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日本の真の隠れ資産って、レアメタルとかじゃなくて、実は「主婦」とか「高齢者」なんじゃないかな?

2012年6月 6日(水) 8:36:08

昨日の「ボクのマネージャーは四国に住んでる会ったことない主婦さん」という記事、たくさんのいい反応をいただきました。ありがとうございました。

ボク的にはネットを使ってあんな感じでつながることは昔から普通にやってることだったし、ホントに違和感なかったけど、世間的にはまだ「とても珍しいこと」なんですねw 

やってみると、何の不都合もないし、お互いにとってとてもいいですよ。
地方の主婦とか、高齢者とか、ネットを使ってもっともっと仕事できると思います。ソーシャルネットワークやクラウドの進化で、出来ることが飛躍的に広がってきたし。

というか、日本の「真の隠れ資産」って、レアメタルとかメタンハイドレートとかではなくて、実は「主婦」とか「高齢者」なんじゃないの? とか思います。

世界的に見て日本人の人件費はとても高いと思うのだけど、その高い人件費がかかる日本人を「家事専用にひとりキープしておく」という超ゼイタクなことを日本人は普通にやってるですね。主に女性が「専業主婦」として従事してます。

この前行った台湾でもそうだけど、東南アジアでは共働きが普通。
だからちゃんとしたキッチンがない家も多く、食事は近所の屋台で調理済みのものを買ってくるのが常識だったりします(なので屋台がとても安い)。「家事専用にひとりキープしておく」なんてゼイタクの極み。

別に東南アジアと一緒にならなくてもいいけど、でも、優秀で誠実で勤勉な「主婦」たちが大量に家庭に存在するのはもったいないと常々思ってます。しかも「子育てママの86%が『働きたい』と思っている」というデータもある(出典:12年版「子ども・子育て白書」)。つまり彼女たちも働きたがっている。

ソーシャルネットワークやクラウドの進化は、そんな主婦たちが家にいながら働くことを可能にするですね。

最近まわりでもみんな言っているけど、特に若い女性たちは優秀。実に優秀。
出産やそれぞれの家庭の都合で仕事を辞めて家庭に入った優秀な彼女たちが、ソーシャルネットワークやクラウドを使って家でパートタイム的に働き出したら、日本の潜在能力は飛躍的に伸びるでしょう。

しかもネットですから、さらりと国境を越えます。

「日本の女性」は世界的に大人気。
その優秀さはもちろん、気遣い、気配り、優しさなど、「ジャパン・プレミアム」と言っていいくらいなキラーコンテンツです。言葉の壁も(最近の翻訳アプリの実力を見ていると)業種によってはそろそろ越えられそうです。

つまり、家で働く主婦を、家にいながら輸出できる。
ジャパニーズ・プライベート・セクレタリー(個人秘書)とか、世界で大人気になるんじゃないかな。日本女性の気遣い・気配り・優しさは外国人にはかなり新鮮なものだと思うし、時差を逆手にとって外国人たちが寝てる時間に仕事を済ませて提供できる。

で、そんな風に家での仕事が安定供給できるようになれば、みんな安心して出産できるので出生率も上がるでしょう・・・少子化が改善されればいろんなことが解決されます。

こんな風に、いろいろイイコトが起こると思うなぁ。
日本には「優秀な主婦」という眠れる膨大な資産が確実に埋まっています。


同じように「高齢者」も眠れる膨大な資産だと思うですね。

多少カラダが弱っても、ネットを使えば家にいながら働ける。もちろんその労働力も輸出できます。昭和世代の圧倒的な勤勉さは世界が認めるところ。テクノロジーの進化でそれを輸出できる時代が来るかもしれません。

そういう働き方が広がると、高齢者が納税者になるわけですから、いま「支えられる側」にいる高齢者が「支える側」として社会貢献できるようになる。

年金問題は複雑でボクにはよくわかりませんが、高齢者が「支えられるだけの存在」から脱皮すれば、少しずつバランスが是正されていくんじゃないかな。しかも主婦が家で働くようになって出生率も上がれば・・・

バラ色なことだけではないと思うけど、意外とこんなところに解決策が眠っているんじゃないか、と、ちょっと思ってるですね。ソーシャルネットワークやクラウドの進化は日本人の働き方を変え、日本に眠れる膨大な資産を顕在化し、活性化するのではないか、と。

ま、前提としてネット・リテラシーの全体的底上げが必要ですがw


さて、今日も四国のマネージャーさんにいろいろお願いしつつ、仕事をしてきますかね。

今日も上機嫌でがんばります。

佐藤尚之(さとなお)

佐藤尚之

佐藤尚之(さとなお)

コミュニケーション・ディレクター

(株)ツナグ代表。(株)4th代表。
復興庁復興推進参与。一般社団法人「助けあいジャパン」代表理事。
大阪芸術大学客員教授。やってみなはれ佐治敬三賞審査員。
花火師。

1961年東京生まれ。1985年(株)電通入社。コピーライター、CMプランナー、ウェブ・ディレクターを経て、コミュニケーション・デザイナーとしてキャンペーン全体を構築する仕事に従事。2011年に独立し(株)ツナグ設立。

現在は広告コミュニケーションの仕事の他に、「さとなおオープンラボ」や「さとなおリレー塾」「4th(コミュニティ)」などを主宰。講演は年100本ペース。
「スラムダンク一億冊感謝キャンペーン」でのJIAAグランプリなど受賞多数。

本名での著書に「明日の広告」(アスキー新書)、「明日のコミュニケーション」(アスキー新書)、「明日のプランニング」(講談社現代新書)。最新刊は「ファンベース」(ちくま新書)。

“さとなお”の名前で「うまひゃひゃさぬきうどん」(コスモの本、光文社文庫)、「胃袋で感じた沖縄」(コスモの本)、「沖縄やぎ地獄」(角川文庫)、「さとなおの自腹で満足」(コスモの本)、「人生ピロピロ」(角川文庫)、「沖縄上手な旅ごはん」(文藝春秋)、「極楽おいしい二泊三日」(文藝春秋)、「ジバラン」(日経BP社)などの著書がある。

東京出身。東京大森在住。横浜(保土ケ谷)、苦楽園・夙川・芦屋などにも住む。
仕事・講演・執筆などのお問い合わせは、satonao310@gmail.com まで。

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