ヘッドフォンアンプは有効だ。もともとポータブルプレーヤーは、付属品レベルのイヤフォンを想定して設計されているものが多い。デジタルオーディオの製品クオリティーは確実に格段に向上しつつも、高級ヘッドフォンが使われることまではあまりフォローされていない。このため、プレーヤーやヘッドフォンの種類によっては、別体のヘッドフォンアンプが必要となってきてしまうのである。

 しかしその一方で、ヘッドフォンアンプの評価は真っ二つに分かれている。ある人は「ヘッドフォンアンプは必須」といい、方や「たいして音は変わらない」と意見する人もいる。なぜ、ここまで評価が分かれてしまうのだろう。

 そういった結論に達するには、さまざまな理由が考えられる。筆者が察するに、大半は使いこなしの問題だと思われる。先に紹介したように、ヘッドフォンアンプは性質的に機能品であるのにもかかわらず、同時に音楽再生の難しさを内包するパートでもある。上手く使いこなさないと、高い効用を獲得しにくいのだ。

 とはいっても、なんら難しい話ではない。基本的な事項をほんの少し工夫するだけで済む、簡単な話なのである。

ヘッドフォンアンプの正しい使い方

オヤイデ電気のドック出力ケーブル「Fiio L9」は、iPhone/iPod/iPad対応のドックケーブル。L型のため持ち運びにも便利だ。価格は2310円で4月8日発売予定

 まずヘッドフォンアンプを導入した際、ポータブルプレーヤーのヘッドフォン端子にそのまま差そうとする人がいるが、これは絶対NG。なぜなら、せっかく音質的なボトルネックになりがちなアンプ(+ボリューム)パートを外部の高性能品へ独立させたのに、内蔵部分をパスさせず2重経過しては元も子もない。ヘッドフォンアンプを活用する場合は、ドック出力ケーブルの使用は必須事項だ。

 次に、AKGやゼンハイザー、フィリップスなど、欧州製のイヤフォン/ヘッドフォンを使っている人は、ボリュームだけでなくゲイン切替が付属しているモデルを推奨する。なぜなら、機種によってはインピーダンスの高い、要はアンプに高い駆動力を求める製品が存在するからだ。こういったヘッドフォンの場合、相性の良いヘッドフォンアンプをうまく選び出すことによって、いままでの印象が嘘だったかのようにイキイキとしたサウンドを手に入れることができるようになる。製品選びの際、実際に自分のヘッドフォンを持ち込んで試聴させてもらうなど、じっくりと製品を選ぼう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.