仮想化ソフトウェア開発で知られる米Parallelsは7月17日(現地時間)、同社のボードメンバーにBertrand Serlet氏が加わったことを発表した。同氏は2011年に退社するまで米Appleのソフトウェアエンジニアリング部門でシニアバイスプレジデントを務めており、対外的にはMac OS X開発をリードしてきた人物として知られている

WWDC 2009でMac OS X Snow Leopardを紹介するSerlet氏

Serlet氏はXerox PARCに研究者として在籍し、NeXTでのソフトウェア開発を経て、Appleによる1997年のNeXT買収に伴いそのまま同社に移籍した。その後、Appleのソフトウェアエンジニアリングの中心メンバーとして、2000年以降はMac OS X開発を率いていた。Serlet氏はParallelsで非エグゼクティブのディレクターとして活動し、Apple在籍時代までの経験を同社で活かしていくことになる。

ParallelsはMacのIntelプラットフォーム移行にともなって「Windowsを含むゲストOS環境」の仮想化で急伸した製品であり、Macにとっても最も重要なソフトウェア製品の1つとなっている。Serlet氏のParallels参加が即座に同社製品の大きな変化につながるものではないが、現在AppleはMacのOS環境をクラウド対応やモバイル対応に傾けつつあり、同氏のディレクションが今後のParalelsの製品改良や戦略立案に影響を与えていくことになると思われる。