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ボランティアダイバー集結、海底のがれき撤去 三陸沿岸

2011年6月25日13時24分

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三陸海岸にボランティアダイバーが続々

写真:港の中に沈む漁具や生活用品などを回収するボランティアダイバー=16日、岩手県大船渡市の綾里漁港、伊藤恵里奈撮影拡大港の中に沈む漁具や生活用品などを回収するボランティアダイバー=16日、岩手県大船渡市の綾里漁港、伊藤恵里奈撮影

写真:港の中に沈むがれきにロープをつけて、漁師と一緒に回収するボランティアダイバー=17日、岩手県大船渡市の根白漁港、伊藤恵里奈撮影拡大港の中に沈むがれきにロープをつけて、漁師と一緒に回収するボランティアダイバー=17日、岩手県大船渡市の根白漁港、伊藤恵里奈撮影

写真:がれきの回収作業を終えて、漁師と笑顔で話すボランティアダイバーたち=17日、岩手県大船渡市の根白漁港、伊藤恵里奈撮影拡大がれきの回収作業を終えて、漁師と笑顔で話すボランティアダイバーたち=17日、岩手県大船渡市の根白漁港、伊藤恵里奈撮影

 東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた三陸沿岸で、全国から集まったダイバーが海のがれきを撤去し、漁場を調べて漁師たちの復興を後押ししている。

 岩手県大船渡市の綾里漁港で18日朝、岸壁から5人のダイバーが海に飛び込んだ。水深約5メートル。ヘドロが舞って1メートル先すら見通せない。2組に分かれて海底のがれきを探索した。大きな漁具に作業船で回収するための目印を付け、小さながれきは手で持ち上げた。作業は約1時間続いた。

 「海が好き、という共通点だけで集まってくれる。初対面の人がほとんど」と話す佐藤寛志さん(37)は三陸や海外でダイビングのガイドをしている。漁師に「潜ってがれきを上げられないか」と頼まれ、黒い油が浮いた海での作業を4月下旬に始めた。

 ブログに「水中清掃活動ボランティア募集」と書き込むと翌日には東京のダイバーが合流。伊豆半島やタイ、モルディブからも駆けつけた。集まったダイバーは延べ約120人に上る。

 仙台市の会社員でダイビングインストラクターも務める桜井淳さん(25)は「世話になっている三陸の海に恩返ししたい」と参加した。

 がれきが沈む海は危険なので、ガイドやインストラクターとして活動しているプロが潜る。ただ、陸上の作業もあるので佐藤さんは「アマチュアも広く参加してほしい」と呼びかける。

 ダイバーらは沖の漁場でワカメが生い茂る様子をビデオに撮って漁師を安心させた。沿岸の他の地域からも呼ばれるようになった。

 同県山田町で海中の遺体を捜索したり、宮城県気仙沼市で養殖施設を整備したりするグループもある。

 日本水中科学協会の須賀次郎代表理事は「過去の災害現場では潜水工事のプロが潜った。今回はボランティア意識が広まり、潜水で役立ちたいというダイバーが集まっている」とみる。

 綾里漁港の地元漁師亘理孝一さん(58)は「我々も負けていられないと発奮した」。当初は遠目に見守っていた漁師たちも一緒にがれきを引き揚げるようになったという。(山西厚、伊藤恵里奈)

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