放射性降下物(フォールアウト)
広島・長崎の原爆は、地上600 m(広島)、503 m(長崎)の高度で爆発しました。そして巨大な火球となり、上昇気流によって上空に押し上げられました。爆弾の中にあった核物質の 約10%が核分裂を起こし、残りの90%は火球と共に成層圏へ上昇したと考えられています。
その後それらの物質は冷却され、一部が煤(すす)と共に黒い雨となって広島や長崎に降ってきましたが、残りのウランやプルトニウムのほとんどは恐らく大気圏に広く拡散したと思われます。当時、風があったので、雨は爆心地ではなく、広島では北西部(己斐、高須地区)、長崎では東部(西山地区)に多く降りました。
この地上汚染による最大被曝線量は、広島では 0.01-0.03 Gy、長崎では0.2-0.4 Gyと推定されています。爆心地での降下物による被曝線量は上記の値の約10分の1と考えられています。
現在では放射能は非常に低く、特に1950年代60年代を中心に世界中で行われた(地下ではなく)大気圏核実験により世界中に降った放射性降下物による微量の(プルトニウムなどの)放射能との区別は困難です。
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