【2月21日 AFP】内部告発ウェブサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が入手した米外交公電によると、日本政府が、米中央情報局(CIA)や英秘密情報部(MI6)をモデルとした、戦後初めての本格的な対外情報機関を準備している。豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)が21日、報じた。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙によると、同紙は在日米大使館の外交公電をウィキリークスから独占入手した。日本の新たな情報機関は、中国と北朝鮮の情報収集を目的として、内閣情報調査室(内調、Cabinet Intelligence and Research OfficeCIRO)のもとに設置が進められているという。

 2008年に、当時の内調トップだった三谷秀史(Hideshi Mitani)氏が米国務省情報調査局のランダル・フォート(Randall Fort)局長に「人的情報収集能力」が優先事項だと語った。福田康夫(Yasuo Fukuda)、麻生太郎(Taro Aso)両元首相がこのプロジェクトを開始したという。

「この計画は、日本に経験や知識、人的・物的資源が不足しているとの認識から、非常にゆっくりと進めることが決められた。新しい要員の訓練は間もなく始まるところだ」(シドニー・モーニング・ヘラルド紙が報じた米外交公電)

 これに対し、フォート氏は、日本企業の世界的なネットワークの中で「活用されていない資産」を利用するように日本政府高官に促したという。

■「日本は企業関係者の協力を受けている」と専門家

 匿名を条件にAFPの取材に応じた日本の情報関係の専門家は、日本にはまだ「人的情報機関」は存在せず、外国人をエージェントや情報提供者として勧誘しようともしていないが、海外にいる日本のビジネスマンやジャーナリストに情報収集を依頼し、外務省と内閣の「機密費」から報酬を支払っていると語った。(c)AFP