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ワシントンコンセンサス(前編)①』 三橋貴明 AJER2012.3.6(3)

ワシントンコンセンサス(前編)②』 三橋貴明 AJER2012.3.6(4)

チャンネルAJER更新しました!今回はワシントンコンセンサスという「怖い話」

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 3.11震災チャリティーセミナー日本経済の真実はこうだ! 復興計画を読み解くが開催されます。

3月18日(日)午後2時~5時30分

 講演者は大石久和先生とわたくしで、トークセッションもございます。

http://www.cwia.jp/seminar.html
※本セミナーは、事前申し込み制です。有償(3千円)ですが、収益金は全額、被災地自治体に寄付されます。三橋のサイン本も販売しますが、売り上げはやはり被災地自治体に寄付されます。


 本日は神戸で講演で、現在、新幹線の車中です。これほど東海道新幹線に乗る機会が増えたのですから、新幹線車内で使える無線LAN、契約しようかな・・・。現在はWiMAXで仕事をしておりますが、トンネル内は当たり前ですが切れます。


 それはともかく、先日の有料メルマガ「新世紀のビッグブラザーへ」 で取り上げたばかりの「ベーシックインカム」の記事が出たので、取り上げます。

競争社会へ“切り札” 維新の「最低生活保障」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120311/elc12031100340000-n1.htm
 大阪維新の会が10日、発表した「維新八策」の原案。中でも、新しい社会保障システムとして提示した「最低生活保障制度」は維新が目指す競争社会を実現する上で、持続可能な範囲でセーフティーネットも確保する“切り札”として力を込めた。しかし、現行の年金制度の「清算」が前提となる上、制度の見直しには強い反発も予想され、実現へのハードルは高い。
 最低生活保障制度について、維新は10日の全体会議で、維新八策の原案とは別にA4判用紙1枚の別添資料を用意して説明した。
 考え方のベースになったのは「負の所得税」の理念。低所得層は税を納めず、逆に一定の現金を受け取る仕組みを想定しており、年金と生活保護、失業対策の一本化につながるというアイデアだ。
 2月に提示した「たたき台」では、全国民に一定所得を支給するベーシックインカム制度の導入を盛り込んだが、「仮に全国民に月額7万円を支給すれば、年107兆円かかる。財源はどこにあるのか」といった批判が相次いだ。
 維新内部でも「正直そこまで考慮していなかった」といった意見があり、維新幹部は「整理してより丁寧に説明する必要があった」と話す。(後略)』

 大阪維新の会が何をしたいのかはさっぱり分かりませんが、何を考えているのか、あるいは「誰が何を考えているのか」は明確に分かります。すなわち、シカゴ大学のミルトン・フリードマンを祖とする新自由主義経済に「かぶれた誰か」が背後にいて、思いつくままに新自由主義に基づく政策を維新の会にインプットしているのです。


 上記、産経の記事にあるベーシックインカムですが、正しい理解をしている日本国民は1%くらいじゃないかなあ、と思います。例えば、ベーシックインカムに対する批判で、
「仮に全国民に月額7万円を支給すれば、年107兆円かかる。財源はどこにあるのか」
 という声が載っていますが、これは的外れです。何しろ、ベーシックインカムを導入する際は、年金や生活保護、失業手当、医療費負担等、政府の社会保障支出を「ゼロ」にするため、余裕で財源が確保されます。また、別に「全国民」にベーシックインカムを配るわけではありません。「所得が少なく、貧乏で生きれらない人々」に対してのみ、「負の所得税」が支払われるのです。 


 というわけで、産経の記事では批判者も、批判を受けた維新側もベーシックインカムについて全く理解していないことが分かります。

 さて、ベーシックインカムとは何でしょうか。産経の記事にあるように「最低生活保障」と理解して構いません。とはいえ、折角ですからその「背後にある思想」も理解して欲しいと思います。

 シカゴ大学のミルトン・フリードマンを祖とする「新自由主義」の根幹は、「効率が悪いから、資源配分に政府を介在させるな」というものになっています。まあ、確かに政府が効率が悪いのは確かです。何しろ、政治家は「選挙」で選ばれた代表者なので、自分を当選させてくれた人々のいう事を、ある程度聞かざるを得ません。


 朝日新聞などが大好きな「土建国家批判」では、地域の人々が「もっと我々の地域に公共事業を寄越せ!」と叫び、それに政治家が答えた結果、いわゆる「ムダな事業」というものが増えたとなっています。まあ、そういう面がないとは言いませんが、そもそも朝日新聞にしても新自由主義者にしても、一つ、決定的に勘違いしていることがあります。


 それは、「ムダの削減」「効率を高める」が常に正しいとは限らないということです。

 フリードマンに話を戻しますが、新自由主義は特に政府の社会保障支出も問題視しています。政府の医療費負担や年金支払い、生活保護の支払いについてまで「非効率」ということで、削減を要求するのです。


 実際、アメリカでは政府の社会保障支出が削減され、ワーキングプアや格差拡大の問題を引き起こしました。


 とはいえ、新自由主義は別に「貧乏人は飢えて死ね」と言っているわけではありません。所得が少ない人に対する対処法も、一応、考えてはいます。ところが、やはりそこに「政府」が関与することを嫌うという、何というかそこまで徹底せんでもいいだろうという、徹底ぶりなのです。


 というわけで生まれた発想が、ベーシック・インカムです。

 ちなみに、ベーシックインカムは「最低生活保障」ではありますが、生活保護とは少し違います。何しろ、生活保護の場合は「自治体の窓口」という政府が関与してしまいます。結果、不正受給などの問題が発生し、「効率が悪い」と新自由主義者は考えます。


 年金や生活保護に限らず、政府の社会保障支出は必ず「既得権益」を発生させてしまい、無駄な行政コストが発生すると、ミルトン・フリードマンは説いているのです。


 というわけで、現状の社会保障支出、手当系支出、各種補助金などを全て廃止し、
機械的に高所得者から低所得者に、所得を移転するべき
 という発想が、ベーシック・インカムなのでございます。所得税ならぬ「負の所得税」です。


 労働で得た所得から支払うのが所得税ですが、「負の所得税」は考え方が逆になります。所得が少ない人が「負の所得税」を支払ってもらい、生活を成り立たせるという考え方になるのです。

 機械的に所得が高い人々から徴収した所得税を、淡々と低所得者層(あるいは失業者)に移転するわけですね。そこには、政府の「手」がほとんど入らないので、効率的だろう? と、新自由主義は主張します。


 同時に、フリードマンは「最低賃金制度」をも廃止するように説いています。時給100円の極貧アルバイトでも、負の所得税をもらえば生きられるであろうし、産業競争力も維持されるだろう、という話なのでございます。

 すでにほぼ書き終えた「資本主義の神様(仮)」では、上記の新自由主義もメインテーマの一つとして取り上げています。新自由主義の思想は、非常に「美しい」です。頭でっかちの学者たちが「かぶれる」のも、分からないではありません。とはいえ、新自由主義は「格差を拡大する」「人間の尊厳を無視している」「投資家と言う新たなノーメンクラツーラを造るだけ」といった様々な批判を受けています。


 それ以前に、新自由主義は一つ、「致命的」と言っても過言ではない欠陥を持っているのです。それは、新自由主義が基本的には○◎●○◎●ということです。(○◎●○◎●に入る六文字を考えて下さい)


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