3G、タブレット、Ultrabook、さらに大学や地下鉄とも──2012年度のWiMAX「Fusion」計画TF101のWiMAX内蔵モデルも登場へ(1/2 ページ)

» 2012年01月30日 22時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

横浜市地下鉄もWiMAXエリア化へ

photo UQコミュニケーションズの野坂章雄社長(右)と日本マイクロソフトの香山春明執行役常務(左) 日本マイクロソフトと共同でWiMAX内蔵PCの販促キャンペーンを実施する

 UQコミュニケーションズは1月30日、地下鉄対応や新デバイスの発表を含むサービス説明会を実施。同社代表取締役社長の野坂章雄氏が「より速く、より広く、より便利に」を軸にした2012年春商戦に向けた施策を説明した。

 まずはサービスエリア拡充の施策から。同社はさらなるWiMAXエリアの拡充を推進する「エリア全力宣言」とともに、2012年3月までの目標としていた「実人口1億人カバー」を同年1月に達成。実人口カバー率は全国79%、政令指定都市95%、東名阪エリア99%(以上2011年12月末時点)とし、他社新世代通信サービスに対し、利用者の多い都市部でのエリア化がかなり進んでいる点を強みとする。

 また、ユーザー注目度の高い地下鉄駅間・トンネル区間のエリア拡充やエリア化情報をメールで通知する「エリア通知メールサービス」、学内ネットワークとの連携なども新たに展開する。

 地下鉄のWiMAXエリア化は、2011年12月に開始した東京都・都営地下鉄三田線に続き、新たに神奈川・横浜市営地下鉄でも2012年2月末より展開する。「2月末より都筑ふれあいの丘駅から、2012年8月末に全路線区間のエリア化を目指す。他社路線や他地区の地下鉄、地下区間のエリア化も積極推進する」(野坂社長)


photophotophoto 対象地域の居住人口を対象地域のエリアカバー人口で割った“国内実人口カバー数”が1億人に達した。地下鉄トンネル区間のエリア化も推進。新たに横浜市営地下鉄で順次エリア化される

 なお、都営三田線は第1弾の大手町駅に続いて神保町駅もエリア化工事が済み、1月30日に開始した。駅の端から吹く電波は直線距離で約500メートル届くが、駅間が長距離で、カーブ・高低差がある大手町−神保町駅間は移動中に少し切れてしまう区間が存在する。こちらは一時的に電波が途切れてもハンドオーバー機能によりセッションは維持されていること、そして列車は移動中なので途切れるのは短時間であることによりほぼ大丈夫としつつ「とはいえ、状況やニーズは理解している。東京都交通局との相談で、届かない一部区間を穴埋めする何らかの方法を取り入れたい。WiMAXの電波直進性を利用して、できるだけ簡便に実施できると思う」(野坂社長)という。

photo 登録した都道府県のエリア拡充情報をメールで通知する「エリア通知メールサービス」も開始した

 エリア通知メールサービスは、メールアドレスと希望エリア(都道府県単位、最大5つ)を登録し、サービスエリア化情報が更新されたら通知してくれるサービスだ。「手作り感は確かにありますが(笑)、業界ではおそらく初の取り組み。ユーザーさんの声を聞き、きちんと反映・報告したい。ユーザーにより近い通信事業者である。という考えの表れと思っていただければ」(野坂社長)

 学内ネットワークとの連携も進める。UQは慶應義塾大学(湘南藤沢キャンパス)の学内ネットワークとWiMAX網を接続するキャンパスネットワークアクセスサービスを2011年4月に導入、それに続き、京都大学の学内ネットワーク連携も2012年4月1日にはじめる。

 京都大学の学生や教職員を対象とする利用者は、WiMAX網より学内外問わずセキュリティ性を保ったまま学内ネットワークへシームレスに接続できるようになる。具体的には、学術情報ネットワーク(SINTET4)とWiMAX網を接続し、さらに京都大学ネットワーク(KUINS)との間に仮想的な専用経路を構成。特別な操作や設定(VPN接続やWebブラウザ認証など)の必要なしに、WiMAXにつながりさえすれば外出先でも学内でのアクセスと同じ使い勝手を実現できるのが強みだ。


photophoto 慶應義塾大学に続き、京都大学の学内ネットワークと連携した接続サービスも2012年4月に導入する。このほか(学内ネットワークとのシームレス連携は別にして)WiMAXが使える「WiMAX対応大学マップ」なども公開する

 また、このサービス基盤を応用し、同システムを利用する他大学・教育機関も2012年春以降、順次対応できるという。外でも、家でも、キャンパスでも──WiMAX+学内ネットワークとの連携は、「はじめてのデータ通信サービス」として今後の学生層・若年層ユーザーに意外と響くポイントになりそうだ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー