【6月23日 AFP】英国の情報機関が、光ファイバーケーブルを流れる世界中の通話やインターネットの通信内容を傍受して膨大な量のデータを収集していることが、米国でスパイ行為などの罪で刑事訴追されたエドワード・スノーデン(Edward Snowden)氏(30)が暴露した文書から明らかになった。22日の英紙ガーディアン(Guardian)が報じた。

 ガーディアンが報じたところによると、英政府通信本部(Government Communications HeadquartersGCHQ)は交流サイトのフェイスブック(Facebook)上の書き込み、電子メール、インターネット履歴、通話記録などといった膨大な量の個人情報の処理を行っており、パートナーである米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)と情報を共有しているという。

 これに対しGCHQは、法律は「きちんと」遵守していると述べ、それ以上のコメントを避けた。

 5月に香港(Hong Kong)へ渡り、米情報機関の監視プログラムについての情報を複数の国際メディアに暴露しているスノーデン氏は、同紙に対し「米国だけの問題ではない。彼ら(GCHQ)は米国よりひどい」と語った。

 ガーディアンによると、GCHQは「Tempora」というコードネームの活動の下、傍受したデータを30日間保存できるという。「Tempora」はすでに18か月間ほど運用されており、その間GCHQとNSAはなんの罪もない人々の膨大な量の通信内容にアクセスできたという。
 
 その一方、このようにして収集されたデータは、英国人テロリストの逮捕・投獄、別のテロを企てた人物らの逮捕、ロンドン(London)を拠点に活動し、2012年のロンドン五輪を狙った攻撃を計画していた3人の人物の逮捕などにつながったとしている。(c)AFP/Roland JACKSON