チェルノブイリの教訓は風評被害(デマ)なんじゃないの?

 以下のまとめから。
Togetter - 「チェルノブイリで何が起きたか:資料まとめ
チェルノブイリの教訓は生かされなかった - 福島原発事故 海外での報道

1986年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所の第4号炉が爆発した。科学者の間で、この原子力事故と、放射線に直接曝された地域での出生率減少との間に関係があることを疑う者はいない。とりわけベラルーシでは、出生率が5.9%も落ち込む「大量死」の様相を見せている。

 …出生率の低下は「今子供生むと危ない」って風評のせいなのでは? 「大量死」がもしあるとするなら、「妊娠したけど生まれなかった子供の数」(死産率?)とか、出産後の子供の死亡率を調べないといけないですな。

死亡率についてのデータは十分憂慮に値する値を示している。とりわけ、心臓・循環器系疾患とガンの数値が年々上昇している。

 日本でも増えてますけど?
厚生労働省:平成21年人口動態統計月報年計(概数)の概況
 ↑ガン、心疾患、ともに伸びてる。ていうか、「心臓・循環器系疾患とガン」が死亡率に占める割合が増加していない国ってあるの? 医学が進むにつれて、他の原因で死ぬ人が減ってる、っていうだけのことで、放射性物質による影響、ということだと、もっと別のデータを見なければだな。
http://twitter.com/#!/kairo6/statuses/65937665488461825

@tokaiama 原発地元のウクライナベラルーシでは死亡率が低い。原発からはるかに離れているがソ連崩壊の影響をもろに受けたロシアやカザフスタンでは死亡率が高い。さらに学歴が低い人ほど死亡率が高い。どう考えてもソ連崩壊が原因以外ありえない

 ソース探したけどうまく見つからないので、もう少し探そう。呟きソースでは役に立たない
 小児死亡率は高くない。
→在日ベラルーシ共和国大使館「ベラルーシの風」

また、ベラルーシは五歳までの小児死亡率の指標が低いです。(1000人のうちには13人)。
この指標は世界平均小児死亡率の指標(1000人のうちには93人)、CISなどよりよいです。
工業発達した国の小児死亡率の指標に近いです。(1000人のうちには10人)。

ウクライナにおける事故影響の概要

ウクライナでは1991年以降、死亡率が出生率を上回っている。

 死亡率が出生率を上回っている国は旧ソ連を中心にけっこうあるんですけど…。
世界の合計特殊出生率と一人当たりGDPの関係

東欧諸国では、人口が減少している国が多く、世界で人口増加率の低い順に、ウクライナ -0.72%、ブルガリア -0.59%、ロシア -0.55%、ベラルーシ -0.53%となっている

 …ブルガリアって放射性物質飛んでたかな…。
人口増加率の高い国,低い国:1950〜55,1995〜2000, 2045〜50年

1995〜2001年
ウクライナ -0.37
ブルガリア -0.48
ハンガリー -0.59
エストニア -0.96
ラトビア -1.13

 どうよ。
 一応これ、どうしようか検討中…。信頼度高い?
チェルノブイリ原発事故によるベラルーシでの遺伝的影響

ベラルーシにおいて先天性障害の増加をもたらしている原因として最も考えられることは,慢性的な被曝またはネガティブ要因の複合的な影響による,突然変異レベルの増加である.

ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺ガンの現状

ベラルーシ全土における小児甲状腺ガンの患者数は表1に示す通りである.すなわち,事故前11年間(1975〜1985)ではわずか7名であった.しかし,事故後の11年間(1986〜1996)では508名と著明に増加し,それは事故前に比べ72倍にも達している.一方,成人についてみると,前者では1342名,後者では4006名と約3倍に増加している.しかしこの場合には,診断技術の向上や検診機会の増加といった「見せかけ」の要因を考えると,必ずしも事故による被曝にともなう増加とは言えず,今後のさらに詳しい追跡調査を継続する必要がある.

 どうなんでしょうね。

年度別発生頻度を,高汚染州であるゴメリ州に限定してみると,90年3.6件,91年11.3件,95年13.4件,96年12.0件と,91年以降は世界的平均の100倍以上にも達している

 以上は10年以上前のデータなので、現在は「小児甲状腺ガン」は通常の数値になっているみたいですが、もう少し年齢の高い層が今は危ない。要するに、子供の時放射線を浴びた結果? 以下のページの「図 1 甲状腺癌のベラルーシにおける発生率」参照。
チェルノブイリ原発事故から甲状腺癌の発症を学ぶ―エビデンス探索 20 年の歴史を辿る
 甲状腺ガン以外のガンについてはどうかというと、

 放射線の組織への蓄積や作用が甲状腺ほど明確でなく,また様々な遺伝子に変異が起こり得て,しかも発症までの時間がもっと長い成人のその他のがんでは,統計学エビデンスを得るのは極めて困難であろう.
 被爆者の健康被害研究に携わってきた長滝医師は,「国際機関で“因果関係があると結論するにはデータが不十分である”という表現は,科学的には放射線に起因するとは認められないということである.ただし科学的に認められないということは,あくまで認められないということで,起因しないと結論しているわけではない」と指摘する.

 要するに、よく分からない。
 
(2011年5月31日追記)
 ベラルーシ出生率・死亡率の表。
Demographics of Belarus - Wikipedia, the free encyclopedia( Vital statistics since 1950)
 出生率は最近上昇中、死亡率は1986年からずっと上昇中。差し引きの差が一番ひどかったのが「2002年」(-5.8)。
 これ見ると「やっぱチェルノブイリの影響あったんじゃね?」と思えるんですが。
 ところが!
Aging of Japan - Wikipedia, the free encyclopedia
 日本の場合は、1974年からずっと出生率減少中、死亡率はじわじわと上昇中。
 ひょっとして日本、1974年にチェルノブイリ原発事故に匹敵する大惨事に会ってるの?
 オイル・ショック=老いるショックか。
 でも深夜放送自粛してると出生率あがるんじゃないの? いや何となく…。