2012年04月15日
『天神の物語・和歌・絵画―中世の道真像』の出版を祝い、山本五月さんを偲ぶ会
五月さん、ご著書の刊行おめでとうございます。
今日の会はいい会でしたよ。五月さんが、いかに真面目に、真摯に、ご研究に取り組まれ、短い間に多くの業績をあげられたか、そして、五月さんのご研究が、これからの天神縁起研究にとっていかに重要であるかを、スピーチにたった方々がお話しになり、それを会場にいた全員が同じ思いで聞きました。そして、研究者としてだけではなく、女性としてもいかにすばらしい方であったかということも、みな、同じ思いで聞きました。ただひとつ、五月さんが会場にいらっしゃらなかったのだけが残念でなりません。それもまた、全員がそう感じていたと思います。五月さんのことですから、会場にいらしても、きっと一番後ろの隅のほうで、ひっそりと微笑んでいらっしゃったでしょうね。まっすぐな瞳をきらきらとさせながら・・・。
五月さんがいらっしゃらないなか、ご著書をまとめられるのに、多くの方のご尽力があったかと思います。石松さんのスピーチにもありましたが、山本さんにとっても、苦しい日々だったと思います。ねぇ五月さん、五月さんがどれほど山本さんのことを愛していらっしゃったか、よくわかっているつもりです。わかっていながら、こんなことを書くのをお許しください。私が同じ立場だったら、そんなの理不尽だと、きっと思うでしょう。それでも敢えて書きます。五月さんに最初で最後のお叱りを受ける覚悟で。六年間、五月さんのことを思い、悲しみに沈んでいらっしゃったのですから、これから先、山本さんがどなたかとお暮らしになってもいいですよね。これは、私だけの考えではなくて、前田さんも同じように考えていらっしゃったのですよ。五月さんは、山本さんにとって永遠の女性になられたのですから、苦しみの多い現世で、これからも生きていくために、苦しみを分かち合う人がいてもいいですよね。
五月さんは、いつもおっしゃっていらっしゃいましたよね。美術史の研究者は怠慢だと。日本文学の研究者に比べて、ずっと数が少ないうえに、美術館・博物館への就職もあり、研究者として恵まれているのに論文数が少ないと。日本文学の研究者は、研究職ではない仕事に就きながらも、みな真摯に研究を続けているのだと。まっすぐな瞳で、小さい声でありながら、はっきりと。あのときのことばをずっと思い出していました。理不尽に生を、研究を分断されてしまった五月さんの無念を思うと、やりきれなくなります。残された私たちは、こうして研究を続けられることを感謝し、地道に成果をあげていかなくてはなりませんね。
五月さんのご研究をもとに、天神縁起の研究が広がりますように。それが研究者にとって、著書のなかで永遠に生き続けることになるのですから。
今日の会はいい会でしたよ。五月さんが、いかに真面目に、真摯に、ご研究に取り組まれ、短い間に多くの業績をあげられたか、そして、五月さんのご研究が、これからの天神縁起研究にとっていかに重要であるかを、スピーチにたった方々がお話しになり、それを会場にいた全員が同じ思いで聞きました。そして、研究者としてだけではなく、女性としてもいかにすばらしい方であったかということも、みな、同じ思いで聞きました。ただひとつ、五月さんが会場にいらっしゃらなかったのだけが残念でなりません。それもまた、全員がそう感じていたと思います。五月さんのことですから、会場にいらしても、きっと一番後ろの隅のほうで、ひっそりと微笑んでいらっしゃったでしょうね。まっすぐな瞳をきらきらとさせながら・・・。
五月さんがいらっしゃらないなか、ご著書をまとめられるのに、多くの方のご尽力があったかと思います。石松さんのスピーチにもありましたが、山本さんにとっても、苦しい日々だったと思います。ねぇ五月さん、五月さんがどれほど山本さんのことを愛していらっしゃったか、よくわかっているつもりです。わかっていながら、こんなことを書くのをお許しください。私が同じ立場だったら、そんなの理不尽だと、きっと思うでしょう。それでも敢えて書きます。五月さんに最初で最後のお叱りを受ける覚悟で。六年間、五月さんのことを思い、悲しみに沈んでいらっしゃったのですから、これから先、山本さんがどなたかとお暮らしになってもいいですよね。これは、私だけの考えではなくて、前田さんも同じように考えていらっしゃったのですよ。五月さんは、山本さんにとって永遠の女性になられたのですから、苦しみの多い現世で、これからも生きていくために、苦しみを分かち合う人がいてもいいですよね。
五月さんは、いつもおっしゃっていらっしゃいましたよね。美術史の研究者は怠慢だと。日本文学の研究者に比べて、ずっと数が少ないうえに、美術館・博物館への就職もあり、研究者として恵まれているのに論文数が少ないと。日本文学の研究者は、研究職ではない仕事に就きながらも、みな真摯に研究を続けているのだと。まっすぐな瞳で、小さい声でありながら、はっきりと。あのときのことばをずっと思い出していました。理不尽に生を、研究を分断されてしまった五月さんの無念を思うと、やりきれなくなります。残された私たちは、こうして研究を続けられることを感謝し、地道に成果をあげていかなくてはなりませんね。
五月さんのご研究をもとに、天神縁起の研究が広がりますように。それが研究者にとって、著書のなかで永遠に生き続けることになるのですから。
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この記事へのコメント
1. Posted by eoruri@ 2012年04月16日 11:30
昨夜はご出席いただき、そしてこちらでご紹介いただき、ありがとうございました。
すばらしい会になり、このうえない光栄に思っております。
すばらしい会になり、このうえない光栄に思っております。
2. Posted by いなもと 2012年04月18日 02:21
お招きいただき、ありがとうございました。
五月さんを偲び、ご研究の意義を諸先生方からおうかがいすることができました。
ご著書の刊行に至るまで、そして会のご準備とお疲れさまでした。
五月さんを偲び、ご研究の意義を諸先生方からおうかがいすることができました。
ご著書の刊行に至るまで、そして会のご準備とお疲れさまでした。
