アップル新本社は宇宙基地型 HPの拠点跡地に建設へ
【シリコンバレー=岡田信行】米アップルがカリフォルニア州クパティーノ市の現本社近くに所有する155エーカー(約62万7200平方メートル)の敷地に、宇宙ステーションに似た形の新本社ビルを建設する計画を進めている。スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が7日夜、2015年までに完成させ、1万2000人の従業員が働くオフィスにする計画を同市市議会で明らかにした。
病気休養中にもかかわらず6日にサンフランシスコでクラウド戦略を発表したばかりのジョブズCEOは、市議会議員らを前に「現本社が手狭になり、ヒューレット・パッカード(HP)が構造改革で売りに出した拠点を買った。世界で最も進んだオフィスをつくる」と宣言した。
駐車場などの施設は大半を地下化。4階建ての巨大なドーナツ形オフィス棟を中心に、樹木を多く配した設計とする。高速道路をはさんで同じ市内にある現本社も「引き続き使う」としており、「iPhone」や「iPad」などヒットを続ける同社の成長持続に自信を示した。
クパティーノ市のギルバート・ウォング市長は8日の記者会見で、「ジョブズ氏はクパティーノの中学、高校に通った人物。我々はアップルの"母船"であり続けたい」と述べた。