私にも意見を求める人が複数いらっしゃったので。
@dankogai 赤松健先生のやっているJコミみたいなのはビジネスモデルとしてどうなんでしょうか? http://www.j-comi.jp/
結論から言うと、すでに成功している。
はじめに申し上げておくと、私は赤松ファンではないどころか、久米田ファンである。「ラブひな」いいから「かってに改蔵」を読めるように汁(って全巻持ってるけど)。しかし、そんな私の目から見ても、今回のJコミはすでに成功を納めているとするしかない。
- (1) はじめに - (株)Jコミの中の人
- (2) 今ある「電子マンガ」の問題点 - (株)Jコミの中の人
- (3) 「広告入り漫画ファイル」の仕様 - (株)Jコミの中の人
- (4) 絶版マンガが70万円に?! - (株)Jコミの中の人
- (5) 単行本にならなかったマンガを救え!(出口先生登場) - (株)Jコミの中の人
- (6) 無料化「ラブひな」で、どのくらいの効果か調べよう! - (株)Jコミの中の人
理由は、三つ。
1. 原作はすでに成功している
「Jコミ」はとにかく、「ラブひな」はすでに成功している。何をもって「成功」とするかはいくらでも基準はあるけれど、投資を回収し終え、すでに充分以上の収益を上げたという意味で成功しているのは中の人すら異論の出しようがないはずだ。Jコミが失敗したところで、失われるものは何もない。著者はもちろん、出版社すらすでに絶版した作品ゆえこれ以上失いようがない。強いて言えば、古本を自ら読むためではなく転売するために在庫している人たちぐらいだろうか。
2. 一番の目的をすでにクリアーしている
Jコミの一番の目的はなんだろうか?
自ら描いた作品を、いつでもいつまでも、描いた本人が納得する形で読者が入手できる状態にするということではないのか?
(1) はじめに - (株)Jコミの中の人私は、桜多吾作先生に、「こんな面白いマンガを描いて下さって、ありがとうございます!」
という感謝の気持ちを伝えたいのですが・・・・オークションやブックオフやWinnyで揃えるっていうのは、感謝の気持ちになるんですかね?
・・・これで良いんでしょうか?
収益がどうのとかいった問題は、それに比べれば二の次だ。もちろんサイトを持続させる程度の収益があるに超したことはないが、サイトを持続させる費用というのはかつてないほど下がっている。これを書いている時点に置けるダウンロード数は120万とのことだが、仮にこれらの全てが高解像度版(約60MB/DL)だとして、www.j-comi.jp
が実際に使っているAmazon AWSでも72,000GB * $0.19/GB = $13,680、昨今隆盛著しい国内VPSを使えばさらに安くなる。
3. 自らの手で出来ることを証明している。
そもそも、これは本来「中の人」ではなく「作者と読者の仲人」たる出版社がやるべき仕事ではなかったのか?「絶版した本を在庫リスクゼロで入手可能にする」ことは技術的にはすでに何年も前から可能になっていたのに、出版社は見事に何もしてこなかった。そうこうしているうちに、金銭的コストのみならず技術的コストも個人の手の届くところまで落ちた結果、作者はもう出版社を必要としなくなってしまった。
Jコミに他の作家たちが合流するか、それとも別のサイトを作るかは正直わからない。
しかしたとえ誰も合流しなくても、自ら動いても出来ることはJコミの前にも漫画 on Webの佐藤秀峰が証明している。
確かに現状はつっこみどころ満載だ。失礼ながらまずもって中の人がアホ丸だし。
ち、ちょっと!45万ダウンロード超えてるのに、ラブひな巻末の「アマゾン・アフィリエイト」購入者数がゼロってどういうわけ?!(笑) これじゃテストにならないので、誰か一人で良いから買ってぇ~!(><) #lovehina01 #jcomi
結局、私はデマを流してしまったことになりますね(><)。それにしても、事前の勉強が足りなすぎ。猛省中です。http://bit.ly/34kJAR #lovehina01 #jcomi
しかし、自らのアホを丸出しにするというのは、現代における成功の定石なのである。これほど経験値を短期間に上昇させる方法は他にない。
弾言しておこう。あと半年もすれば、似たようなことをやりたい人々が「赤松先生の成功の秘訣」をたずねにわんさか押し寄せるから。いや、すでにそうなっているかも。
Jコミと漫画 on Webのインパクト。それは「絶版作品を読みたい」という要望に答えるのに、出版社は不要であることを証明してしまったことではないのか。
結局のところ、中間業者というのはよくて必要悪なのである。
必要がなければただの悪。
猛省が必要なのは、ただの悪に成り下がったことを証明された出版社ではないか。
というわけですでに成功したJコミにおかれては、
(1) はじめに - (株)Jコミの中の人・・・これがですね、トップガンのようにカッコよくて、デビルマンのように残酷で、戦国自衛隊のように画期的で、とにかく面白いのですよ!!
という「マッハSOS」を読めるようにしていただきたく。
Dan the Writer/Reader
追記:AWSのトラフィックチャージ、もっと安いかも。
@dankogai Jコミ記事、面白い読み物をありがとうございます。コンテンツ配信はAmazon CloudFrontで$3583.62(≒30万円)かもしれません。(10000*0.201+40000*0.148+22000*0.127)http://bit.ly/hcHDOi
二の次の問題としても、最初の質問の方はビジネスとして聞きたいのだと私は感じましたが。