衆院解散

群馬1区保守3分裂の恐れ 中曽根康隆氏、28日前後に結論か 

 官邸発で突如吹き荒れた解散突風。群馬県内各党は「10月10日公示-22日投開票」での衆院選日程を視野に急ピッチで準備に入った。短期決戦となるが、注目は保守3分裂の可能性のある1区だ。保守地盤の固い群馬とはいえ、3分裂なら票の分散は避けられず、混乱も予想される。(久保まりな、吉原実、住谷早紀)

 1区の候補者調整で、自民党県連は女性問題を抱えた現職の佐田玄一郎氏を諦め尾身朝子氏=比例北関東=を公認として推薦することを決めている。ただ、佐田氏も現職として出馬に意欲を捨てておらず、そこに中曽根弘文氏の長男、康隆氏の動きが活発化。支持者の中には無所属での出馬も辞さずとの声もあり、3分裂の可能性も出ている。

 康隆氏は5日、支持者を集めた会合で、弘文氏の秘書を辞めたことを明らかにし「自分の政治活動に精進したい」と臨戦態勢突入を報告したばかり。「自民、衆議院、群馬にこだわるが状況が複雑なので、まだ様子を見ている状況」としていた。そこに突然の解散風。動きは加速するのか。

 康隆氏本人は19日、産経新聞に「状況を見ていることに変わりはない」としながらも、「思いのほか選挙が近くなった」と戸惑いも隠さない。それでも「1区も選択肢に入っている」と28日の解散前後には結論を出す方向で検討している。

 県連の山本一太会長は、ここまで「尾身氏の公認推薦が覆ることはない。本部も公認してくれると確信している」と再三、強調してきた。しかし自民支持者や議員には35歳という若き中曽根ファミリー3代目への待望論も根強く、前橋市の60代の支持者は「10月総選挙ということなら、短期決戦でがんばってほしい。秘書を辞め退路を断った以上、前に進むしかない」と出馬に期待を寄せている。

 民進は現職の宮崎岳志氏が挑み、共産は店橋世津子氏を擁立する構え。保守3分裂の場合、野党が漁夫の利を得る形も考えられる。

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