【4月2日 AFP】今週行われた米国化学会(American Chemical Society)の年次総会で米国のチームが、カナダのケベック(Quebec)州産のメープルシロップに健康に良いとされる消炎作用や抗酸化作用のある54種類もの化合物が含まれていることを突き止めたと発表した。このうち5種類は、これまで自然界では発見されたことのない物質だと言う。

 研究リーダーの米ロードアイランド大学(University of Rhode Island)、ナビンドラ・シーラム(Navindra Seeram)氏(生薬学)は「研究室での実験で、複数の化合物に、がんや糖尿病、細菌性疾患などと戦う抗酸化作用や抗炎症作用があることを発見した」と発表した。同様の物質は「スーパーフード」と呼ばれるブルーベリーや緑茶にも含まれている。

 新たに発見された化合物のひとつは、世界有数のメープルシロップの産地であるケベックの地名にちなみ「ケベコール」(quebecol)と命名された。メープルシロップを作るためには、最終的なシロップ1リットルに対しカエデの樹液40リットルが必要だが、この樹液を煮詰める際に「ケベコール」ができると研究チームでは考えている。

 ケベック・メープルシロップ生産者連合会(Federation of Quebec Maple Syrup Producers)とカナダ農業・農産食料省(Agriculture and Agri-Food Canada)の助成によるこの研究論文は、専門誌Journal of Functional Foods次号に掲載される。(c)AFP