ボカロを聴く理由(ボカロ以前と、以降)

ボカロを聴く理由

また、今回もVOCALOID聴き専ラジオから考えたお話です。
当該回の録音やtogetterなど: http://d.hatena.ne.jp/kikisenradio/20110702


今、自発的に聴いてる音楽のほとんどはがボカロ曲や周辺(NNI、歌ってみたなど)です。なぜボカロ曲を聴くのだろう、という疑問を考えてみると、"自分にとって音楽とは何か"や翻って"ボーカロイドという現象は何なのか"が見えそうで、ちょっと興味深いものです。なので少しだけ考えてみました。


ぱっと思いつくのは、こんなのです。

  • 様々な面白い曲を聴ける、音楽的な興味
  • 色んな人の創作が連鎖していくなど、現象としての興味
  • ボカロ自体を話題とした、界隈とのコミュニケーション


ラジオナビゲーターの一人、ネズモズさんは「一番は、タダだから。欲しいより聴きたい欲求がすごくて。2、機械が歌うロマン。3、幅広く聴ける。3は1とかぶる、色んな所に好きなだけアクセスできる」とのこと。


確かに、無料かつネット上で手軽に曲を探して聴ける、ってのも大きいです。でも、少なくとも自分にとって"無料"が決定打でないのは、ejiwarpさんが指摘するところ。

たしかに"無料で聴ける"曲はボカロ以外でもあるんです。

ボカロ以前

そう言えば、ボカロ以前(ニコニコ動画以前)にもネットで無料の音楽を聴いていた事を思い出しました。インディーズの投稿サイトです。いくつかお気に入りも見つけました。例えば、こんな曲。


■Gypsy/SHACHI
The Blue HeartsKemuriGreendayを好きだったと言えば、通じるかな。ブレークも多分王道的手法だけど聞いてて気持ちいい。あと、途中で切なくなるメロディなど。


十六夜月/onoken
さっきの曲とは全く別方向。バラードかな。曲の動静や盛り上げ方が、劇的な感ではあるけど、とても面白い。


と、こんな感じで曲の多様性もあったし、無料で聴けるし、ランキングもあって曲探しも比較的容易でした。これは現在のニコニコ動画のボカロ動画ととても似ています。


でも、ボカロほどのめりこむ事はありませんでした。

ボカロ以前と以後の違う点

何故、インディーズの投稿サイトでは、ボカロほどのめり込まなかったか。次の2点だと思います。

  • 1、ボカロのような現象としての面白さがなかった
  • 2、界隈とのコミュニケーションの容易性が、ボカロ以降より低かった


1は、インディーズが曲を登録するだけで、それ自体がweb上で行われたからといって、そう目新しいとは思いませんでした。また、もしコラボなどが行われていても、知らなかったので、強く興味喚起されることもありませんでした。


一方、ニコニコ動画以降、ボカロ以降ではボーカロイド、動画投稿サイト、CGM著作権など様々なボカロ関連の話題がweb上を賑わせました。自分にとっては興味が起きないわけがありません。


2は、ニコニコ動画のコメントやtwitterなどの、コミュニケーションの容易性が、ボカロ視聴を面白くしたと言う事です。好きな曲を、色んな人が「この曲いいね!」と言ってる様子が見えると嬉しいですし、「この曲、転調が印象強い」と今まで明示的に思いつかなかった、面白さを解説してくれるツイートを見ると、また新鮮な視点で曲を楽しめます。


あと、ボカロ現象についてわいわい妄想を披露しあってること。1と2の複合ですが、これも面白いものです。


とまぁ、こんな事が私がボカロ曲を聴く理由です。その他、LUKANAN_Pさんによるボカロを聴く前は何を聴いていたのかにも、いろんな人の"ボカロ以前"が乗っていて、ボカロを聴く理由が、何かわかるかもしれません。