日本HP、11月からセキュリティ事業を本格展開へ

買収したTippingPointやArcSight、Fortifyなどのセキュリティ事業を統合した、包括的なITセキュリティの製品・サービスを展開する。

» 2011年09月20日 18時00分 公開
[ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は9月20日、セキュリティ事業の「HP Enterprise Security」を11月から本格展開すると表明した。包括的なITセキュリティの製品・サービスを企業ユーザーに提供するとしている。

 HPは2010年に、セキュリティやコンプライアンス管理ソリューションのArcSight、ソフトウェア解析などを手掛けるFortify Softwareを買収。2009年にはネットワーク機器の3Comを買収し、3Comでネットワークセキュリティを手掛けていたTippingPointも傘下に収めていた。買収後、これまでに各社事業の統合を進め、「HP Enterprise Security」として展開する。

 同社のセキュリティ事業ではネットワークからアプリケーション、エンドポイントまでを対象に、オンプレミス型製品やクラウド型サービス、コンサルティング、アウトソーシング型の運用支援・監視サービスなど、多岐に渡る商材を展開する。

HPのセキュリティポートフォリオと製品・サービスラインアップ(右)

 例えば、経営層向けには自社のセキュリティ状況の把握と必要な施策の立案を支援するサービス「HP Enterprise Security Discovery Workshop」、セキュリティ担当者向けに脅威動向の情報を提供するサービス「HP DVLabs Cyber Risk Report」、アプリケーションのセキュリティを統合管理する「HP Fortify Software Security Center」などがある。新造氏によれば、ユーザー企業はArcSightを統合管理基盤のダッシュボートとして活用することで、HPのセキュリティソリューションを必要なタイミングで迅速に導入でき、運用の負担が小さい点が特徴だとした。

 また、米HP 日本アジア太平洋地域担当マーケティングディレクターのワン・ローク・ヨウ氏は、「この分野には優秀なライバルが数多く存在するが、問題は彼らの製品やサービスが部分的な解決手段にとどまっていることだ。当社は包括的な手段を提供できる」と説明した。

 併せて、同社が米調査会社のColeman Parkes Researchに委託して7月に実施した日系企業のセキュリティ意識調査の結果も発表。セキュリティ脅威への対処が十分と考える回答者が23%であるのに対し、脅威や問題が増大しているとした回答者は63%に上った。組織内部に起因する侵害を経験したという回答者は45%、組織外部に起因する侵害を経験したという回答者は43%だった。

 日本HP エンタープライズセキュリティプロダクツ ジャパン ゼネラルマネジャの新造宗三郎氏は、「今年は日系企業がサイバー攻撃に巻き込まれるケースが増えていることからも、ITセキュリティリスクは企業の経営課題になっている」と述べ、同社のセキュリティソリューションがこうした企業ニーズに合致するものだとしている。

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