簡単にコメントしておくと

(1) オスプレイ問題は、それ自体でよくわからない部分があり、いわゆる公表されている安全性については政府の立場から確認が必要というのはたしかなので、その意味では現行の民主党政権が間違っているわけではない。

 こんな感じ⇒オスプレイなど: 石破茂(いしばしげる)ブログ

だからこそリスクを最小化するために辺野古移設を進めていたのです。現政権で進捗が期待できない以上、日本政府として「米国がこう言っている」ではなく「日本政府として安全性を確認した。万一の時は当然責任を負う」と言い切るように全力を尽くして検証するしかないでしょうし、それが言えるまでは飛行を認めるべきではないと考えます。日本政府として責任が持てないものを国民が許容することなどありえないことを政府は知るべきですし、オスプレイ配備まで空白が生ずる場合の抑止力の低下についての対応も当然考えてしかるべきです。

 具体的には。
 ⇒米軍“オスプレイ 改良し機能備えた” NHKニュース

 アメリカの最新型輸送機、オスプレイを巡り、専門家の一部が、エンジンが停止して不時着をする際の機能が不十分だと指摘していることについて、アメリカ軍は、「改良の結果、機能は備えている」と書面で反論を展開し、日本国内で安全性への懸念がこれ以上広がることを避けたいという思惑があるものとみられます。
 オスプレイを巡っては、性能に関する評価書をまとめた元分析官などが、2機のエンジンが同時に停止して落下する際、上昇気流を使って回転翼を回転させて落下速度を和らげる「オートローテーション」という機能が不十分だと指摘しています。
 これについて、NHKがアメリ海兵隊に取材したところ、航空部門でオスプレイの運用を統括するマシュー・グレイビー大佐が、このほど書面で回答し、「以前は、機能が欠けていたかもしれないが、改良の結果、現在はオートローテーション機能を備えている」と反論しました。
 その一方で、「オスプレイは、落下の際に機体が前方に向かう力が強く、落下の速度は通常のヘリコプターよりも若干、速くなる」とし、パイロットは、こうした緊急事態の際の対処方法を訓練で学んでおり、問題はないと強調しました。
 アメリカ軍は、これまでオスプレイの安全性に関する個別の指摘に対し、回答することは避けていましたが、今回、異例とも言える反論を展開した背景には、日本国内で安全性への懸念がこれ以上広がることを避けたいという思惑があるものとみられます。

 この「改良の結果、現在はオートローテーション機能を備えている」の意味を明確にしたほうがいい。
 ⇒FNNニュース: 森本防衛相、米側への...

 9日、衆院予算委で森本防衛相は「アメリカ側からは、このMV-22(オスプレイ)がオートローテーションの機能を持っているという説明を、われわれは受けていますが」と述べた。
 日本側の防衛省作成のパンフレットでは、緊急時には、オートローテーションを行えるとしている。
 しかし、2年前に作られたアメリカ国防総省のガイドブックでは、「V-22(オスプレイ)はオートローテーションに頼らない」とされていた。
 関係機関で性能分析を行った元陸軍パイロット、レックス・リボロ元主任分析官は「2つのエンジンが停止した場合、機体はコントロールがきかなくなり、墜落してしまう。オスプレイはオートローテーションできない。それなのにできるというのは、事実の歪曲(わいきょく)だ」と語った。
 安全性が疑われるオスプレイの緊急時の機能をめぐり、17日、フジテレビに出演した森本防衛相は「パイロットも90日ごとにこのシミュレーションの機械、つまりシミュレーターを使って、オートローテーションの訓練を受けてますし、パイロットがこれを受けているオートローテーションのシミュレーションを見学したり、体験したりして、説明できるようにしたいと、こういうふうに考えています」と述べた。

 ⇒FNNニュース: 「オートローテーショ...

(万が一のときは、それを使って着陸するということ?)
ただし、それはもう、エンジンの力のなくなった非常事態ですから、これで必ず無事に着陸できるというものではありません。
その点、実はこのオスプレイは、2つエンジンがありますよね。
このエンジン、実は翼の中のシャフトでつながっているんです。
ですから、例えば、片方のエンジンが止まった場合、もう片方のエンジンの力でもって、両方の回転翼を回すことができるんですね。
ですから、それを使って、たいていの場合には対処しようというわけなんですよ。
そしてまた、オスプレイ主翼がありますから、普通の飛行機のように滑空して、着陸するということもできるわけです。
 
(オートローテーション以外にも機能があるということだが、これで安全は担保されたと言えるのか?)
アメリカの国防省のパンフレットに「オートローテーションに頼らない」というのは、つまり、ほかの機能で十分対処できるんだと考えているんでしょう。
実際、オスプレイの事故率は、海兵隊が使っているほかのヘリコプターより、決して高くないんです。
ただし、ただしですよ、問題は、その配備先が普天間基地だってところですよね。
市街地が隣接していますから、もしあそこで墜落すれば、大きな問題になる可能性があるわけです。
ですから、その意味で、沖縄の人たちの反発っていうのもわからないではないですよね。

 

(2) オスプレイ如何にかかわらず市街地の軍用基地は危険。これが根幹の問題。

 オスプレイの問題が確率的に管理できても、それが市街に5年スパンでもたらす危険性はクリアしづらい。
 ということで、普天間飛行場オスプレイを配備して運用することは、かなり大きな安全保障上の問題を持つ。沖縄県民の被害もだが、その事態で、現在の原発運動のように、また仲井間知事が言及しているように、沖縄の全米軍基地への反感が取り返しの付かないことになる。

 しかし、オスプレイの日本国の安全保障上の必要性があるというなら、現状策としては、有事シナリオを明確にし、とりあえずシュワブに配備して海側への運行をするくらいだろうし、並行して嘉手納への吸収の議論を詰めることではないか。
 あるいは、普天間の市街地から民間人の退避という策もないではない。
 ただ、Wikileaksからは、米国は日本の現行の政府に信頼を持っていないので有事シナリオを明らかにしないとしている。
 このため、実際にオスプレイがどのような役割を持つのか、日本政府は十分に理解していない。
 憶測例⇒オスプレイは尖閣諸島まで1時間で到着 上海も行動範囲に 2012/07/24(火) 19:13:19 [サーチナ]

  英BBCは、森本敏防衛相が22日に「オスプレイ導入で(日米が)日本の南西方面を含む抑止力を高めることが重要だ」と発言したことを伝えた。BBCは、日本の南西方面は尖閣諸島台湾海峡を指し、近年の日本の『防衛計画の大綱』と自衛隊の演習は南西の防衛の重要性を強調していると分析した。
  テレビ朝日は22日、専門家や防衛相などを招いて討論を行った。同局が作成した図を見ると、オスプレイの行動半径は沖縄を中心に、尖閣諸島だけでなく、上海など中国の一部都市にも及んでいる。
  メア前米国務省日本部長はフジテレビのインタビューに対し、「オスプレイは米軍普天間飛行場から尖閣諸島までわずか1時間で行くことができ、そのうえ、搭乗する作戦部隊と戦車の数も既存のヘリコプターより多い」と述べた。また、オスプレイ配備の最大の目的は日本の尖閣諸島防衛に協力することだと話した。