先日なにげにつぶやいたtweetがbuzzってしまい自分でもびっくりしました。
今住んでるマンションの近くは補修ラッシュで騒音がひどく...窓を空けてるとなかなかすごい音が聞こえてきます。
そんな中ちょっと空気の入れ換えを...と窓を開けたところで聞こえた言葉をtweetしたらあれよあれよと拡散してしまったという。
それが以下一連のtweetとなっております。
うーむ。窓を開けてたら外の工事現場の声が丸聞こえで
-- みやび(Amazonの悪魔) (@hmiyabi) 2018年5月23日
「たなかーーーたなかーーー気をつけろよーーーー」
「たなかーーーーした見ろ!した!」
「たなかーーあんぜんたいーーーあんぜんたいつけろーーーーー」
「おーい誰かたなかの確認やってくれー」
「たなかーだいじょうぶかたなかー」
田中さん...
別に何も叱ってる声じゃなくて心底心配してる声なんだよなこれが全部。
-- みやび(Amazonの悪魔) (@hmiyabi) 2018年5月23日
もしかしたらいい現場と会社なのかもしれない。
どうも田中さん新人っぽい(声はおっさんっぽいのだが)。
安全確認ちゃんとしろー?とかよーしそれ終わったらいっぷくいれろーとかペース掴めないっぽいところのサポートが...
あと雑談がおもしろくて
-- みやび(Amazonの悪魔) (@hmiyabi) 2018年5月23日
「たなかー飯はちゃんと肉入れてきたかー?」
「ばっかコンビニ弁当かよー作ってきた方がいいぞー安いしガッツつくしー」
「塩っけとってるかー?あぶねーぞー」
とか複数の人から声がかかるのがもうね。
夏の現場に備えて教えてるんだろうな。
なんかなごむ。
田中さん...
そして「雨の前までこれだけやっとけば後でどーにでもなるからここだけふんばるぞー」とか声がかかって棒芯の人の頼れる風情がすごい。毎日だいたい「今日はここまではやろう」とか「天気が崩れる前にここまでやれば後はなんとかなるから」とか「よし!じゃあもうちょっとやれば明日楽だな!」とか
-- みやび(Amazonの悪魔) (@hmiyabi) 2018年5月23日
なんというかスケジュール管理が絶妙にうまい感じ。
-- みやび(Amazonの悪魔) (@hmiyabi) 2018年5月23日
いつまでに何をどれだけやればいいとかマイルストーンもちゃんと置いてるっぽい。しかもそれを周知してるのが朝礼でわかるし。
難点は...
みんな声がでかい上に外だから内容がうちのマンション中に響き渡ってることだろうか。
みんな聞こえているw
まぁこんな感じの流れです。
たくさんのリプをいただきまして返せる限りはリプに反応させていただきました。
なんてことのない日常のヒトコマですが、さすがに情報量の少ないTwitterですからいろいろとみんな想像していただいたみたいです。
田中さんがたくさんいるのでは!とか。実際反応してたの一人だけですからたぶん一人だと思います(^^;
半月ぐらい前から名前が聞こえていたので厳しい現場で半月もっているだけでもかなり頑張ってるんだなあとは思います。
またどんだけ大声だよ!って意見も。これは最初に書いた通りすごい騒音状態ですからみんな叫ぶように話さないとまず意思の疎通など無理。
ましてマンションの壁などに反響するのでそれ全部ダダ漏れになる訳です。
ただ朝礼時は工事の音がない上に声のボリュームが工事中とそう変わらないのかこれもまたダダ漏れです。
ほっこりしてくださった方が多かったみたいで私も聞いた時は「がんばってくれ田中さん...」とか思ってましたが...
さすがにこの騒音だと早く工事おわらないかなーーーーと。近隣3カ所以上のマンションの外壁工事と駐車場の工事と新築(これはマンションかわからない)工事現場が重なるとかなりすごいことになります。
悪いことに私は今病気療養を理由に在宅で仕事したり作業したりの人ですのでこれをダイレクトに食らいます(^^;
まぁでも23日以降は窓を開けててもあんまり気にならなくなったかもしれません。騒音はありますが声には以前ほど不快な感じはないなぁと。
そもそも工事現場では声かけは非常に重要ですし事故が下手に起こるよりも近隣から苦情を受けるぐらいの方がいいのかもしれないなぁとも思います。
つぶやいた田中さんは...愛されてるのかわりとみんなに声かけられています。半月ぐらい前から聞く名前ですし。
空前の人手不足。中途採用のおっさん(声はおっさんっぽいですが見たことないので若手だったら田中さんすいません)といえど大切にしないとすぐに辞めてしまうでしょう。
でも続いてるみたいですし他の作業員の方もめっちゃ気を使ってるのが聞こえて来ます。確かに愛されているのかも(笑)
まして安全帯がーとか声が聞こえる時点で高所作業。
この季節は暑いからとか慣れてるからとかでベテランですら安全面をおろそかにしがちです。
そんな中で棒芯の人が毎日毎日安全面についてきちんと管理して声かけをしている。それだけでも素晴らしい現場だと私も思います。
確かにうるさいんですが、上記の会話を聞いてからはなんかいいな...と気にしないことにしました。
他の現場では怒鳴り声やなじる声もちらほら混じります。
「こんなことも出来ないのか!」
「言われないとわからないのか!」
そんな中でこの田中さんの現場だけはほぼ怒鳴り声がありません。笑い声が混じる明るい現場です。
それは朝礼からでもわかります。
半月ちょっと前ぐらい(4月下旬~5月上旬)からこの現場に入ってきた人達でおそらくは下請けの工務店とお見受けしています。
ここの人達の空気を作っているのは棒芯の方。今時の言い方では職長さんでしょうか。
ともかく個々に気を配ってタイミングごとに声をかける。
朝の伝達はしっかりと「個々に」「すべきことを」説明している。
ちょうど洗濯物を干す時間が朝礼の時間ですので朝礼だけはかなり初期から聞こえていました。
前職がPMO、その前がプロジェクトマネージャーだったものですからすごく感心してその方の声を聞いていました。
流れがだいたい決まっていて
・挨拶(おはようございます)
・昨日の注意事項&伝達事項
(見ててあぶなかったところや気をつけないと危ないかなと思ったところ。ここでは個人名は出さない)
・今日の作業内容
(ここでは全体の説明の後個人個人のパートについて全体に周知)
・作業の優先順位の確認
(誰の作業が優先か。どの作業の後にすべき作業かなど)
・昨日頑張った人について褒める
・本日の天気について
(雨が不安だが日程上まだ余裕がある。焦らずしっかり行こうとか)
・装備点検
(この後は安全確認をペアでやること。あぶれたら俺のところで3人でやるぞー!)
・改めて挨拶(本日もよろしくお願いします)
本日改めて確認出来たのでだいたいこの流れだと思います。
はっきり言ってそこらのITの現場の下流PMやPMLは彼の爪の垢を煎じて1トンぐらい飲んだ方がいいのではないか。
そのぐらい尊敬出来る態度だと思うし尊敬出来るやり方です。
まずけなす事が無い。ほめるところはしっかりほめています。
注意する時は個人を注意せず全体に注意する。ほめる時は個人とチーム、あるいは全体。
個人個人の作業を把握しスケジュールと工程を完全に掌握してそれぞれに毎日の作業を割り振ってスタートする。
(この方々は夕方にも一度集まるんですが、そこで進捗の確認を必ずしています)
作業にマイルストーンをきちんと置いていて、何日までにどれだけの作業があるのか作業員にきちんと伝えています。
その上で天候による作業の遅延などは「責任者」であるこの方が判断して責任を持って「指示」する。
つまり責任の場所を明確にしている。
ちなみに聞いたパターンでは
「勝手なことしなくていいぞー。手柄はお前ら責任は俺に押しつけてとっとと終わらせて帰る。今日もこれなー!」
というのがありました。意図してやってるのが明確だと思います。
その上で作業員の体調やペースも見ているみたいで、
「おーい!XXX!今日はそんな焦んなくていいから!明日誰か手伝わせっから!今日は暑いし少しゆっくりやろう!」
とか声をかけています。
tweetした通り非常に細やかでマメです。
「いいかーさぼるだけなら注意で済むかもだけど注意さぼって事故ったら一生だめになるぞー。もっと簡単にいうと明日から仕事なくなるぞー。暑くなるから余計気を緩めるなー」
なんてのもありました。
欠点を上げるとしたら朝礼からボリューム全開なので(工事中とそう変わらない)かなり響く(笑)
ラジオ体操もこの棒芯の方が声がけだと非常に響きます。
だから気になってはいたんですが、田中さんの一件でますます「ああいいなぁ」と思ったという。
一連のtweetはそういう背景の元で「だ、大丈夫か田中さん...」と思いながらオロオロ聞いていたものです。
最初はリーダーの資質について気になっていた現場で、たまたま窓を開けた時に聞こえてきた一連の会話。
先日の昼休憩で聞こえてきた仲間達の会話(そこでも世話をやかれていたのは田中さんでした)。
なんとなく日記代わりにつぶやいたものがbuzzってしまいびっくりしました。
私だけでなく読んだ人もほっこりした方が多かったようです。
なかなかアットホームな現場ですがあるところにはあるものです。
私も若い頃その手の仕事をしていましたが(だから職長と書かずつい棒芯と書いてしまう)暖かな現場は確かにありました。
最近は減っていますがまだまだ小さな現場だと仕切ってるのが社長だったり兄貴分(いい意味での兄貴分)だったりしますのでそういう現場はわりと暖かいです。
怒鳴って言うことを聞かせたところで作業は実際には進みません。
私がいたITの現場でもそうでした。怒鳴ろうが誰かを呼び出そうが何も進みません。偉い人の溜飲が少し下がるだけで何の解決にもなりません。
ものを知らないクライアントと成績に終われる営業がひずみをさらに大きくして何人もの人の心と体をむしばんでいきました。
私もついに昨年ぶったおれましたし...なかなかうまく行かないものです。
そんな中で一服の清涼剤のように。
切り取られた日常のヒトコマ。
もしかしたら私達が思っているよりも暖かい現場ではないかもしれないし...実際はもっともっと厳しい場所だとは思うのですが。
それでも。
なんかいいな...と思った日々。
こうした日々を大切にしていれば...多少の騒音は我慢出来るかな...と思います。
古いマンションの補修が本格化してるのでさらに工事現場増えるでしょうが。
うるさいなどと言わずなるべく窓を開けて空気を入れ換えながら。
今後もぼんやりと外の声や音に耳を傾けてみようかな。
そう思っています。