「衣食住という言葉はおかしい。食が第一、あと住・衣の順だと思う」という言葉を残したのは大山倍達だが、まったくだ。
食によって、どれだけ我々のモチベーションが左右されるか。腹が減っては戦ができないし、戦がなくたって美味しいものは大好き。

そしてここに、“食”を大充実させている企業グループがある。「GMOインターネットグループ」で6月17日より開設された社員食堂「シナジーカフェGMO Yours」が、もう羨ましすぎなのだ。
「“世界一の福利厚生”を目指すプロジェクトを起ち上げました!」(同社・担当者)

きっかけは昨年10月に行われた同社のグループ全体ミーティング。そこで「社の業績を、スタッフに還元したい」と社員に意見を募ったところ、最も希望が多かったのは「“社員食堂”と“託児所”の充実」だった。

そこからは、トントン拍子。その場で「社食プロジェクト」結成が決定され、立候補で名乗りを上げた8名のスタッフによって全てが動き出した。

そこで、皆さんにお伺いしたい。“理想の社員食堂”をつくるにあたって思い浮かぶものは何か? 「こんな設備があったらいいな」と、夢に見てしまうような。
例えば、同社ではこういうのがあった。「栄養士のアドバイスを受けられる」、「エスプレッソマシンを数台設置する」、「仕事しながら食べられるようWiFi環境を用意する」などなど。
なんと、これら全てを同社は現実のものとしてしまった。
「プロジェクトでは200近い数の提案があったのですが、90パーセント以上を実現しました」(担当者)

それにしても、この社員食堂の充実っぷりは天井しらず。何しろ、毎週金曜の18~22時半には、山中真氏を専属のソムリエに迎え、食堂スペースをそのままバーにしているというのだ。そこでは、会社内だというのにフローズンカクテルなんかを飲むことができる。それだけじゃない。DJブースやカラオケ機材まで置いてある……。

「当社代表の熊谷がよく言っていたのは、『社食だからという言いわけはするな!』ということでした」(担当者)
世界一のサービスを提供するためには、世界一の仲間を集めなければいけない。だからこそ、それに見合う魅力的な場所を社内に作りたい。ならば、社員食堂という枠を取り払って、他のお店と競ってもナンバー1になるような社食作りを目指す。その意気込みがないと、既存の社食と変わらないものになってしまうから。

では、結果的に社員は満足しているのか? ……満足している。断言できる。
お昼時に、社食に集まる社員さんの表情を見れば一目瞭然。もう、数え切れないほどの人数が列をなしており、みんなキラキラした顔をしているから!
そこで、私も社食のメニューを拝見させていただいた。……もう、よだれが出ちゃうよ! 眼前には、色とりどりの料理が所狭しと。日替わりランチがあり、他にもビュッフェ形式で様々な料理が取り放題。フルーツは山盛りにしてあって気に入った分だけもぎっていけばよい。焼きたてパンだってあるし、日替わりの酢ドリンク(当日は「りんご酢ドリンク」)もある。
と思ったら、盛り沢山のスナック菓子までも! ちなみに、全て利用は無料なのだ。マジか? ウソだろ!?

しかも嬉しいのは、それぞれの料理にはカロリー表示と産地表示がしてあること。私も日替わりメニューをいただいたが、これが美味しくてヘルシー! 挽肉、メカジキ、シメジ、カリフラワー、小松菜……と、新鮮な食材によってできあがった料理は栄養価が高くバランスが取れていて、食べる人の健康も考えたメニュー作りがなされている。
これは、ランチタイムが待ちきれない。毎日、食堂は人でイッパイなんじゃないか?
「実はネットを使って、食堂の混雑状況を確認することができるんです」(担当者)
社食には3台のカメラが設置されており、オフィスの自席から食堂内の映像をチェックすることができるそうだ。

そして、同時進行で動いているのが「託児所プロジェクト」。
8月22日にオープン予定の託児所「GMO Bears」では、0~6歳の乳幼児を預かってくれる。そして同社ならではのシステムとして、社員食堂と同様に託児所にも室内カメラを設置予定。オフィスにいながら、映像で我が子の様子を見ることができる。
また、託児所の隣には7月25日より「GMO BALIRELAX」というマッサージ・昼寝スペースがオープン。ここでは、常駐する有資格者スタッフによる施術を受けられる。料金は10分500円を予定しているが、これは市場価格の約半値。

これら全てが、プロジェクト起ち上げから約8カ月という短期間で形になっているのが驚き! さすがは、IT企業のスピード感である。
今ではこの“福利厚生プロジェクト”が話題となり、同社グループへの入社希望者は目に見えて増加しているとのこと。それだけでなく、社員間でも「ウチは、自慢の会社だ」と胸を張るスタッフが増えている。

ぶっちゃけ、私も同社で働きたくなったくらいだもの。社員じゃない私のモチベーションも、なぜか上がってしまう始末。満腹感とモチベーションで、胸がいっぱいになった。
(寺西ジャジューカ)