Google Chromeの安定版が「Chrome 12」に Google Gearsは終了

Webブラウザ「Google Chrome 12」は、多数の脆弱性に対処したほか、3D CSSのGPUアクセラレーションをサポートし、オフライン機能のGoogle Gearsのサポートを終了した。

» 2011年06月08日 07時37分 公開
[鈴木聖子, 佐藤由紀子,ITmedia]

 米Googleは6月7日(現地時間)、WebブラウザChromeの安定版を「Chrome 12(12.0.742.91)」にアップデートした。

 セキュリティ関係では合計14件の脆弱性に対処した。このうち危険度「High」の脆弱性は5件あり、「浮動小数を処理する際の整数問題に起因する解放後使用」「JavaScriptエンジンV8における同一生成元ポリシー回避」などの問題が解決されている。危険度が最も高い「Critical」レベルの脆弱性は今回は含まれていない。

 プライバシー強化も図られ、「Flash cookie」と呼ばれるローカルストレージをChromeの画面から直接削除できるようになった。Adobe SystemsのFlash Playerではユーザーが閲覧したWebサイトの情報が「ローカル共有オブジェクト」として記録され、これまでは削除が難しかったが、Adobeが5月にリリースしたFlash Playerの更新版でこの問題に対応。これがGoogle Chromeにも反映された。

 また、「Safe Browsing」機能により、マルウェアの可能性のあるファイルをダウンロードしようとすると警告するようになった。

 セキュリティ以外の主な更新は、以下の通り。

  • 3D CSSのハードウェアアクセラレーション対応:3D CSSを利用しているWebサイトで画像を高速に再生できる(Windows VistaおよびMac OS X 10.6以降に対応)
  • Google Gearsのサポート終了:Gearsの開発はHTML5への移行を目的に既に終了していたが、これで実質的に廃止となる
  • Omnibox(検索・アドレスバー)からのWebアプリ起動が可能に
  • 複数端末での同期機能の設定が「個人設定」ページに統合された
  • Mac版で、[コマンド]+[Q]で終了しようとすると警告するようになった
  • スクリーンリーダー(画面読み上げ機能)の強化

 Googleは、3D CSSのハードウェアアクセラレーション機能を試せるサンプルを、Chrome Experimentに用意している。

 3d

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