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TC022:3日前の自分は何をしようとしていた?

By: Shanna SCC BY 2.0


佐々木正悟 決して私だけの心理ではないと思うのですが、他人の心理は計り知れません。

私には不合理な傾向があります。過去の自分はつまらないものに感じられ、未来の自分はだいぶ優れたもののように思えるのです。

たとえ幻想であっても「未来の自分に期待する」のはいいことです。しかし期待しすぎるのは愚かしいことです。2才の頃に比べればそれは自分もずいぶん進歩したと言えるでしょうが、1週間前に比べた場合、進歩したとは言いがたい。もしかしたら多少劣化しているかもしれません。

日に日に成長したりできるのは幼児時代に限るのであり、またそれでいいのです。この歳で「日に日に成長」するようでは、半年前の自分はたいそうなダメ人間ということになり、1年前では無能そのもの、3年前ならバカ丸出しということになってしまいます。

TaskChute2が3日前に止まった

風邪をひきました。

たかが風邪なのですが、ひどい風邪でした。まずひどい鼻風邪に始まり、即座に悪寒が始まり、翌朝節々が痛み出し、汗が噴き出しはじめ、熱が高くなって、ノドが痛くなり、というパターンです。普通のパターンではありました。

おかげでほぼ2日間、TaskChute2を見返せないという事態に陥りました。これはとても怖いことです。「この2日」の間にいったいどれほどのやらなければいけないことをやらずに来てしまったのか。3日経って怖々Fusionの画面を確認しました。

なによりも最初に安心したのはしかし、TaskChuteが開けたということです。これにより、たとえ事態がどれほど悪くても「止まったとき」から記憶がつながります。分からないという人のために何度でも強調しておきたいのですが、記録に残った記憶につながったときに思い出す大量の情報を、記録なしに再生するのは正常な人には不可能です。

3日前に自分が何を終えて、その後どうするつもりでいたのか。TaskChuteはそれを厳密に知らせてくれます。タスクリストとログが一体化しているTaskChuteの強みです。

この3日前のレビューで思い知ったことがもう一つあります。3日前の自分は「すごい」ということでした。病み上がりということはありましたが、この日にやったことだけでいいから今日全部やれといわれても、全くできそうにありません。他人との比較ではなく自分との比較であるだけに、この事実はとても厳然としていました。

こういうこともあり得るのですから「3日後に丸投げ」というのは実に間違った行動なのです。3日後が今よりいい状況だとか、3日後には成長しているなどというのは見込み違いも甚だしい。3日後であれ30日後であれ、今の方が3倍もましということは現実としてあり得るわけです。

「毎日やっておくと溜まらない」ことをルーチン化する貴重な保険

ここで懸案に戻りました。やらなければいけない何を2日間で取りこぼしたか?

結果的にはとても少なかったという意味で救われました。もちろんゼロではなかったので関係者には申し訳ないことをしましたが、直感的に「少ない」と感じられる程度でした。

私のタスク管理の基本路線は「ほんのちょっとずつたくさんのことをたくさんの日数で」というものです。そうできない仕事は基本的に引き受けないのです。ですから2日間くらいなにもしなくても、目に見えて悪化するようなことはあまりありません。具体的には

・家計簿に未記入のレシートが2日分溜まる
・Evernoteの未整理ノートがin-boxに2日分溜まる
・未処理のアナログ書類がファイルとして2日分溜まる

といったところです。この辺りはちょうど「2日分」ずつ溜まりました。まだ処理し切れていないのでこの辺はバッファタイムを使って処理する必要があります。

その他にもブログ、連載、書籍原稿などが「ちょうど2日分」ずつ遅れているはずです。しかしとくに書籍原稿などはそれでなにも問題は発生しないのです。つまり遅らせておけばいいわけです。

やや表現としては矛盾しているのですが「掃除を確実に毎日やるのであれば、1日くらいサボっても汚くはならない」ということです。これを全ての仕事に適用すれば、2日間仕事が停止しても同じ理屈でどうにかなるわけです。

過去の自分にいつでも戻れるようにする

このようにルーチン化が保険になるのも大事ですが、やはりより大事だったのは「過去の自分の活動」に接続できたことでした。TaskChuteはどうすればそこにつながれるかのナビであり、実績そのものにはEvernoteでつながることができました。

それを見ると「過去の自分は偉いなあ」としかいいようのない不可解な感覚です。ちゃんとやる気でやっており、ちゃんとその後のことを考えていて、ちゃんとその後の計画を立てています。時に企画うち合わせという度に文字通りの白紙を持ち出されることがあるのですが、とくに今から思うと非常に残念なことです。うまく過去に接続することに比べれば、何かしらのすりあわせの後「白紙」から始めるというのは、時間をかけて過去をなぞっているようなものでしかないのです。


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タスク管理ツール・TaskChute2


▼編集後記:
佐々木正悟



第1回、第2回と大変な盛況のうちに終わりました。ご参加いただいたみなさんに感謝します。

第3回はこのシゴタノ!の管理人である大橋悦夫さんをゲスト講師としてお招きします。TaskChuteの開発時のエピソードをはじめ、タスク管理のツボを突いたお話を伺うことができると思います。ご興味ある方はぜひお申し込み下さい。

7月15日 第3回 タスクセラピー(東京都)

こんにちは。主催者の佐々木正悟と申します。 第1回・第2回とが盛況のうちにおわり早くも第3回となります。 今回は一部タスク管理実践者の間で評判のTaskChuteを開発された大橋悦夫をさんをお迎えします。 …