今日の午後、私は私費出張して奈良女子大学で今度定年退職される井口 洋教授の退休記念講演「奥の細道校訂私案」を聴いた。奈良女子大学メールマガジンの情報により出かけた。先ず「退休記念講演」という言葉に引っかかった。講演前に井口先生にお聞きすると、吉川幸次郎先生も小川環樹先生も「退官記念講演」は「退休記念講演」と言われていた、と言う。吉川先生も小川先生も京大文学部教授だったので私も学生時代から知っている。「退休」とは中国語でRetirementという意味のようだ。さすが学があるなあ、と思った。
井口先生のお話は、「奥の細道」の中尾本と言われるテキストの訓詁学的研究だ。井口先生も、今日の講演は、実は研究発表で「チャレンジ」だ、と言われた。俳諧は殆ど出てこず、背景の話、井口先生は「奥の細道」における「壷碑(壷のいしぶみ)」(多賀城碑とも言われる)という表題めいたものが中尾本「奥の細道」にあるのを検討して、芭蕉や随行した曽良を擁護しつつ後の許六らの「改ざん」(彼等は「改良」と思っていたと言う)ではないか、としている。その論証方法が正に訓詁学と思った。中尾本は最初、芭蕉の真筆と言われたが、幾つかの箇所に紙を貼って上書きしている点が先ず怪しい。それを「裏の文」も読み取って検討している。他の研究者の説も詳しく検討して上記の考え方に辿り着いておられる。更に中尾本自体が幾つかの理由で「変」、芭蕉の真筆は別にあるのでは・・と言われた。仮説を出しておられる正に学問なのである。(このブログ記事が1200番目のコンテンツだ)(写真は、壷の碑)
井口先生のお話は、「奥の細道」の中尾本と言われるテキストの訓詁学的研究だ。井口先生も、今日の講演は、実は研究発表で「チャレンジ」だ、と言われた。俳諧は殆ど出てこず、背景の話、井口先生は「奥の細道」における「壷碑(壷のいしぶみ)」(多賀城碑とも言われる)という表題めいたものが中尾本「奥の細道」にあるのを検討して、芭蕉や随行した曽良を擁護しつつ後の許六らの「改ざん」(彼等は「改良」と思っていたと言う)ではないか、としている。その論証方法が正に訓詁学と思った。中尾本は最初、芭蕉の真筆と言われたが、幾つかの箇所に紙を貼って上書きしている点が先ず怪しい。それを「裏の文」も読み取って検討している。他の研究者の説も詳しく検討して上記の考え方に辿り着いておられる。更に中尾本自体が幾つかの理由で「変」、芭蕉の真筆は別にあるのでは・・と言われた。仮説を出しておられる正に学問なのである。(このブログ記事が1200番目のコンテンツだ)(写真は、壷の碑)
私は俳句ノンフィクシヨンライターでして、井口先生を取材させていただきたいと願っているのですが、実現できていません。
西村先生に仲介をお願いする訳にはいかないでしょうか? 私の身元を証明するものを、後日お送りしても宜しいのですが・・・。
以上、お願い申し上げます。
住所は、下記にメイル下さい。
ichiro@cc.nara-wu.ac.jp