やる気がない時にやる気を起こすことほど難しいことはありません。特に、実際にやるかどうかも分からない仕事の企画を立てたり、恐ろしくつまらない仕事を終わらせなければならない時などは、どうやってもモチベーションが上がらないもの。しかし、脳にちょっとでもご褒美を想像させられれば、仕事のやる気が変わってくるそうですよ。

 人間の前頭葉は、未来のことを考えたり想像することを司っているので、基本的には心配事の種となるものを、繰り返し思い起こさせます。しかし、脳の面白いのは、それ以外の脳のほとんどの部分には、そのような心配をよそに、ご褒美を与えるられるところです。

心理学系ジャーナル「Psychology Today」で、David D. Nowell博士が脳のご褒美システムを十分に理解することで、それを上手く利用できると書いています。楽しい未来を夢見ると幸せな気分になり、ドーパミンが軽く刺激されるので、心配事や不安なことでも、楽しい気分へ変えられるそうです。Nowell博士は、計画を立てる時は最終的なゴールを決めるだけでなく、どのような気持ちになるかも想像するように勧めています。

ドーパミン

行動を引き起こす神経伝達物質で、人それぞれ違った身体的な感覚と密接に関わっている。誰かにとってやる気が出たり、褒美と感じるものが、他の人と同じとは限らない。大事なことは、どのように感じていたいか? 自分の最終的なゴールを知ること。真っ赤な車は、人によっては赤い鉄の塊くらいにしか思えないかもしれないが、別の人にとっては、それでドライブしたい、そうしたらどんなに気持ち良いだろう! などと感じられるものなのだ。

どのような気持ちになるかということは、実際に仕事で企画を立てる時には抜け落ちがちです。しかし、仕事をする時のモチベーションと、自分がどのような気持ちになるかの関連性は知っておいた方がいいでしょう。

やっても意味がない...と思うような仕事をする時には、ちょっとでも自分がワクワクするようなことを想像すれば、結果は驚くほど違ったものになるはずです。

Photo by Joe Goldberg.

Understanding - and Maximizing - Your Brain's Reward and Planning System [Psychology Today]

Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)