日本では、やっと広がりを見せつつある「Facebook」ですが、この1年アメリカではFacebookに対する不満や悪評が尽きませんでした。多くのユーザーが「第2のFacebook」を探しているような状況だそうです。

そんな不満を解消するかのように登場したのが、オープンソースでユーザーが管理できるソーシャルネットワークサービス「Diasporaです。Diasporaとは一体どんなSNSなのか、ご紹介していきましょう。

※注 Diasporaはまだ発展途上のツールで、今でもアルファ版という状態なので、過度な期待はしないようにお願いします。以降の画像は、クリックすると拡大します

 ■シンプルで簡素なプロフィール

Diasporaには、まだFacebookのような多様な機能はありません(Twitterにすら追いついていないかも...)。そこはまだアルファ版だからしょうがないとして、ビジュアルはかなりカッコイイです。

最初に、他人から見つけられるようにするために、Diasporaのアカウント(○○○○○@joindiaspora.com)を取ります。メールアドレスのようなアカウントなので、他にも何か使い道があるような気がしますが、他の使い道はありません。この辺りはちょっと困惑するところです。

友だちや知り合いの「〜@joindiaspora.com」というアカウントにメールを送っても、送信失敗として戻ってくるだけです。ですから、今のところこのメールアドレスのようなアカウントは、本当にただのアカウント名です(もしかしたら将来搭載予定の機能で使われるのかもしれません)。

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プロフィールは、Facebookのプロフィールと同じような感じです。ページの左上部に自分のプロフィール写真があり、その下に性別や誕生日などのちょっとした個人情報があり、右側には自分がポストした内容が表示されます。

プロフィールページの自分のポストが表示される部分は、自分のポストだけが表示され、他人のポストは表示されないので、Facebookというより、Twitterに近い印象です。Facebookでは、自分のポストに付いた他人のコメントも表示されますが、それもありません。FacebookのWallのように、他人のプロフィールにポストする方法も、今のところはありません。

プロフィールページの作成画面は、このようにとても簡素です。

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まだ分かりませんが、将来的にはプロフィールにもっと色々な情報が追加されるのでしょう。自分の写真とポストが中心のプロフィールページは、かなりTwitterっぽい印象です。

■「アスペクト」でフレンドリストの作成も簡単に

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Diasporaは、「アスペクト」と呼ばれる編集機能にかなり力が入っています。今までに色々な場所に引越したことがあり、バラバラの地域に住んでいる友だちがたくさんいるとします。そういった場合は、地域別に友だちのリストを作れます。また、家族・仕事仲間・趣味の友だち・親友など、属性によってリストを分けることも可能です。一人にいくつものアスペクトを付与できますし、アスペクト毎に見えるものの制限もできます

例えば、かなりマニアックなゲームにハマっていたとして、そのゲームの進捗をゲームおたくじゃない友だちには見せる必要がないと思ったら、ゲームのアスペクトを「プライベートモード」に設定すればOKです。見られてもいいアスペクトだけを見せたり、そのアスペクトの属性が付いている人にだけ見せられます。人によって見せるアスペクトを変えられるというのは、かなり便利だと思います。

■Diasporaを始めよう

今のところ、Diasporaを始めるにはほんの数分しか掛かりません。プロフィールを作成して、何かポストする、それだけです。ポストするのは、今の自分の状況でも、写真でも、他の人のポストへのコメントでも、何でもいいです。一度にすべてのアスペクトへポストできますし、ある特定のアスペクトだけにポストすることも可能です。

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Diasporaで誰かがフレンドリクエストをしてきた時は、メールの通知を受け取り、見逃すことはまず無いと言っても過言ではないほど、大きな赤いボタンが表示されます。それをクリックすると、保留になっているリクエストが表示され、ドラッグアンドドロップで、いかなるアスペクトへも追加可能です。

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アスペクトはいつでも編集できますし、一人にいくつものアスペクトを付与できます。もちろん、新しいアスペクトを作ったり、それを追加することも、いつでも可能です。

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アルファ版で利用できる最新の機能は、FacebookやTwitterとの統合です。一つのポストを、FacebookにもTwitterにも、クロスネットワークでポストできます。ただし残念ながら、TwitterやFacebookにポストされたものを、Diasporaに自動的に引っ張ってくることはできません(近いうちにできるようになると思いますが)。

このように、アルファ版ということもあり、全体的にかなり基本的な機能にとどまっていますが、ビジュアルはシンプルでかなりいいです。直近で考えられる課題としては、ユーザーが大幅に増えた時に、大量のアクセスに耐え得るかどうかというところでしょう。

ソーシャルサービスというのは、いかに使いやすいかというのがポイントです。使い方が分かりにくいと、ユーザーは定着しませんし、普及もしません。Diasporaに関しては、アスペクトが理解され、受け入れられるかが鍵になるのではないでしょうか? 少し使ってみた印象では、タグやリスト、グループといった概念に近いのではないかと思います。

案ずるより産むが易し。興味のある人は、今すぐDiasporaにサインアップして、誰か友だちを招待して使ってみてください。使ってみた感想は、コメント欄にお願いします。

Diaspora

Whitson Gordon(原文/訳:的野裕子)