疑問を抱く「武雄市民」もいる。

Twitter武雄市図書館の件を追っていると、地元の方のツイートをときどき目にする。
新しい図書館が気に入ってる方もいれば、あまり好意的でない方、批判的な方とさまざま。
これはその人の好みによるものだから、どちらが正しいとか間違いとかいうことはないだろうし、好き・嫌い・楽しいといった意思表明は自由にできていい。
そういう意味で、単純に好意的なツイートをした方に対して、いきなり過剰なツッコミを入れるのもまた失礼なことと考えている。
「図書館」に対する認識の違い、誤解が広まるという危惧からだろうが、いきなり攻撃(当人にとっては)された人にしてみれば、「こっちの勝手だろ、ほっとけよ」となってしまいそうだ。

Twitterでは、批判的なツイートをしていた武雄在住らしき方のアカウントが鍵つきになるというケースを幾度か見かけた。
また、過去には、図書館構想に批判的な意見を書いた地元の方のブログが削除されるという事案もあった。2012年6月のことだ。
佐賀新聞社【ばってんがサイト】に掲載されたブログに武雄市長から抗議があり、内容が修正されたこともある。これは2012年12月。

鍵アカやブログ削除の真相は、傍からはわからない。
どこかからの抗議によるものか、本人の意志で公開を止めたのか。
どちらにしろ、「非公開・削除」の事実が残る。


武雄には、「武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会」もある。
http://takeolib.sblo.jp/

学習会を繰り返し開かれ、公開質問状の提出などでも新聞等に取り上げられている。
会の活動、武雄市側の反応等を、新聞記事を中心に拾ってみた。


● 2012年6月12日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【図書館委託で市民勉強会 サービス向上など意見交換】

勉強会には図書館ボランティアや郷土史研究をする市民ら約50人が参加。
「どんな図書館を望むか市民が示す必要がある」などの意見が出た。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2222747.article.html

● 7月5日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【市民有志の会が公開質問状 武雄市図書館委託計画】

第1回の学習会を開き、市議全員に公開質問状を発送した。
計画に反対する会ではなく、図書館の在り方を学びながら市に提案していくという。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2239359.article.html

togetter:武雄市図書館歴史資料館を学習する市民の会 動画書き起こし @fmht7さんより
http://togetter.com/li/337462

● 7月14日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【市議への質問状、回答を公表 武雄市図書館委託計画】

指定管理者に委託する条例改正に賛成した議員の多くが文書でのやりとりに応じず、
回答したのは26人中11人。委託への賛否が分かれた。
万一、指定管理者が撤退した場合の責任については…(中略)
「市議会は農協のような理事会制度ではないので、議決に対する責任問題はない」との回答もあった
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2247193.article.html

市民の会ブログ 【7/13学習会資料:公開質問状の回答(1)】 ※ 回答のpdfあり
http://takeolib.sblo.jp/article/57075262.html

● 9月8日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【市民の会、武雄市図書館の独自案と5項目の質問状提出

市民の会の独自案は山内、北方の両支所に分館を設置し、3館のネットワークで運営。
カフェは3館に造るが、大規模な改修、休館はせず、3館合わせて費用は6千万円で済むとしている。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2281286.article.html

市民の会ブログ 【武雄市議会への公開質問状(9月議会)】
http://takeolib.sblo.jp/article/59297423.html

● 9月10日

武雄市議会9月定例会・山口議員の一般質問

公開質問状を出した市民の会の代表を、市長と議員が名指しで非難。P28〜31
以下、市長発言。Ustreamより書き起こし、抜粋。

 「僕市民の会て知らんですもんね。もう名前もどうかと思いますよ、この市民の会というのは。」
 「もし私が、議長ないしは事務局だったら絶対に受けません。そりゃ、受ける訳がないじゃないですか。
  こんなどこがどうしてるかわかんないようなところをね、全部受けねばならないでしょうですもんね。」
 「これだまし討ち、うーん、私はね、憤りを感じておりますよ。」
 「あのね、人の品格を言う人にろくな人はいません。(略)
  人の品格をとやかく言うっていう人に、私はろくな人はいないと思っています。」

http://www.city.takeo.lg.jp/shisei/shigikai/201209/20120910_3.pdf

● 10月11日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【新武雄市図書館に疑問 教育長に公開質問状】

新図書館について行政が市民への十分な説明責任を果たしていないとして、
これまで学習会を重ねて出てきた疑問点について質問している。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2307884.article.html

● 10月23日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【図書館問題で学習会 武雄市の「市民の会」】

愛知県の図書館学研究者や福岡県の図書館職員ら4人がパネル討議し、
図書館が持つさまざまな機能の重要性を強調。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2314369.article.html

● 10月24日

Cable One News 【武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会 ワークショップ「みんなで考えよう!私の、私たちの図書館」】
http://www.cableone.ne.jp/2ch/wvx/waku.wvx

● 12月26日〜28日

26日、佐賀新聞社【ばってんがサイト】に市民の会代表による「知的基盤を奪われる武雄市民」が掲載。
27日、ブログの内容について武雄市の樋渡市長から佐賀新聞社に抗議、当該記事が非表示となる。
http://talkbar.saga-s.co.jp/archives/67768856.html
28日、一部修正のうえ、ブログが再掲される。
http://talkbar.saga-s.co.jp/archives/67769351.html

市民の会ブログ 【知的基盤を奪われた武雄市民修正文の説明(原文と修正文)】
http://takeolib.sblo.jp/article/61811865.html

● 2013年2月26日

武雄市長物語 【どうなると? みんなの図書館・歴史資料館】

今回の図書館構想、あるいは樋渡市政に反対されている皆さんは、自分たちの住むまちを、
昨日よりも、今日、今日より明日と良くしたいという思いは、僕らと共有されていると思うんです。
そういう意味では、無関心ではなく、あるいは無視ではなく、行動を起こされていることに関して、心から敬意を表します。
http://hiwa1118.exblog.jp/17896215/

● 3月2日

武雄市長物語 【3月9日の図書館見学に関して(お詫び)】

以前、blogであげていた武雄市図書館に対して主に反対されている皆さんの集会に関して、
「ぜひ、館内を!」と思って、調整を進めていたのですが、所管の教育委員会から「待った!」がかかりました。
http://hiwa1118.exblog.jp/17917473/

● 3月9日

樋渡市長のツイート
「今日のは政治集会だったようですね。40人集まって、大半は共産党と反樋渡の人たち。(略)」
https://twitter.com/hiwa1118/status/310366437703303168

● 3月10日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【武雄市図書館 委託反対で市民が集会】

委託に反対する市民ら約50人が参加、Tポイントカードの導入で、
貸し出し履歴など個人情報流出への懸念の声が上がり、図書館問題の学習継続を確認した。
(中略)日本図書館協会関係者や情報セキュリティー研究者らを交えて討議した。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2416550.article.html

● 3月11日

Cable One News 【どうなると? みんなの図書館・歴史資料館】
http://www.cableone.ne.jp/2ch/wvx/minna.wvx

● 3月12日

武雄市議会3月定例会・山口議員の一般質問

市民の会の活動、代表を市長と議員が非難。P136〜140
議員からは、プラカードについて「不法占拠」という発言。
市長からは、「今まで集会に参加された議員さんとか、プラカードを持った皆さんたちというのは、
やっぱり今後ちょっと心根を入れ替えてもらって」という発言あり。
http://www.city.takeo.lg.jp/shisei/shigikai/201303/20130313.pdf

ツイートも議会のやり取りも、「行動を起こされていることに関して、心から敬意を表し」(http://hiwa1118.exblog.jp/17896215/)ているようには見えない。

● 6月17日

図書館問題研究会 第60回全国大会in指宿

市民の会ブログ 【図書館問題研究会第60回全国大会に参加しました】
http://takeolib.sblo.jp/article/69901690.html

● 6月25日

朝日新聞DIGITAL 【ツタヤ図書館、こぼれ落ちるものは 鹿児島・指宿で議論】
http://www.asahi.com/culture/update/0625/SEB201306240074.html

● 8月15日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【市民の会が学習会 武雄市図書館を評価検証】

市民の会は「市教委所管の施設が商業的に変えられようとしている。
すべて経済の論理であり、それでいいのか考えたい」と問題提起した。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2533513.article.html

● 8月19日

Cable One News 【武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会  1年振り返り・市民学習会】
http://www.cableone.ne.jp/2ch/wvx/201308191.wvx

● 10月15日

Cable One News 【武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会  公開質問状提出】
http://www.cableone.ne.jp/2ch/wvx/201310151.wvx

● 10月16日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【武雄市図書館 市民の会が公開質問状】

質問は大きく分けて利用者の安全や公共図書館としての機能、
蘭学館のDVD・CDコーナー化など5項目。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2565384.article.html

市民の会ブログ 【武雄市教育委員会に『公開質問状』を提出しました】
http://takeolib.sblo.jp/article/78198515.html

● 10月22日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【武雄市図書館 市教委が公開質問状に回答】

市民の会は、書架が2階にできたことで身障者など災害時の避難が困難になったと指摘。
市教委は「これまで見られなかった蔵書を見ることができる利点を理解してほしい」と回答した。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2569349.article.html

市民の会ブログ 【公開質問状に対する回答】
http://takeolib.sblo.jp/article/78859719.html

● 10月23日

武雄市役所 【武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会からの公開質問状に対する回答の差替について】
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.744854598873947.1073741912.194839810542098&type=1

● 10月30日

佐賀新聞(佐賀のニュース) 【「図書館に避難ルートを」市教委回答に意見書】

市民の会は意見書で、「非常災害時に人的対応のみに頼るのは危険」とし、
「分かりやすい避難ルートを設定し、自分で身を守ることができる施設整備を」と注文した。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2573337.article.html

市民の会ブログ 【公開質問状に対する意見書を市教委に提出しました】
http://takeolib.sblo.jp/article/79410564.html

● 11月3日

講座「武雄市図書館の現状と課題」
 会場:武雄温泉ハイツ
 主催:佐賀県高等学校教職員組合

● 11月11日

講座「武雄市と大阪の文化を支える図書館」
 会場:大阪市中央公会堂 大会議室
 主催:明日の中之島図書館を考える会

● 12月7日

講座「未来をつくろう図書館で!part5」
 会場:平塚市美術館1階ミュージアムホール
 主催:神奈川の図書館を考える集い2013参加団体催

● 12月8日

講座「映像で語る武雄市図書館のホントのこと」
 会場:あざれあ第3会議室
 主催:静岡図書館友の会



会の設立趣意書には、以下のように書かれている。
「この会は「学習する会」で、政治的な目的で立ち上げるものではありません。
市民各位の自由な参加・自由な学習を、最大限担保してまいりたいと思います。」
http://takeolibraryandhistricalmuseum.blogspot.jp/

しかし、市長や議員の反応を見ると、「賛同」でない意見表明をした場合、
議会で名指しで非難されたり妙なレッテルを貼られるなど、リスクが伴うように思われる。
これじゃ市民も声あげにくいだろーよ、と思うんだが、どうだろう?