領海侵犯対策巡り新法も視野 官房長官、尖閣問題受け
仙谷由人官房長官は8日の衆院予算委員会で外国船舶の領海侵犯などを取り締まる領域警備の強化を急ぐ考えを表明した。新法制定も視野に検討する。尖閣諸島沖での中国漁船の衝突事件を受け、迅速に対応できる体制づくりを急ぐ。
現行の海上保安庁法では、領海侵犯した民間船舶に状況に応じて武器を使用できるが、外国政府の船は対象外だ。相手が海保の能力を超える強力な武器を携行していても、海上自衛隊は海上警備行動が発令されないと武器を使えず、迅速な対応は難しい。
仙谷長官は同日の記者会見でも「海上の警察権行使のあり方、守備範囲の法整備はほとんどなされず、空白という認識を持っている」と指摘。新法制定に踏み切る場合、自衛隊の任務に領域警備活動を加え、武器使用も認めるのかが焦点になる。
菅直人首相は8日の衆院予算委で衝突事件のビデオ映像流出に関し「政府としては管理不行き届きだった。おわび申し上げたい」と陳謝した。