ありがたいことにイロイロとネタをいただいておりますので、今回はその紹介を軽くやらせていただきます。

先日の記事
中国の辞典の最新版に「オタク」から来た言葉「宅男」「宅女」が収録される
で、中国の「現代漢語詞典」の最新版に収録される言葉について
「『宅男』『宅女』が収録されているのに、なぜ『剩男』『剩女』という言葉が収録されていないのか?」
ということが中国で話題になっていると書かせていただきましたが、ありがたいことにその「剩男」「剩女」についてのネタを紹介するべきだという指摘をいただきましたので、今回はそれについてを。


「剩男」「剩女」
は現在中国で広く使われている、いい歳になっても結婚できない、或いは結婚しない独身の男女を指す言葉でして、主に中国のネットから広まっていったとされています。
中国の百度版wiki百度百科の「剩男」のページ(中国語)はコチラ、「剩女」のページ(中国語)はコチラですので宜しければご参照ください。

それから、中国でこの言葉が使われることになった背景や、今回紹介させていただく各種用語については、日経ビジネスオンラインの遠藤誉先生の記事に詳しく書かれていますのでぜひご参照ください。
番外編その1 中国の婚恋サイトで、セイントセイヤが大活躍?(日経ビジネスオンライン)
(正直、遠藤先生の記事を読んだら今回の記事は必要ないような気もしますが……)


さて、この「剩男」「剩女」は中国のネットにおいてはある種のネタ混じり的な言葉となっていまして、そのネタ性もあってか、「剩」な人々には年齢ごとにある程度のクラス分け(?)がなされ、各クラスごとに「剩」という言葉を活用しているネタ用語が存在します。


まず最も下のランク、主に20代後半の「剩」な人は
「剩闘士」
と呼ばれるそうです。これは「聖闘士星矢」の「聖闘士」から来ている言葉ですね。
中国語では「剩」と「聖」が両方とも「sheng」という音なので、同音異義語にできます。

百度百科には「剩闘士」のページ(中国語)もありますね。
この年代ではまだ「自分の伴侶を探し続け奮闘する勇気がある」ことから「剩闘士」と称されるとのことです。また、個人ごとのスペックや理想の追いかけっぷりなどによって「黄金」「白銀」「青銅」というランクがあったりする模様です。

そして、それより上の年代になってくると今度は
「必剩客」
というのになるそうです。
コレは中国の「必勝客」(ピザハット)から来ている言葉で、やはり「剩」と「勝」が中国語では「sheng」で同じ音になります。この頃になってくると出会いもヒマも無く余裕も無くなっていくようです。

そして、30も半ばを過ぎ40代などになっていくと「高級」や「特級」と見なされ、
「闘戦剩仏」
「剩者為王」
「斉天大剩」

といったスゴイ称号が送られてしまうそうです。

「剩者為王」
は「勝者為王」という言葉と「残ったものの勝ち」という二重の意味になります。
そして、
「闘戦剩仏」と「斉天大剩」
はどちらも西遊記の孫悟空の
「闘戦勝仏」と「斉天大聖」
から来ています。

ざっと調べたところでは、これらの称号に関してはどれが最上級なのかは一定しないようですが、どれもスゴイ(?)称号なのは間違いありませんね。


ちなみに、こういった呼称は主に女性(剩女)に対して使われているそうです。一応男性(剩男)に対しても使われないわけではないようですが、男性の場合は年齢による区分けが広く曖昧になるような所もあって、それほど使われてはいないそうです。

また男性の場合はどちらかと言えば日本から伝わった
「一定の年齢まで童貞だったら魔法使いになれる」
というネタ話による呼称の
「魔法师」(魔法使い)
なんかの方がしっくりくるなんて話もあるとのことです。
ただ「魔法师」の方はまだ主にオタク内で使われることに止まっているらしく、「剩闘士」ほど一般に広まっているわけではないとか。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国の辞典の最新版に「オタク」から来た言葉「宅男」「宅女」が収録される