桜宮高校体罰訴訟

「体罰あったと認識、控訴せず」と大阪市長、遺族に「筆舌に尽くしがたくお悔やみ」

控訴断念の意向を表明した吉村洋文・大阪市長
控訴断念の意向を表明した吉村洋文・大阪市長

 大阪市立桜宮高バスケットボール部の主将が顧問の元教諭に体罰を受け自殺した事件で、体罰と自殺との因果関係を認定して市に遺族への約7500万円の賠償を命じた東京地裁判決を受け、吉村洋文市長は24日、記者団に「司法判断を尊重して私も因果関係があったと認識し、控訴はしない」と明らかにした。賠償金については今後、元教諭に負担を求めることになるとの考えを示した。

 市は裁判では因果関係を認めない主張をしていた。吉村市長は「税金が関係するので司法判断を求めること自体は間違いではなかった」とした上で、「司法判断を受け、控訴審での争いに力を割くよりは同じような事件、体罰を二度と起こさないことに力を割くべきだと判断した。市は元教諭の使用者責任がある」と語った。

 自殺した生徒と遺族に対しては「気持ちを考えると本当に筆舌に尽くしがたいと思いますし、心からお悔やみを申し上げたい」と述べた。そして「学校は子供にとって最も安全な場所でなければならず、市教委にも徹底的に各学校に指導してもらわないといけない。体罰やいじめを二度と起こさないようしっかりと取り組む」とした。

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