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「第3のOS」巡り白熱 バルセロナでスマホ競演

25日にMWC2013開幕

ジャーナリスト 石川 温

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2月25日にスペイン・バルセロナで世界最大級の移動体関連展示会「Mobile World Congress(MWC)2013」が開幕する。世界中から携帯電話事業者や端末・基地局メーカー、メディア関係者などが集結する一大イベントだ。今年は昨年までの会場から場所を移し、さらに規模を拡大する。

開催前日の発表会はファーウェイだけ

世界的なスマートフォン(スマホ)ブームが広がっている一方で、今年は端末メーカーによる「MWC外し」の動きが顕著になっている。数年前まではMWC開幕前日に、大手端末メーカーがこぞって新製品発表会を開催するのが通例だった。その年のフラッグシップになる最高峰の製品をバルセロナで披露し、翌日から世界各国の携帯電話会社と商談するという流れがあった。

特にソニーと韓国サムスン電子が同じ時間帯に記者会見を開催していたため、プレス関係者はどちらを選ぶという「踏み絵」を踏まされてきた。

しかし、昨年はサムスン電子が前日の記者会見開催を見送った。それでもその日は中国ファーウェイ(華為技術)、ソニーモバイルコミュニケーションズ、台湾HTCの3社の記者会見がそろい、プレス関係者が会見をはしごしなくてはならず、それなりの盛り上がりを見せていた。

今年は、開幕前日の24日日曜日に発表会を予定しているのはファーウェイだけ。サムスンは昨年に続いて、前日は記者会見を予定していない。同社の新製品として「GALAXYシリーズ」のフラッグシップモデルの発表が期待されているが、これはMWCではなく3月14日に米ニューヨークで披露すると見られている。

ソニーモバイルコミュニケーションズも既に1月のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でフラッグシップとなる「Xperia Z」を発表済み。同製品は日本で発売しており、MWCでは発表済みモデルの派生機種の紹介にとどまりそうだ。

HTCは米国時間の2月19日にニューヨークで新製品の「HTC One」を発表しており、MWC会場では同端末を展示する予定だ。韓国LG電子も21日にリリースを出した新製品「Optimus F5」と「同F7」を、会場で展示すると発表している。

グローバル市場で目立つ活動をしていた端末メーカーが、いずれもMWCでの新製品発表会を避けてきた格好だ。MWC会期中に大規模な記者会見をしても、ほかのニュースに埋もれることがあるため、時期をずらすことで注目度を高めるという狙いがあるようだ。

ドコモは「Tizen」、KDDIは「Firefox」

そんななか今回のMWCで大きな話題となりそうなのがスマホの「第3のOS(基本ソフト)」だ。Webページ作成の次世代言語「HTML5」をベースにしたスマホ向けプラットフォーム「Tizen(タイゼン)」と「Firefox OS」がそろってメディア向けイベントを予定している。

Tizenを推進する企業として、端末メーカーからはサムスン電子、ファーウェイ、パナソニック、NEC、富士通が名を連ねている。携帯電話会社ではNTTドコモ、仏オレンジ、韓国SKテレコム、同KT、米スプリント・ネクステル、英ボーダフォンがメンバーにいる。

既にNTTドコモがTizenを搭載したスマホの製品化を計画していると報道されている。富士通、NEC、パナソニックが開発に携わっていることを考えると、かなり具体的な準備が進んでいると推測できる。

NTTドコモを含む各社は、かつて「Limoファウンデーション」と呼ぶ組織で携帯電話の共通プラットフォームを模索したり、非営利団体「ホールセール・アプリケーションズ・コミュニティー(WAC)」としてアプリケーションの共通化などを検討してきた経緯がある。そこにフィンランドのノキアとOS「MeeGo(ミーゴー)」呼ぶプラットフォームを準備していた米インテルが加わり、Tizenという形になった。

一方のFirefoxOSは、HTML5対応のブラウザベースで通話機能やネット閲覧、メールなどスマホの機能をすべて動作させようという取り組みだ。ブラウザベースで動作するため、ハイスペックなチップセットが不要となり、安価なスマホの開発が可能だ。MWCでは具体的な商品紹介がある見込みで、スペインの通信最大手テレフォニカはブラジルでFirefoxOSを使ったスマホの発売を予定している。

日本でもKDDIがFirefoxOSスマホの導入を検討中。田中孝司社長が「面白そうでしょ」と導入に前向きな発言をしており、MWC会期中にKDDIが何らかの発表をすると予想されている。

FirefoxOSの推進企業として、携帯電話会社ではテレフォニカを筆頭に、独Tモバイル、米スプリント、イタリアテレコムなどが名を連ねる。さらにスマホ向けチップセット最大手のクアルコムも中核メンバーにいる。FirefoxOSと組むことで、新興国市場で安価なチップセットを普及させる狙いがあるようだ。

「脱アップル、脱グーグル」を模索する関係各社

NTTドコモがTizen、KDDIがFirefoxOSを支持するなか、動向が見えないのがソフトバンクモバイルだ。いまだにどちらの陣営からも名前が聞こえてこない。

ただしTizenとfireFoxOSへの参画企業にはともに米スプリントの名前がある。ソフトバンクはまだスプリントの買収を完了できてはいないが、傘下のスプリントを経由してどちらの陣営が盛り上がるかなどの情報を収集して、いずれは端末の調達も可能にできる。こうした面からも、スプリントの買収効果が期待されている。

TizenとFirefoxOSが大きく注目を集めている背景には、「脱グーグル、脱アップル」を目指したい携帯電話会社の本音が見え隠れする。携帯電話会社やメーカーにとって、アップルやグーグルにスマホ市場を牛耳られているままではうまみが少なく、自らの存在価値すらも危うくする。

アプリの配信やサービス提供などで携帯電話会社が独自性を発揮するには、現行の2大OSに代わる「第3のOS」が必要となる。各社がHTML5をベースとしたプラットフォームへの参加を急いでいるのは、こうした理由からだ。今年のMWCは、携帯電話会社やメーカーが、「グーグルとアップルの呪縛から逃れる」という経営課題に答えを見つける場となりそうだ。

石川温(いしかわ・つつむ)
 月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。近著は、本連載を基にした「iPhone5で始まる! スマホ最終戦争―『モバイルの達人』が見た最前線」。ニコニコチャンネルにてメルマガ(http://ch.nicovideo.jp/channel/226)を配信中。ツイッターアカウントはhttp://twitter.com/iskw226

iPhone5で始まる! スマホ最終戦争―「モバイルの達人」が見た最前線

石川 温 著

日本と世界のスマートフォン・タブレット業界で起こった最先端の出来事の意味とは……。


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