新書版なんで詳細の議論は荒っぽく省かれている気がしますが、日本の考え方が実にはっきりしないということが相変わらず改めて浮き彫りになったと思います。
IFRSなんて選択適用で十分です。ヨーロッパで資金調達したい企業だけが作ったらいいのではないかとずっと思っている。強制適用って何のためにするのか本当にわからない。包括利益ってまず製造業の経営者には役に立たないですよ。全く理解出来ないと思う。
それに今までも証券会社の優秀なアナリストが同じような指標を出していたわけで、企業が自分で計算するより正しいと思う。(一般的に上場企業の経理マンより証券アナリストの方がスキル・能力が高い)
ヨーロッパの金融屋さんのための決算書を国を挙げて作る必要があるのですかね?内部統制の強制でもずいぶん弱小上場企業を痛めつけて、さらに追い打ちをかけていったい国は誰の味方なのか。

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IFRSに異議あり: 国際会計基準の品質を問う 単行本 – 2011/5/1
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自明のことのように語られているIFRS(国際財務報告基準)導入。しかしそのシステムは理論的な欠陥を抱え、導入は企業に多大なコストを課すこととなる。日本企業の命運を左右するIFRS導入の是非を問う問題提起の書。
- ISBN-104532261236
- ISBN-13978-4532261238
- 版New
- 出版社日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
- 発売日2011/5/1
- 言語日本語
- 寸法10.9 x 1.3 x 17.5 cm
- 本の長さ218ページ
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登録情報
- 出版社 : 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版; New版 (2011/5/1)
- 発売日 : 2011/5/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 218ページ
- ISBN-10 : 4532261236
- ISBN-13 : 978-4532261238
- 寸法 : 10.9 x 1.3 x 17.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 556,196位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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- 2013年9月9日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2012年6月20日に日本でレビュー済みAmazonで購入本書についての僕自身の感想を簡単に言うと、この本はIFRSへの根本的な疑問を投げかけているだけでなく、日本の国際戦略の下手さを暗に示している本だと言える。
各国の適用状況などはところどころ発信されているにもかかわらず、日本だけ優等生のように完全な形で適用し、どの国よりも忠実に運営しようとする、どんだけ律儀な国なんだと少し呆れてしまった。
本書の中では提案という形で、IFRSの適用から運営まで様々な意見が出されているが、その裏に日本の戦略の無さや思考停止に陥っている状態をはっきりと見て取れ、そこに批判も感じる。
会計という側面からみたIFRSは、本書の指摘の通り欠陥が存在しているのもまた事実であり、理想像を追い求める形で作成されている以上、実際の現実社会に合うとは言い切れず、また、公正価値の導入のように、主観が混入してしまうのもうなずける。
しかし、もっと大きな枠でいうと、このIFRSというのは、会計をどう定義し捉えるかに関して、現代社会への大きな問のように感じる。
今までの日本基準では、会計の目的とは単純に言えば過去の業績を表すためのものと捉えており、そのもとで利害関係者への情報提供の義務が課されていると考えられるが、一方でIFRSは投資家への適切な情報提供が土台となり、そこから過去の業績だけでなく将来的な情報提供も必要である、と考えることができるのではないかと思う。
こういった点でIFRSの台頭は、会計とは本質的にどうあるもので、運営していくのが適切なのか、という本質的な問いを世界的に問いていると言えるのではないかと思う。
僕も会計を学ぶ身として、もう一度しっかりと本質的な部分から考え理解していかなければと感じた。
- 2011年7月20日に日本でレビュー済みAmazonで購入もともと、アメリカが自分たちの考え方を押し付けてくるのがいやでしたが、さらに、イギリスにまで同じようなことをされるのはたまりません。自分たちにいいようにばかりやってるように思います。腹が立っても国際市場でしか生き残れない国際企業もありますが、上場企業の中にもドメスティックな企業で、しかも海外からの資金調達を欲していない企業もたくさんあると思います。東証も海外追従ばかりやってると上場コストのほうがメリットより多くなって東証から逃げ出す企業も出てくるでしょうから、ドメスティックとインターナショナルの2市場に分けるのはとても合理的だと思います。
- 2016年1月13日に日本でレビュー済みAmazonで購入最近、岩井克人氏の資本主義観に興味を持ってあれこれ著書を覗いているうちに本書に出会い、ざっと目を通してみて「岩井教授ともあろう人がなんてまあ酷い本を書いたもんだ」と言うのが読後感。これは岩井氏の単独著書ではないが、共著者も含めて企業の財務会計の現場を全く知らない人が書いた「駄書」と言ってよいと思う。
何故「駄書」かと言う例を二、三挙げると、まず冒頭に会計には「資産・負債アプローチ」と「収益・費用アプローチ」の二種類のアプローチがあるとあるが、この両者は別にどちらがより重要であるか否かを分けて認識するべき性質のものじゃない。言ってみれば、一枚の布を表から見るか、裏から見るかの違いでしかない。
更に、従来の企業会計の基本は「費用収益アプローチ」だったが、IFRSはそれをひっくり返す「資産負債アプローチ」重視の「会計観」を持ち込んだと言ってるがこれもおかしい。
日本の会社法が商法から分離する以前までは、株式会社が法律上開示を義務付けられていたのは貸借対照表だけであって、損益計算書は開示義務は無かった。即ち嘗ての日本では「資産負債アプローチ」の方が重要だと考えられていたのだ。
また「会計の目的は何か」の問いの答えとして、「過去の業績と将来のキャッシュフローの開示」だと言ってるが、この時点で「会社の純資産の開示=株主持ち分の特定」という財務会計の重要使命を見逃している。この点を重視しするIFRSの視点は十分に合理的だ。
もう一つ挙げると、「Fair value (公正価値)」の意味を「誰にとっても正しい規範」だと解釈してるが、これも会計の実務現場を知っている者にとっては笑止千万。著者たちは「Fair value」を経済学における「価値」と同様の概念で捉えているようだが、Fair というのはスポーツにおけるルール遵守と同じで、「真実の価値」ではなくて、全ての関係者(Stakeholder)にとって納得できる価値の表示と言う意味でしかない。会計の実務で「真実の価値」などというものは、到底捕捉できるものでないことは現場の実務者の常識だ。
大分前に出版された本で今はあまり話題性が無いと思うが、目に留まったので一言レビューを書いておくことにする。
- 2011年7月4日に日本でレビュー済みAmazonで購入米国の対応に右往左往してIFRS導入を拙速に推進していた金融庁や日本公認会計士協会は反省すべきだと思います。先般、IFRS導入延期が政府から発表されたが、この本が指摘している点について、経済界を含めて、再度、白紙から議論をすべきではないかと感じます。会計士協会は明らかにIFRSの原則主義をめしの種にしようとしていたと思います。
- 2016年8月6日に日本でレビュー済み原則主義というのは結局のところ、各会社の経営者任せで解釈するしかないので、比較可能性の向上なんていっても結局、解釈の基準が異なるのだから、あまり意味はない。例えば、欧州と日本の同じ業態の企業を比べられるはずはない。国内企業同士を比べたいなら今の日本基準で十分である。
いわゆる無形資産や筆者の言う自己創設のれんの価値なんてのも解釈次第で如何様にもかわる。
また、将来キャッシュフローをいかに正確に出せるかがポイントであるけれどもそれを求めるのに莫大な費用がかかる。そうやって求められた結果も割引率(金利)がちょっとぶれるだけで大きく変わる。
このような数字を無理に作ってもその数字にどれだけの意味があるかと思う。
上場会社も選択適用で十分。海外に大きなグループ会社がない企業は全く無意味。
- 2011年6月6日に日本でレビュー済みIFRSを強制適用するのは良くない、選択適用にするべきだ!なぜなら、
IFRSには「資産負債アプローチ」、「公正価値」、「プリンシプル・
ベース」という点において問題があるし、強制適用にはすごくコストが
かかる(のにメリットがはっきりしない)からだ・・・というのが本書の
ざっくりした要約です。これについてコメントは大きく3点です。
第1に、結論を急ぐあまり、議論の内容に雑な部分が散見されます。
たとえば、IFRSでは「のれん」の減価償却をしないことをもって、
「自己創設のれんの計上を容認している」と結論付けたりしてます(P105)
けれども、これは全くのトンデモ解釈であって、正しくは「耐用年数の確定
できない無形資産につき、減価償却はしない(ただし減損テストにより、
価値が減少しているかどうかの検証を行う)」ということのはずです。
また、のれんを減価償却しないのが問題であれば、米国会計基準についても
同様に批判するべきと思いますが、著者は別なところで米国会計基準と共同
戦線を張ってIFRSに対抗しようというようなことも語っており、どうも論理的
な一貫性がありません。
理論に関する雑な議論により、「IFRSには理論的に問題がある」という
主張の説得性が減殺されています。
第2に、「強制適用」という言葉の偏った使い方です。
著者は、IFRSがプリンシプルベースのルールであり、原理原則を徹底する
ものであるという点を過度に強調しすぎています。
強制適用という言葉を、原理原則を徹底するという強い意味で捉えるならば、
それは著者が言うとおりいろんな問題はあるでしょうが、実際のルール、
特にグローバルなルールの場合、政治的な合意の産物以外にあり得ないので
あって、さらにはルールの運用までいけば、裁量の余地はいくらでもある訳
です。いみじくも著者が言及している通り、欧州は「強制適用」をしつつも、
カーブアウト条項を巧みに入れるなどして、したたかに強制性を回避している
現実があるわけで、こういう現実を踏まえれば、ちゃんとしたしたたかさが
ありさえすれば(←これが重要なんですが)、強制適用でも全然問題ないわけ
です。
議論のスタンスを明確にするためには、「強制適用反対!選択適用賛成!」と
するしかなかったのかもしれませんが、ちょっと原理主義に過ぎるスタンス
な気がします。もうちょっと冷静さが欲しいと思いました。
第3に、1・2で挙げた問題点はあるものの、包括利益の表示に関する会計
基準を例に挙げて、原理原則を真剣に検討もせず、なし崩し的にコンバージェ
ンスを進めてきた現在の日本の会計制度に対するスタンスは問題だ、という
著者の主張には大いに賛同します。たぶん、こういうスタンスでいるままでは、
IFRSに良いように振り回されるのがオチなわけで、その意味では「日本と
しての立ち位置をしっかり持って諸外国に対峙せよ」との主張は、傾聴には値
するかなと。
全体としては、議論の粗さはかなり目立つけれども、ところどころに傾聴すべ
き話もあるということで、星3つくらいでしょうか。
- 2011年7月23日に日本でレビュー済み日本全体が、とにかく「国際化のため」だの「世界標準」だのと
猫も杓子もIFRSという状態になってしまっていて、
何か、おかしいぞ、とうすうす感じていましたが、
この本で、目が覚めたように思います。
やはり、IFRSを押し付けてくる背景には、それなりの目的と戦略があるのです。
国際的なルールを決める際には、10年後、100年後のビジョンを持って
自国の利益を守ることを考えなければ、スポーツの世界で、ルール改定が
すべて日本に不利に変更されてきたことの繰り返しになります。
この本は、明確な(人によっては極端すぎると感じるかも知れませんが)理論をもって
IFRSの問題点を指摘してくれます。そもそもIFRSは、accountingではなくて
financialルールだという指摘もなるほどと、思いました。また、時価主義ゆえに、
実際の取引とは無関係に、損益が発生してしまう(あたりまえと
言ってしまえば、それまでですが...)といった欠点がよく理解できました。
どうして、今までこうした本がなかったのか? IFRSを批判するような
発言を許容しない勢力があったのではないか、というのは疑い過ぎかも
知れませんが、基本的な議論がないままに、導入という結論を先に
決めてしまったように思います。今からでも遅くはないでしょう。
この本を読んで、IFRS導入の方法、時期等基本的なことから、
議論をするべきだと思います。