本当にiPadの対抗馬になれるのか? いよいよ発売の「GALAXY Tab」を使い倒して超辛口レビューで斬ってみたよ!(動画あり)

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    本当にiPadの対抗馬になれるのか? いよいよ発売の「GALAXY Tab」を使い倒して超辛口レビューで斬ってみたよ!(動画あり)

    ついにここまで来たようでもあり、まだここまでしか来ていないようでもある...

    2010年は「iPad」がタブレットの新たな世界を切り開いた記念すべき節目の年となり、早くもそれを追う魅惑の新製品も続々と出そろってきていますけど、中でもiPadの最有力な対抗馬としても評判が高い韓国サムスン製の「GALAXY Tab」の注目度は非常に大きいですよね! 日本でもNTTドコモから発売されるとあって、これはついに日本国内でもAndroidタブレットが勢いよく花開く時が来たかって期待も沸き起こってきているようですが、そもそもこのGALAXY Tabの実力ってどれほどのものなんでしょうか?

    ではでは、またもや米GIZMODO編集チームの超辛口な批評も満載で、できるだけユーザー目線の視点からGALAXY Tabを徹底的に使い倒してみましたレビューをお届けすることにいたしましょう。いろんな意味で購入前から覚悟もできちゃいますから、これはまずは買う前に読んでおいて損はないかもしれませんよ。包み隠さず長文でまとめてみましたが、どうぞ続きをご覧くださいませ~

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    これまでも世には数々のAndroid OSを搭載したタブレットが登場してきましたけど、もし一言で大胆に評価するならば、このGALAXY Tabは、ようやく使い倒すに値する初の製品が登場したなって感じです。いろいろと不満な点は残るものの、明らかにこれまでのAndroidタブレットとは一線を画する非常に完成度の高い製品ですよ。

    最初にGALAXY Tabの各種スペックからおさらいしておきましょう。

    • ディスプレイ:7インチのスーパーTFT液晶ディスプレイ(最大解像度は1024×600ピクセル)
    • プロセッサー:ARM製「Cortex A8」プロセッサー1GHz
    • メモリー:512MBのRAM
    • ストレージ容量:16GBのフラッシュドライブ&最大32GBのmicro SDカードサポート
    • カメラ解像度:前面(1.2メガピクセル)と背面(3.2メガピクセル)のデュアル仕様
    • サイズ:約19.1cm×約12.1cm×約1.2cm
    • 重量:約382グラム
    • 搭載OS:Android 2.2

    やはりこのスペックを並べてみても最大の魅力は、グンとiPadよりも軽くなった7インチのコンパクトサイズの強みが挙げられるでしょう! すでにアップルは、今後もスティーブ・ジョブズCEO自らが完全に7インチモデルのiPadの開発を否定してしまっている以上、このポータブルサイズのiPadが登場してくる可能性は非常に低いんですけど、いざGALAXY Tabを使ってしまえば、やっぱりタブレットのベストサイズは7インチくらいの軽く女性が片手でも持てるような大きさが一番なんじゃないかなって気持ちにさせられる人も少なくないでしょうね。そう思わざるを得ない、非常にいい感じの仕上がりにGALAXY Tabが完成してきているのはうれしいポイントですよね~

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    ところで、いざガンガンとGALAXY Tabを使っていきますと、なんとも不思議な感覚に襲われちゃいましたよ。あれれれっ、これはタブレットというよりは、どちらかというとAndroidスマートフォンなのだろうかって素朴な疑問が湧き上がってくるんですよね。これまでAndroidケータイを使ってきた人ならば、もうまさにいつもと同じ画面で同じユーザーインターフェース(UI)で使っているように錯覚しちゃいそうですよ。

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    ここで興味深い発見があるとすれば、なんかいろいろなAndroidアプリケーションは、GALAXY Tabくらいの大画面でこそピッタリとくるような使用感を楽しめちゃうところでしょうかね。iPhone向けのアプリをiPadでそのまま表示画面サイズだけ引き伸ばして使っていったとしても、なんとも間延びした洒落てないUIになっちゃうと思うんですけど、Androidアプリは逆にスマートフォンの画面よりもGALAXY Tabの7インチサイズで使ったほうがしっくりとくるような気がしてきましたよ。特にTwitterやFacebook、Angry Birdsなんかは、GALAXY Tabで使った時の快適さは最高ですね。動画再生だって、もうAndroidケータイの小さな画面には戻りたくなくなるでしょう。

    まぁ、もしかするとこれもやっぱり7インチという絶妙のスクリーンサイズが影響しているのかもしれません。もっと大きなiPadのような10インチレベルまでサイズアップしてしまいますと、きっと改めてそのサイズ向けにアプリケーションを書き直したほうがよくなるんでしょうけど、これまでスマートフォンの小さな画面では、ちょっとこれは見づらいよなって感じていたものが、7インチのGALAXY Tabだと最も快適に使える感じですね。もちろん、Weather Channelの天気アプリのように、どう見てもGALAXY Tabでは変に間延びしたようにしか見えないダサくなるアプリだってありますけどね...

    そして、これこそが賛否両論の評価を生みそうなポイントでもあるのではないでしょうか。だって、良い意味でも悪い意味でも、なんとなくGALAXY TabはAndroidスマートフォンのビッグサイズのバージョンという位置づけ以上ではないかもしれないんです。これまでiPadを使いこなしていた身としましては、インターネットの閲覧には、ややこのサイズだと表示される情報量に不満が残り、雑誌や書籍を読み進めるアプリケーションでも、なんとなくもうちょっと広いサイズに表示してもらいたい気になる時があります。当然ながら、こんなのはユーザーによる個人差がありますけど、そんなふうに正直な感想を抱く人だって少なくないだろうなって思いましたよ。

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    まぁ、わりとそのまま電話できるような仕様になっていたりですとか、ちょっとスマートフォンの延長線上のタブレットという位置づけでも間違ってはいないのかもしれませんがね~。GALAXY Tabの強みを挙げるならば、デュアルカメラを駆使しつつ、まるでiPhone 4から可能になった「FaceTime」のビデオ通話みたいな利用法も標準で可能な点でしょうか。ただし、いくらなんでもこれを耳に当てて電話するなんてイケてませんから、GALAXY Tabで通話も使いたい人にはイヤフォンマイクやBluetoothのヘッドセットが必須になってきそうですね。

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    GALAXY Tabの底面には、Androidではお馴染みの「メニュー」「ホーム」「戻る」「検索」の4ボタンが装備されていますよ。スクリーン表示の縦横を本体の向きに合わせて自由自在に切り替える加速度センサーの反応も非常に快適でしたね。サムスンがオリジナルアプリで標準搭載してきたアプリも、おっ、これはなかなかお得でいいよねって感想のものが多々ありました。個人的には音楽再生アプリに太鼓判を押したいですね。

    ただし、もうちょっとせっかくなのでしっかりと作りこんでほしかったなぁと感じる分野も少なくなかったです。特にタイピング入力に関しましては、わりとタブレットを利用していく上では基本にもなるだけに残念に思うことが多かったですね。縦表示で使うポートレートモードではまだよいとしても、不必要にだだっ広くスクリーンを占用してしまう横表示のランドスケープモードでのスクリーンキーボードのデザインはいただけません。これはやはりAndroidスマートフォンと同じではないんですから、タブレット用に良いデザインを新設計して投入してほしかったですよね。

    それから、まぁ、これはAndroid OSの抱える問題なのかもしれませんけど、サムスンが苦肉の策として標準搭載に踏み切ったタスクマネージャー機能の使い勝手が評価の分かれそうなポイントです。メモリーをワンタッチで解放できるようにキルスイッチなるものが用意されているんですけど、イチイチこんなものをユーザーが自分で思い出しては押してやらないと、バックグラウンドで動作するアプリが問題を起こしてしまう仕上がりのタブレットというのはどうかな? そんな感想を、時に使いながら抱いてしまうことがありましたね...

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    GALAXY Tabはタブレットとして買いなのでしょうか? そもそもiPadに代わる対抗馬として、どこまで満足に使えるのでしょうか?

    まずはイチ押しのアピールポイントを挙げるとすれば、7インチのスクリーンサイズで1024×600ピクセルの高解像度というスペックは十分に魅力になるでしょう。手に持った時の印象は本当にいいですよ。これなら大きさや重さを気にせずに長時間でも持ち歩いて使いやすいって好評価が続出しそうです。それでいて、決してチープな薄っぺらい仕上がりなんかじゃなく、ほどよいタブレットとしての重厚感も備わっていますよ。これだけは9.7インチのディスプレイサイズのiPadにはない魅力として間違いないんじゃないでしょうかね!

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    それから、iPhoneやiPadとは絶対的な開きがあるウィークポイントといたしまして、多方面からAndroidタブレットが残念な指摘を受けてきたのは、えっ、期待して買ったのに、もうこんなにも早くバッテリーがなくなっちゃうの? そうビックリさせられる製品ばかりだったことがあります。あの連続10時間というバッテリー性能を搭載してきたiPadなんて、もうこのワンポイントだけでも、軽く他の追い迫るAndroidタブレットを撃破しちゃえるハイスペックぶりですからね!

    ところが、GALAXY Tabは、決して10時間選手としてのiPadにも大きく引けを取ることはない、ほとんどバッテリー駆動時間のことは心配しなくてもよい製品に仕上がっていますよ。たとえば、3G通信モードを駆使して、Google TalkにYouTube、各種インターネット上のウェブページの閲覧を続けまくったのに、フル充電から4時間の連続使用後にバッテリー残量をチェックしてみても、まだ40%も残っているなんてことが普通にありました。4000mAhの大容量バッテリーが搭載されている強みは素晴らしいですよね。おまけにWi-FiやBluetooth、GPSのオンオフなんかをスムーズにアクセスして行なえるコントロール機能も秀逸で、こまめに調整しながらバッテリーを節約したい人には重宝されそうですよ。

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    GALAXY Tabが、これまでで最高レベルの出来栄えのAndroidタブレットであることは否定しようがないでしょう。現在のタブレット業界を見渡すに、実に多種多彩な製品が出回りまくっているにもかかわらず、もしユーザー目線で王者を選ぶとなるならば、これはiPad対GALAXY Tabの一騎打ちのような様相も呈しているよなって評価も間違ってはいないでしょう。

    ただ、すでに何度も書いてきましたけど、GALAXY Tabが、なんとなくAndroidのスマートフォンをビッグサイズにしただけという位置づけでタブレットになってしまったような感想も否めないというのが今回の米GIZMODO編集チームの正直な評価でもあるんですよね。やっぱりタブレットにはタブレットならではのワクドキが、もうちょっとあってもよかったんじゃないかな~

    それから、iPadにはない強みとしては敢えて挙げなかったポイントといたしまして、Flash 10.1に対応したインターネットブラウザーがあります。GALAXY TabならばFlashコンテンツだって見れちゃいますと売り込まれてきてるでしょうけど、これは逆にウィークポイントになっちゃうかもしれませんよ。だって、Flashのページなんか表示させちゃった途端、これまでは快適だった動作が一気にギコチなく重く不安定になり、まだあんまり使えるレベルには感じられませんでしたから。もしやジョブズがFlashを外す戦略を進めたことに賞賛の嵐まで起きたのは正しかったのかも...なんて思っちゃいました。そう言えば、iPadにFlashを強引に入れたら動かなくなってしまったなんて報告もありましたかね。

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    さらに、iPadにはない機能としまして、GALAXY Tabがカメラを前面と背面にデュアル搭載していることも、もちろんカメラがあるのに越したことはないでしょうけど、そんなにこのカメラの出来栄えは感動的ではないかもしれませんよ。グッとくる良い写真を、GALAXY Tabのカメラだけで撮影するのは至難の技なんじゃないかなぁ。この辺りに関しましても、まだ今後に期待というレベルではないでしょうかね。

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    もちろんどんな製品にだって長所と短所があり、iPadでもGALAXY Tabでも双方にメリットとデメリットがあることは承知の上ですけど、すでに世界的に大人気を博しているiPadに対して、これから後発で仕掛けていくGALAXY Tabが、圧倒的にiPadを上回る魅力で攻めるというよりは、同じような勝負どころで攻めていくという位置づけであるならば、取るべき最大の販売戦略は激安の設定価格になるでしょう。えっ、こんなに安くで買えるのならば、たとえiPadに劣るポイントが多少あったとしても、よし、自分はGALAXY TabでAndroidタブレットの世界を堪能してみるか! そうなびいてくれるユーザーもたくさん現われたことでしょう。

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    ただ、このGALAXY Tabの販売価格は、どうやらそんなiPadもビックリな安さにはなっていないようですよね。例えば、米国ですとスプリントから2年契約を結ぶと399ドルで売り出されていますけど、2年契約に縛られたくはないって人は599ドルになっちゃいます。もちろんGALAXY Tabが3G通信モデルであるのに対して、iPadのほうはWi-Fiモデルを選択できるという違いはありますけど、iPadが499ドルから買えちゃうのと、どれほど価格差で魅力を打ち出せるのかという判断基準を突きつけられると、微妙な路線でもありますよね? もしややはり今後は高性能ながら激安のAndroidタブレットの新時代にこそ期待なのかなって気持ちになっちゃったのはボクだけではないと思うんですけど、いかがなものでしょうか?

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    さてさて、ここまでツラツラと思うままにGALAXY Tabの超辛口レビューを書き連ねてきましたけど、いよいよ最終結論を出す時間になってまいりましたよ。これはあくまでも米GIZMODO編集チーム内で出されてしまった結論ですから、あくまでも参考にする一意見ということで、怒らずに見てくださいね...

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    ありゃまぁ、なんとダメ出しでしたか! はい、これはAndroidタブレットの今後への大いなる期待と励ましも込めて...という意味なんだそうです。つまり、Androidスマートフォンがビッグサイズなタブレットでも出ましたよっていう印象を抱きかねないコンセプトではなく、もうちょっとiPadさえもギャフンと言わせるような進化したタブレットに仕上げてくださいねという願いから、敢えて今回のGALAXY Tabは、まだ急いで買わずに待ってみるのも一つの手かなって提案をしてみたいんだという話なんだそうですよ。

    確かにもしGALAXY Tabならではと言いますかAndroid OSを搭載したタブレットならではのアプリケーションの充実があれば、今後の評価も急速に上がっていくことになるんでしょうね。キラーアプリがバンバンと生まれてくれば、きっと大きくAndroidタブレットの勢力図も変わってくると思いますよ。この業界の進歩と発展は非常に速いですからね。ぜひぜひ期待してみたいです~

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    と、さてさて、なんとも凄まじい斬り捨てぶりの米GIZMODO編集チームによるレビュー記事でしたけど、実際に使ってみると、GALAXY Tabはなかなかいいよなって思う面も多々ありそうですから、あっ、iPadと比較しちゃうと、こういう残念に感じそうなポイントもあるみたいだなってくらいの参考に読んでおいてくださいね。なによりも日本のユーザーにとりましては、NTTドコモが満を持して発売するだけに、GALAXY Tab上でiモードメール(デコメールまでオッケーですよ)が使えちゃうわ、来年からはWi-Fi環境でもspモードメールが送受信できちゃうわ、かなり魅力のタブレット新製品であることは間違いないでしょう!

    最後に、かなり使用感まで分かる動画を用意しておきましたので、どうぞご自分の目でチェックして判断してみてくださいませ。GALAXY Tabを買っちゃったよ~んというユーザーの皆さま、ぜひコメントでいろいろと日本発の評価なんかも書き込みまくっちゃってくださいね。楽しみにお待ちしてますよ...

    matt buchanan(米版/湯木進悟)