元はてなの広告営業 mtakanoの日記

はてなビジネス開発本部 営業部 部長の高野です

代理店から媒体に来て一年

SEM広告代理店からはてなに来て、大体一年が経ちました。以前は代理店という立場で広告営業をしていましたが、今は媒体の広告営業という立場に変わりました。振り返りの意味も込めて、意識の変化を書いておきたいと思います。


大きく変わったなあ、と思うのは、WEBでの人の動きを「数値で見る」ことから、数値では図れない「感情の動き」を見ようとするようになった事です。「数値が上がる」のが最も良いことから「人に楽しんでもらったこと」が最も良いことに変わりました。


SEM代理店時代は、CTR0.1%上がった!CPA¥100下がった!という事で一喜一憂していました。クライアントの満足度を最大限達成するためにも、媒体のCTRやCVRが悪かったりすると、「媒体ふざけんな、もっとちゃんと誘導しろよ」と思っていました。


今はどれだけ誘導できたかよりも、ある広告主をはてなユーザーに紹介する場を作って、その場でどれだけユーザーに楽しんでもらえたか(それによって、ユーザーに広告主を好きになってもらえたか)、をどう達成すべきか、といつも考えています。


一年前は「いやいや誘導です。どれだけ商品買ってくれたか、それが全てでしょう」と思っていたものが「誘導も大事ですけど、一人一人のユーザーにしっかり深く楽しんでもらいましょう、評判をさらに上げましょう」に変わっていきました。まあ行動が違うとはいえ、商品を買ってもらうのも、商品を好きになってもらうのも、ゴールはかなり近しいはずです。


所詮広告って嫌われ者なんだから、ユーザーの眼に触れるところに出ていって(例えば媒体)、こんなに面白い物ありますよちょっと見てくださいと、バナーなりコンテンツなりで楽しさをむしろへりくだって提供するものだと思ってます。
でもなんだか、マーケティング2.0で消費者主体と言われていたにも関わらず、世にある広告が、ユーザーをいかにして誘導して購入させるか、時にはむりやり誘導してしまえ、と考えられているようにも思えてしまいます。うーん、マーケティング3.0まで中々遠い。


色々書きましたが、SEM広告代理店時代に考えていたことが間違っていたとは思いません。クライアントのことを必死で想っていた訳ですし。今は媒体営業として「ユーザーに楽しんでもらう」という要素が入り込んできただけです。今ははてなで、クライアントとユーザー、両方の満足度を高めて、皆が喜んでくれる場を広告として達成していくのが僕の仕事だ!というのが一年経って思ったことです。やっとかよ!遅え!でも、こういったユーザーを向くことは媒体営業をやらなければ持ちにくい視点かもしれません。


とまあこんな事を思ったキッカケは、最近の「皆がFacebook使ってくれれば広告プラットフォームも出来上がっているし、分かりやすくて楽。mixi使ってる情弱ユーザー、早くFacebookに移行しないかしらウフフ」という風潮に苛立っていたからです。皆それぞれの場で楽しんでるのに、なぜしたり顔でそんなことを言ってしまうのだろう。せめてそう思ってても、そういう事は口に出さないほうがいいと思いますよ!はてなでお手伝いできるなら、お手伝いしますので!