私は最近、デザインを独学で学び始めました。でも、実際に始めるまで、何年ものあいだためらっていました。『Photoshop』を使っても、いいと思えるデザインができないからです。本当にイライラしてました。

誰も初心者には教えてくれないことで、私が誰かに教えてほしかったと思うことがあります。それは、クリエイティブな仕事に就いた人が最初に味わうギャップです。

こうした仕事に就く人は、そもそもセンスがあるからこの世界に入ったわけですが、最初の数年間はあまりいい作品を作れません。可能性は感じられるのですが、よい作品ではないのです。それでも、そう感じるセンス自体は大事なものです。そのセンスはこの世界に入るきっかけになったものですが、センスがあるからこそ自分の作品に失望するのです。多くの人は、この段階を通過する前にやめてしまいます。私が知る、クリエイティブで面白い仕事をしている人の多くは、こうした状態を何年も経験しています。自分が作品に求める特別な何かが欠けていると自分でわかるのです。

これは誰もが経験することです。始めたばかりの人や、まだこの段階にいる人に忠告しましょう。あなたのフラストレーションはよくあることで、最もよい解決策は「たくさん作ること」です。自分で「締め切り」を設けて、毎週ひとつの作品を仕上げましょう。ギャップを埋める唯一の方法は、多くの仕事をこなすことです。それによって、作品はあなたの期待に近づいていくでしょう。自分のやり方を見つけるのに、私は誰よりも時間を必要としました。時間がかかってあたりまえなんです。何とかして通り抜けなければなりません。

── Ira Glass

私は「デザインは難しい」と思っていたので、そこで立ち止まっていたのです。あなたの生活でも、そういうことはあるでしょう(デザイン以外で、おそらくはたくさん)。ここでアドバイスをひとつ。「やりたいこと」は一見簡単そうに見えるので、「自分には難しすぎる」と感じるとあきらめてしまうのです。ほかにも進行中のものがいっぱいあるし、新たに何かを始めると、すでに手をつけていることも両方がダメになってしまう、と言い訳しながら。

では、やりたいことを実際に始める方法を紹介しましょう。決意表明をする

私は、ウェブやモバイル・アプリケーションのユーザーインターフェイスと機能のデザインを学びたいと思っています。「やりたいこと」だけでなく、どこでどう行うかも表明しましょう。めざす目標がはっきりし、生活の中で求めるものの範囲をある程度は限定できます(決意表明のヒントをくれたBuster Benson氏に感謝)。

まずは始める

Photoshopを購入し、インストールします。実際にお金を払うことは、やる気を生み出す大きなきっかけとなります。買い物リストなど、簡単なもののデザインをやってみましょう。完璧でなくても、自分が求める高い基準に達しなくても、満足することが大事です。

まわりの人に知らせる

「最近、デザインの勉強はどう?」と、人々が尋ねてくる状態を作りましょう。「難しいけど楽しい。毎日どんどん上達している感じ」とか、「あまり順調じゃないので、クラスを受講する必要がありそう」とかいった返事をするでしょう。

繰り返す

アリストテレスは「繰り返し行うことが、人間の本質である」と述べています。サーファーになりたければ、たくさんの波に乗る必要があります。デザインができるようになりたければ、継続的にデザインに取り組まなければなりません。

何かを学ぶ最善の方法は、実際に飛び込んでやってみることです。最初の数日は下手くそでも、次の数週間はマシになっているでしょう。そのあとはもっと上手になります! 実際に飛び込まなくては、欲しいものは手に入りません。生活やライフスタイルの変化を恐れないようにしましょう。そして、最初は満足できなくても、続けることが大事です。心配はご無用。必ず上達しますから。

Zack Shapiro(原文/訳:向井朋子、合原弘子/ガリレオ)