先日、鯨さんという『あぶない刑事』ファンのブログ主の方から有難くも賞賛のコメント頂きまして、当ブログを紹介したいとのことでリンクも張って貰うことにもなりました。どうもありがとうございます。
あぶない刑事鑑賞日記
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というわけで、今回は優しく!?ですます調の文章で、リンクを辿って初めて当ブログにお越し頂いた方に1970年代から1980年代における刑事ドラマの歴史を今一度振り返っていただけるようなご案内していきます。
まず、ざっと刑事ドラマの前史を振り返りますと、テレビ創生期からこの手のドラマは数多ありまして、当時は「刑事ドラマ」というよりは「事件もの」と呼ばれるジャンルでした。
「事件もの」から「刑事ドラマ」への変換は、青春ドラマを組み込んだ日本テレビ『太陽にほえろ!』(1972年スタート)から始まります。
当初は視聴率15~20%の間で当時としてはまずまずのヒットだったのが、マカロニ(萩原健一)、ジーパン(松田優作)といった人気キャラ&人気俳優を産み出したおかげで視聴率がどんどん上昇していき、1974年には30%に届くようなオバケ番組(死語)と呼ばれるようになっていきます。また、ほかの刑事たちのキャラや劇中の台詞回しも流行するなど社会現象を産み出しました。
たとえば、『太陽にほえろ!』コントの第一人者である柳沢慎吾によるヤマさんの物真似や、とんねるず結成以前から行われている石橋貴明によるマカロニとジーパンの殉職シーンの再現など、学生だった彼らがこの当時に出場した素人コント番組でひんぱんに取り上げていきました。また、どこの学校の休み時間でもテレビを観ていれば共有出来るネタだけに全国各地で当たり前のように日々繰り返されることになります。
『太陽にほえろ!』とは対照的なハードな展開のTBS『Gメン'75』がタイトル通りの1975年にスタートすると、当初から視聴率30%を稼ぐなどして一躍TBSの看板番組に躍り出ます。これらの成功例に「刑事ドラマは当たる!」という風潮が生まれ、各局で刑事ドラマは次々に増えていき、1970年代後半は週に8~10番組もの賑わいとなっていき、いよいよ刑事ドラマブームが巻き起こりました。
1978年4月 「七人の刑事」が「太陽にほえろ!」に挑戦状を叩き付けた時代
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1979年4月 「俺たちは天使だ!」と、その時代
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1980年4月 「大激闘 マッドポリス'80」と、その時代
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しかし、ブームというものはいつかは去るもので、1980年に入ってピークを指すと後は一気に収束して淘汰されていき、番組枠そのものも減少の一途。わずか二年後の1982年には4番組ほどに半減してしまいます。1970年代からの『太陽にほえろ!』、『特捜最前線』、『西部警察』シリーズが残り、改編期に始まる新番組は1番組あるかないかで、それだけに後世に残るような刑事ドラマは生まれなかったのが残念です。1980年代前半、視聴者の趣向は完全に変わっていって、バラエティ番組や情報番組が持て囃された時代でした。ドラマにおいても愛憎サスペンスや女の一代記などが題材の2時間の単発ドラマが闊歩するなど、刑事ドラマは前時代的なものとして廃れたジャンルとなっていったのです。
1984年10月の惨憺たる状況 (大江戸神仙伝 その2 より)
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刑事ドラマにおいて1980年代半ばは模索の歴史。本来は重厚であったはずの刑事ドラマは、よせばいいのに軽薄短小な時代に寄り添ったものを産み出しては失敗していきます。昨年にファミリー劇場で蔵出しされた『スーパーポリス』(1985年スタート)など最たるもの。
テーマ:「スーパーポリス」一覧
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ならば、前時代的だと言われる簡潔明瞭や荒唐無稽だった刑事ドラマに複雑かつリアリティさを持たせようとしましたが、当時のテレビ番組の枠組や視聴者の趣向はそれでは取り込めずに壮大な失敗作となりました。
刑事ドラマの終焉 その1 「ジャングル」の失敗
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そんななか、1986年秋スタートの『あぶない刑事』が当たると、1980年代後半は模倣の歴史に変わっていくのです。
いよいよ「あぶない刑事」を語る
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1987年10月、「あきれた刑事」&「ベイシティ刑事」スタート
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「ゴリラ 警視庁捜査第8班」、人はそれを失敗作と呼ぶ。
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「あいつがトラブル」、誰がトラブルだったか?
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さて、1980年代後半といえば、トレンディドラマ。そのトレンディドラマ黎明期、刑事ドラマを換骨奪胎させた『君の瞳をタイホする!』というのもありました。このドラマの成功がトレンディドラマというジャンルを生むわけですが、刑事ドラマにおいても、先述の『あぶない刑事』の模倣作に加えて、トレンディドラマに影響されたものが作られるようにもなっていきます。
刑事ドラマの終焉 その2 「君の瞳をタイホする!」がもたらしたもの
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トレンディドラマに走った刑事ドラマ「ハロー!グッバイ」
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まだまだ1970年代と1980年代の刑事ドラマを取り上げていく予定です。今後もどうぞよろしくお願いします。