担当M(以下M):各チームともキャンプでどんどん追い込んでいるようです。今年は1993年にリーグ戦がスタートして20周年ということで、様々なイベントも用意されているようで、華やかな一年になってほしいと思います。その一方で、そろそろJリーグでも改革が必要なことがあると思いますが、ラモスさんからご覧になって、Jリーグのどこを改善すべきでしょうか。

ラモス(以下R):僕はヤマザキナビスコカップだと思います。ヤマザキナビスコカップ自体は重要な大会で、アウェイゴールなどがあっていろいろな戦い方を身につけるのにいいと思いますが、今は大きな問題もあると思いますね。

M:V川崎は1992年の大会スタートから3連覇していますから、相性はいいカップでしたよね。

R:そうですね。いい思い出もたくさんありますよ。

M:ではどんな問題がありますか?

R:選手起用についてです。「ベストメンバー規定」はもう撤廃していいんじゃないかな。確かに意味のあった時代もあると思いますが、現状にはあわないでしょう。

M:「先発メンバー11人には直前のリーグ戦5試合のうち、1試合以上に先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならない」という規定ですね。2000年に福岡のピッコリ元監督がターンオーバーを明言し、具体的な基準ができた規約です。なぜ今はあわなくなったのでしょう?

R:サテライトリーグが廃止されたからです。昔はサテライトリーグがあって、若手をキチンと試すことができた。でも今はカップ戦で試したいと思っても「ベストメンバー規定」に引っかかって試すことができない。代表に選手を取られているチームでは、他の選手に無理をさせないと引っかかってしまう。自分のチームの状態や相手との駆け引きの前に、こういう規定で采配を制限されるのには納得いきません。

M:2009年の広島や2012年の神戸は規約に抵触して制裁金を払わなければなりませんでした。どう解決するといいのでしょうか。

R:いっそのこと、ヤマザキナビスコカップをオリンピックと同じようなレギュレーションにすればいいと思いますね。U-23の大会にして、オーバーエイジは3人まで。他にも外国籍選手は1人まで。若手世代の強化にとてもいいじゃないですか。

M:オリンピック用の代表チームを作ろうとするときに問題になっている、選手の公式戦の経験不足という問題も解決できますね。

R:監督の集まる会議で、ぜひ声を上げてJリーグに改革を迫ってほしいですね。きっとみんな賛同するでしょうから。ファンの人もそう思っているんじゃないかな。すぐにでも改善してほしいですね。