「思い出のマーニー」とは打って変わった明るい展開。 | ガンバボーイ2号のGuerrilla Radio

「思い出のマーニー」とは打って変わった明るい展開。

日曜日、「メアリと魔法の花」を見てきた。

スタジオジブリの下で「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」を手掛け、

ポスト宮崎駿最有力といわれた米林宏昌監督が、スタジオジブリの制作部門解体後、

西村義明プロデューサーと共にスタジオポノックを立ち上げて作られた一本。

胸を締め付けられた「思い出のマーニー」とは打って変わった、

1人の普通の少女の明るい冒険活劇やったね。

 

親の仕事の都合で、親より先にアメリカの田舎町の大叔母の家に引っ越してきたメアリ(CV:杉咲花)は、

家の近くの森で、不思議な花”夜間飛行”を見つけた。

この花は、魔女の国から盗み出された禁断の花で、実を潰せば一夜限りで魔法の力を持つように。

この”夜間飛行”が、思わぬ事態を招くことに。

 

何というかな、「借りぐらしのアリエッティ」と「思い出のマーニー」のいいところを抽出し、

その上、「魔女の宅急便」と「天空の城ラピュタ」のエッセンスを加えた結果、

暗くなく、明るい展開で、クライマックスまで飽きさせなかった。

後半では、”夜間飛行”を取った魔女が・・・!の衝撃が。

また、ハンマー・ダルシマーの音楽と、でほぎゃらりーによる緻密な背景描写も秀逸。

 

この作品は、ジブリ特需に甘えすぎて、宮崎駿&高畑勲の後継者育成を怠ってしまった、

日本テレビと東宝が打ち出した”脱ジブリ”の方向性を現しており、

ジブリ作品の参画に消極的だった日テレ系の系列局数社だけでなく、

KADOKAWA、庵野秀明監督の個人事務所であるカラーの出資も取り付けることに成功。

スタジオジブリ時代は恵まれ過ぎてた米林監督にとって、

武蔵野市のビルの1フロアを借りたスタジオポノックで生みだした「メアリと魔法の花」は、

四面楚歌の状況ゆえ、世界観作りが、いかにも手探りで、

産みの苦しみを相当味わったんでしょうね。

 

これで日本テレビと東宝は、

「バケモノの子」を生みだした細田守監督のスタジオ、スタジオ地図と、

スタジオポノックという、2本の矛を手に入れた。

ネームバリューの強いスタジオジブリには手が届かないが、

スタジオジブリのやらかし、しくじりを繰り返さないようにしたいものだ。



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