【2月28日 AFP】大麻使用者について、使用期間が長いほど幻覚や妄想を体験したり、精神病に悩まされる傾向があるとの研究報告が27日、米精神医学専門誌「アーカイブズ・オブ・ゼネラル・サイキアトリー(Archives of General Psychiatry)」に掲載された。

 平均年齢20.1歳の計3801人を対象にしたオーストラリア・クイーンズランド大学(University of Queensland)の調査によると、大麻を最初に使用した年齢が15歳以下の被験者が統合失調症を含む非感情性精神病を発症する割合は、大麻をまったく使用したことのない被験者に比べて約2倍高かった。

 被験者の大麻使用期間は、3年以下が17.7%、4~5年が16.2%、6年以上が14.3%だった。

 3801人のうち65人が統合失調症を含む非感情性精神病と診断されたことがあり、233人が少なくとも一度は幻覚を経験したことがあると答えた。

 報告では大麻の使用開始年齢の早さと、複数の精神疾患を発症する可能性には関連があると論じている。さらに幻覚を体験し始めた年齢が低い人ほど、大麻使用期間が長く、またより頻繁に使用していたことが分かった。

 しかし精神病と大麻使用の関係は複雑だとも指摘されている。報告は、精神病になりやすい人、つまり単発性の精神病症状を呈しやすい人ほど大麻に手を出しやすく、そこから大麻使用によっていっそう非感情性精神病に発展するリスクが高まりやすいと結論している。

 これまでの研究でも大麻使用と精神病の関連性は指摘されてきたが、交絡変数の取り扱いが適切でない問題があったという。クイーンズランド大学のジョン・マグラス(John McGrath)氏が今回の研究を率いた。(c)AFP