GoogleとBingが本当に採用しているソーシャルシグナルとは?

最終更新日:2024/02/17

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ツイッターからのリンクは実はGoogleに効果がある?なんて話が最近話題になりましたが、今回はツイッター含む様々なソーシャルメディア経由の情報(シグナル)をGoogleやBingが実際にどこまで利用しているのか?という気になる記事をご紹介。ダニー・サリバン自らの分析と両検索エンジンに質問した回答が掲載されており充実の内容! — SEO Japan

グーグルとビングはここ1年で数多くのソーシャル検索機能を加えた。そして、“ソーシャルシグナル”を使って通常の検索結果のランキングを上げる取り組みも話題になっていた。しかし、これらの検索エンジンは実際にソーシャルシグナルを使って、通常の検索結果の格付けを行っているのだろうか?少しだけ利用していると私は聞かされた。とりわけ、ツイッターでの地位は、ウェブ検索におけるページのランキングに影響を与える可能性があるようだ。

私はビングとグーグルに対して、ツイッターおよびフェイスブックのソーシャルデータを利用する方法について、6つの質問を投げかけた。とりわけ、このデータから、彼らが提供するソーシャル専用の検索ツールに与える影響ではなく、通常のウェブ検索の結果に影響を与える仕組みが知りたかった。

ソーシャル検索のランキング…

例えば、グーグルもビングも友達によって記述または共有された結果を見る手段を提供している。この類の検索は、知り合いの人々からの影響をまともに受ける:

また、グーグルとビングはともにリアルタイムでソーシャルネットワークで共有されるコンテンツを閲覧する手段も提供している:

上述のリンクをクリックすると、ソーシャル検索サービスを取り上げた過去記事に向かう。記事のなかで、これらのサービスがソーシャルネットワークからコンテンツを集めて、ネットワーク経由のソーシャルシグナルを活用し、高いランクを得るべきコンテンツを決める判断材料にする仕組みを説明している。

…ウェブ検索のランキングは

これらのソーシャル検索ツールの内部で起きていることは、通常のウェブ検索を実施する際に起きることと大きく異なる。通常の検索では、グーグルとビングは、ウェブ上で既にインデックスした大量のページから、上位にランクインさせるページを決めようと試みる。

例えば、グーグルは200種類以上の「シグナル」を使って、あらゆる検索に対して、ページのランキングを決めている。これらのシグナルの一部は、以下のようなシグナルを含め、よく知られているものもある:

  • ページがどれぐらい信頼されていると見なされるかを数字で表す ページランク
  • ページに向かうアンカーテキスト
  • HTMLタイトルタグ、そして、検索した用語が表示されているかどうか

リストアップした要素の他にも多くの要素が存在する。また、ビングは複雑なシグナルのレシピ — またはアルゴリズム —を使って、ランキングを決めている。

ソーシャルシグナルがこのミックスに含まれてきたのかどうかは、はっきりしない。例えば、双方の検索エンジンは、誰かがツイッターで“オーソリティ”または信頼されているかどうかを特定する手段を持っているようであり、それぞれのソーシャル検索機能にも用いている。しかし、ウェブ検索においては、その人物がURLをツイートすると、そのページを推奨する人物の信頼性が高いからと言う理由で、そのURLのランキングにプラスの影響を与えるのだろうか?

ウェブページのオーソリティ Vs. 人間のオーソリティ

これがウェブページの検索の仕組みだ。あるページは他のページよりも信頼性が高いと見なされる。これらのページがその他のページにリンクを張っている場合、これらのページが指示しているアイテムは、グーグルとビングのラキングシステムで評価を高める。

ウェブ上の“人々”は、ある程度、オーソリティに相当するページを持っている。例えば、私のツイッターページはグーグルのページランクで7(最高は10)を獲得しており、これはリンクを重要視するグーグルの世界の信頼レベルでは、平均を超えている。このページから“ツイート経由”でリンクを張るアイテムは、私よりページランクの低いツイッターのページを持つ人物が紹介するアイテムよりも信頼される可能性がある。

(注記: ツイッターのページに対するページランクのスコアは、ログインしている場合大きくことなることがあり、その場合スコアが高くなる可能性がある。これは、新しいツイッターのインタフェースが原因だと見られている。この件に関してグーグルとツイッターをより詳しく調べてみるが、私なら“ログアウト後”のスコアを信頼する。

ページランク、ソーシャルランクに出会う?

次に「しかし」に少し時間を割かせてもらおう。ツイッターも、ツイートされたリンクが功績を認められないようにする「nofollow」タグを利用している。この点は重要なカギを握る。

私のページにページランクのスコアが記載されていても、グーグル(またはビング)にとっては、ページランクとは無関係の“ソーシャルランク”、“ヒューマンランク”、あるいは“オーサーランク”のスコアを与えることで役に立つ可能性がある。これは、 – 当該の人物に相当するページ – ではなく、その人物自身がソーシャルネットワークにおいてどれだけ信頼されているのかを把握する手段、そして、ランキングに影響を与えるシグナルを人々に与える手段になり得るだろう。

重要度が異なるTwitterのユーザー

背景はそろそろ分かってもらえたのではないだろうか。それでは、グーグルとビングはソーシャルシグナルを利用しているのだろうか?ツイッターに関しては、その答えは「YES」だ。グーグルもビングもツイッターでの人物としてのレベルが、通常のウェブ検索の格付けに影響を与えると教えてくれた。ツイッターで信頼されている人々は、ツイートするページに対してその信頼度を寄与する。

フェイスブックに関しては、ビングはユーザーのオーソリティの計算を試みていないと述べている。グーグルは一定の条件の下計算していると答えた。しかし、真偽は不明瞭なので私は現在確認作業を行っている。

TwitterのファイアーホースのNofollowにNo

先程申し上げた「nofollow」の件を思い出してもらいたい。これは、リンクにタグをつけて、効果的に検索エンジンに「このリンクを票として処理しないでくれ」と伝える手段である。

サービスは投稿されるリンクを裏付けることが出来ない場合、nofollowは利用される。ウィキペディアは、多くのボランティアのエディターを抱えており、彼ら全員を信頼することが出来ないため、nofollowを利用している。多くのブログコメントシステムも採用している。ツイッターでは、ウェブで配信されるリンクはnofollowのタグがつけられる。

ビングとグーグルがツイッターを通して評価することが可能なヒューマンシグナルを採用しているなら、依存することが可能なリンクシグナルを持っていないことになる。しかし、実は双方のサービスがツイッターからのデータの“ファイアーホース”と呼ばれるアイテムを手に入れている。これはユーザー達がツイートしている事柄の持続的なストリームである。

このファイアーホースでは、リンクはnofollow属性を持っていない— そのため、場合によっては、重要視されるリンクの価値があることになる。ビングは以下のように私に説明してくれた:

私たちは、リンクを共有するツイッターユーザーのオーソリティに加え、リンクがツイートまたはリツイートされる頻度を判断材料にしています。

一方、グーグルは次のように述べた:

私たちは限られた状況においてのみデータを利用しており、すべての一般的なウェブ検索に反映しているわけではありません。

質問 & 答え

以下にこのエントリをまとめるために私が両社に投げかけた質問、そして、彼らの答えを掲載する。ビングは、電話でインタビューした際にもらった答えを分かりやすく言い換えている。グーグルは、eメールに返信してもらった答えをそのまま採用する。

1) 記事がツイッター内部で何度もリツイートされたり、言及されたりしたら、その結果自然に発生するnofollowではないリンクがあるかどうかを探す目的以外で、シグナルとして評価しますか?

Bing:

私たちはユーザーのソーシャルオーソリティに注目しています。フォローしている人数やフォロワーの人数を確認しています。これは通常の検索結果のリスティングにも少し影響します。ビングのソーシャル検索では遥かに重要視されます。信頼性の高い人々からのツイートは、関連性が完全に合致すると、上位に掲載されるようになっています。

Google:

はい、シグナルとして利用しています。オーガニックのランキングおよびニュースのラキングでシグナルとして採用されています。また、記事を共有した人数を記録することで、ニュースのユニバーサル 検索を強化するためにも使っています[注記: 詳細はこの記事の最後で確認すること]。

2) 自分のツイッターページに掲載されるツイートを送信する人物のオーソリティを計算しますか?計算するなら、それが誰かを“把握”する試みを行いますか?

Bing:

はい。私たちはツイートを送信する人物のオーソリティを計算します。有名人やパブリッシャーに対しては、ツイートとその人物を結びつけます(例えば、ダニー・サリバン氏に対するクエリ)。

Google:

はい、作者の質を計算し、利用しています。しかし、現実の世界での素性は把握していません 🙂

3) ツイートを送信する人物に応じて、リンクが持つ重要度を計算していますか?

Bing:

はい、計算しています。

Google:

はい、私たちはシグナルとして、特に[グーグルのリアルタイム検索]の“トップリンク”セクションで利用しています。作者のオーソリティはページランクとは無関係ですが、現在は、通常のウェブ検索では限定された状況下のみで利用されています。

4) フェイスブックで、個人のウォール、もしくはファンのページで共有されているリンクを追跡していますか?

Bing:

はい。「Everyone」として記録された共有されたリンク、そして、フェイスブックのファンページで共有されたリンクを確認しています。

Google:

私たちはフェイスブックのファンページで共有されたリンクをツイートされたリンクと同様の方法で扱っています。フェイスブックの個人のウォールのデータは持っていません。

5) 個人のウォールを介して、もしくはファンページを介して、フェイスブックのユーザーのオーソリティを計算する試みを行っていますか?

Bing:

フェイスブックではこの点の計算を行っていません。フェイスブックでは、公開されたアイテム、つまり、誰でも閲覧出来る設定で投稿したアップデートやコンテンツのみを手に入れています。友達のみで共有されるコンテンツは持っていません。そのため、フェイスブックでユーザーがどれだけ信頼されているかは把握していません。ツイッター上に存在する便利なリツイートのメカニズムがフェイスブックには存在しないのです。

公開されたコンテンツのみしか採用しませんが、それでもフェイスブックのユーザーによって共有されている価値の高いコンテンツには気づいています。例えば、ゲーリー・コールマンさんが亡くなったとき、コールマンさんが「アーノルド坊やは人気者」でお気に入りのセリフを言う動画が人気を博していました。コールマンさんが亡くなった日、多くの人々がこのコンテンツを共有していたためです。

Google:

繰り返しますが、ツイッターと同様の処置をしています。そして、フェイスブックの個人のウォールのデータは得ていません。

6) リンクがフェイスブックで共有した人物に応じて、異なる重要度を持つべきかどうかを計算していますか?

Bing:

ツイッターを活用することで、フェイスブック上でアイテムの質が高い場合は把握することが出来ます。同じリンクが双方で共有されているなら、そのアイテムが適切である可能性は高まります。

Google:

質問5と同じ答えです。

7) 明確にしておきたいので尋ねますが、新しいフェイスブックのデータは、通常のウェブ検索では利用されていませんよね?(ビングのみに尋ねた。なぜならグーグルには関係なかったからだ)

いいえ、まだです。

ソーシャルデータ: 表示目的の利用 vs ランク付けの利用

最後の質問は、ソーシャルデータを格付けするためではなく、表示するために利用すると言う課題に結びつく。この点も注目するべき重要な相違点の一つである。

Bing & Facebookに触発された Google、ウェブ検索のテストがよりソーシャル化には、グーグルが「Shared By」の数字をニュースのストーリーの隣に表示する仕組みを取り上げている。この数字は、ツイッターで特定のニュースアイテムをツイートしているユーザーの人数を表している。

ニュースのストーリーは、共有の数に応じて格付けされているわけではない。これは単純に付随的な情報であり、あくまでも参考のために表示しているだけである。

同様に、ビングも、近い将来、リストアップする結果が「フェイスブックのライク」の数を場合によっては表示すると述べている。繰り返すが、これはあくまでも検索者が参考にするために表示する。結果自体は、ライクの数でランク付けされるわけでもなければ、これはランキングのシグナルの一環でもない。

しかし、注意してもらいたい。時間の経過とともに、ソーシャルシグナルが検索ランキングシステムで重要視されるようになる可能性があるためだ。

新たなリンク構築: TwitterRank & Retweet

結局、ここ最近、特にツイッターのデータがウェブ検索で役割を果たしている点は明白である。ユーザーの人となりが理解されるようになってきている。信頼出来るオーソリティなのだろうか?ページに対するページランクがあるなら、人々に対するツイッターランクがあってもおかしくない。

その一方で、リツイートが、リンク構築の新たな形式として役割を果たしている。ツイートのなかで自分のページが言及してもらえると、通常の検索結果のランキングで、ある程度有利な立場に立つことが出来るだろう。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「What Social Signals Do Google & Bing Really Count?」を翻訳した内容です。

何かと噂だけが独り歩きするSEO業界ですが、検索エンジン自ら答えているだけあって、かなり参考になる内容でした。ツイッタースパムが盛り上がりそうで怖いですが、ツイッターランクやソーシャルランクなど気になるキーワードも出てきましたし、従来のウェブと同じくオーソリティが重要なのは間違いなさそうですね。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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