写真1●発表会の様子 左から凸版印刷の大湊満専務取締役、三省堂書店の亀井忠雄社長、BookLiveの淡野正社長、UQコミュニケーションズの片岡浩一副社長、NECの國尾武光執行役員常務
写真1●発表会の様子
左から凸版印刷の大湊満専務取締役、三省堂書店の亀井忠雄社長、BookLiveの淡野正社長、UQコミュニケーションズの片岡浩一副社長、NECの國尾武光執行役員常務
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写真2●発表会場の外に実機に触れるタッチ&トライコーナーが用意されていた
写真2●実機に触れるタッチ&トライコーナーを用意
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 凸版印刷グループの電子書籍ストア運営会社であるBookLiveと、三省堂書店、NEC、UQコミュニケーションズの4社は2012年11月7日、6インチのEインクモノクロ電子ペーパーを搭載した電子書籍端末「BookLive!Reader Lideo(リディオ)」を発表した(関連記事:「無料WiMAX通信付きで8480円」の電子書籍端末Lideoを12月発売、凸版グループ)。

 同日午後、都内で4社による記者発表会が開催されていたが(写真1)、たまたま会場近くで用事があった記者は時間ギリギリに飛び入りで参加。発表会終了後、会場の一角にタッチ&トライコーナー(写真2)があったので、写真撮影がてら短時間ではあるが実機に触ってみた。

 以下、ファーストインプレッションをお届けする。

薄暗いところで読むには手元照明が別途必要

 まずは画面の見やすさなどから。Lideoがディスプレイとして採用する米E InkのEインク電子ペーパーは、米アマゾン・ドット・コムのKindleなど現状で直接競合するすべてのモノクロ電子書籍端末が採用している。このため、静止状態での見やすさに関しては基本的に差はほぼ生じない。記者はKindle(第4世代)、ソニーのReader(PRS-T1)、楽天のkobo Touchなどを所有しているが、実際どれを見てもほとんど変わらない。

 この手のモノクロ電子書籍端末分野の最近のトレンドの一つに、ディスプレイに「フロントライト」を装備したタイプが出始めていることが挙げられる。具体的には、アマゾン ジャパンが11月19日に発売予定の最新端末「Kindle Paperwhite」(関連記事:アマゾンが日本向けKindle最新4モデルを予約開始、「無料3G通信付きで1万2980円」の衝撃)や、楽天が11月15日に出荷開始する「kobo glo」の2機種がフロントライトを備えている。

写真3●照明が薄暗い状況下で読むのは厳しい
写真3●照明が薄暗い状況下で読むのは厳しい
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 一方、Lideoはフロントライトを備えていないため、周囲が薄暗いところで読むのは正直なかなか厳しい(写真3)。ただし、これについては上記2機種以外のすべての端末が同じであり、そもそも紙の本を読むときも同様である。最近では携帯型も含め、様々な電子書籍端末向けの小型LEDリーディングライト(読書灯)が市販されているので、「いつでもどこでも電子書籍を読みたい」という人は同時購入を検討しておくとよいだろう。

写真4●縦書きの日本語文章を表示したところ 写真上部がボケ気味なのは撮影したカメラレンズの被写界深度の問題で、実際はシャープに表示されている
写真4●縦書きの日本語文章を表示したところ
写真上部がボケ気味なのは撮影したカメラレンズの被写界深度の問題で、実際はシャープに表示されている
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 「日本語の電子書籍を快適に読む」という観点からは、ディスプレイの性能だけでなく「フォントの美しさや表示品質」なども非常に重要な要素となる(その他レイアウト能力や文字種のサポート範囲なども重要だが割愛)。印刷会社(凸版印刷)が開発に携わっていることもあり、Lideoはこの点については問題ない。キレイなフォントで日本語縦書き書籍を表示できる(写真4)。