ひょっとしたら今、この記事を読んでいるあなたは、スマホを片手に朝食を食べているときかもしれません。

著者がパリで暮らした自らの経験をもとにしたエッセイ『少しのお金で優雅に生きる方法』(吉村葉子著、双葉文庫)。その中で登場する「フランス式朝食」があまりにも素敵で美味しそうに描写されているので、朝餉のおともに紹介させてください。

パリパリッとした香ばしい皮の中に、しっとりふっくらの生地がつまっている。ほどよく塩味がきいた、焼きたてのバゲットは、なにものにもかえがたいプロの味と認めよう。休日の朝、プチ・デジュネ用のバゲットを求めて、起きぬけにアパルトマンの階段を駆け下りる。ちょっと贅沢したい気分ならば、人数分のクロワッサンもついでに紙にくるんでもらって持ち帰る。オレンジを絞り、熱々のコーヒーに牛乳を注いでたっぷりのカフェオレを用意。冷蔵庫からバターと果物のジャムを取り出し、テーブルに置く。

(P.52~53)

どうでしょう、「少しのお金」で「優雅に生きる」パリジャンの姿がありありと想像できるのではないでしょうか。

以下、本書が教えてくれる「フランス式節約術」を紹介します。

 

  • ものを大切にする人は、人間関係も大切にする。
  • ふだん質素なものを食べているからこそ、特別な料理がとりわけ美味しく感じられる
  • 子どもを塾に通わせる分の月謝は、お父さんのお小遣いに。親が勉強をみるべし。
  • 家族皆が使えるキッチンこそ、いいキッチン。調味料の置き場所をちゃんと決めておくことが、全員で料理や片づけをするための第一歩。
  • 流行のファッションを「文化」として考えれば、無理に欲しがり着こなそうと思わずに済む。
  • お客を家に招くとき、部屋の狭さを苦にする必要はない。パリのビストロも、たいていは狭い
  • 翌日、翌々日の献立を考えて買い物をすれば、それで十分節約につながる。


以上、特に心に残った部分をお伝えしました。「本当の贅沢」とは何か、考えさせられる内容でしたが、同書を読んだとき、あなたはどう思うでしょうか。ぜひFacebookのコメントなどでご意見を聞かせてください。

(年吉聡太)