“新世代ThinkPad”の象徴的存在に新たな展開

ThinkPad X1 Hybrid。CPUにはインテルCore プロセッサー・ファミリーのほか、Qualcomm 1.2GHz Dual Coreを搭載している

近年のレノボは、これまでの伝統的なブランドイメージにとらわれない、新しいタイプのThinkPadを次々と投入している。その象徴ともいえるのが、昨年に登場した13.3型ワイド液晶のモバイルノート「ThinkPad X1」だ。エッジを利かせて薄さを際立たせたデザインといい、一枚板の強化ガラスで覆われた光沢液晶といい、従来のThinkPad像とはおよそかけ離れた変貌ぶりで年来のファンをあっと言わしめた。

その「ThinkPad X1」に、またも斬新なアイデアが付け加えられた。今回取り上げる「ThinkPad X1 Hybrid」は、WindowsとLunuxベースの2つのOSを備え、ユーザーが利用シーンや用途に応じて使い分けられるようにしたことが最大の特徴だ。Windowsだけでも十分に快適かつ実用的と思える「ThinkPad X1」だけに、OSのハイブリッド化というのはかなり意表を突く新展開だが、それによってどのようなメリットを得られるのかには興味津々である。


筐体はX1と同じで、Windows側の基本仕様も共通

まず「ThinkPad X1 Hybrid」の外観から見ていくと、ボディのデザインや外形寸法は「ThinkPad X1」とまったく同じもので、端子類のレイアウトも変わらない。コーニング社のゴリラガラスを採用した液晶パネルや、6段配列でアイソレーションタイプのキーボードなど、「ThinkPad X1」から採用された要素もそのまま引き継がれている。唯一違うのは、液晶ヒンジの横にある「X1」の表記が「X1 Hybrid」に変わったことだが、それ以外は何もかも同じなので、一見しただけでは「ThinkPad X1 Hybrid」と「ThinkPad X1」の見分けがつかない。

キーボードはThinkPad X1と同じ6段配列。アイソレーションタイプの割にはキーストロークが深めで、キーボード面がたわむこともなく、しっかりとした打鍵感が得られる。「X1 Hybrid」と刻印されているのが、外見上の唯一の違いだ

右側面(写真上)にメモリーカードスロットと無線LANのオン/オフスイッチ。左側面には、カバーの中にUSB2.0とヘッドセット端子がある

背面のUSB端子はUSB3.0対応で、ほかにeSATA(USB2.0兼用)も装備。外部ディスプレイ出力は、HDMIとミニDisplayPortの2系統

また、2種類のOSのうち、おもにWindows側で使われるハードウェアの仕様も「ThinkPad X1」と共通だ。今回の試用機の構成は、CPUがCore i5-2520M、メモリ4GB、ストレージには128GBのSSDが搭載されており、実際の使用感もすこぶる快適だ。特にSSDの読み書きの速さが効いており、Windows 7の起動時間(電源ボタンを押してからデスクトップ画面が表示されるまで)が25秒、シャットダウンも6秒とかなり短く、起動や終了に際してストレスを感じさせない。

さらに、1000サイクル以上の充放電にも耐えられる長寿命バッテリーを内蔵し、充電開始からわずか30分で全容量の80%を急速充電できる「Rapid Charge」機能を備えていることも「ThinkPad X1」と同じだ。