ThinkPadのネットブック? 触らないワケにはいかない!
数多のノートパソコンの中でも、「ThinkPad」には独特のコンセプトがある。それは、IBMのPC部門をレノボが買収して5年が経った今も変わらないように思える。例えば、NECの「LaVie Light」や東芝の「dynabook UX」、富士通の「LOOX M」など、各社が主力ブランドの一環としてネットブックを捉えるようになったが、レノボではThinkPadシリーズと、低価格ブランドの「IdeaPad」シリーズとを明確に切り離していた。昨秋から目立つようになった、小型で安価な準モバイルともいえるCULVノートでもレノボの姿勢は崩れず、やはりIdeaPadブランドでの展開だった。
そんな折の年明け早々、米国でのCESに間に合わせるように販売開始となったのが、「ThinkPad Edge」と、今回紹介する「ThinkPad X100e」だ(関連記事)。ThinkPad好きの筆者も、「そろそろIdeaPad Uで妥協しようか」と考えていた矢先のことだったので、すかさず個人用として注文したが、購入した機材が到着する前に試用機が届いたので、早速試用してみた。
第4世代目のThinkPadの意味とは
長いThinkPadの歴史を詳しく振り返るのは本連載の趣旨ではないので、ごく簡単にまとめてみる。
- 1992年~の創世記
- いわゆる3桁型番のころでThinkPadの第1世代目にあたる。
- 2000年~
- 第2世代。「ThinkPad X」やT、Aシリーズなど、現行路線の基礎になった製品群。
- 2005年~
- 第3世代目。レノボに移行してからの製品群。パワーと使いやすさを重視。
そして2010年からの第4世代では、ビジネスツールとしての本道を守りつつも、多様化するニーズに対応し、ThinkPadユーザーの裾野を広げるべく低価格化志向に挑戦したThinkPadになるという。
大きな転換点を迎えたThinkPadだが、リアルモバイルとしてのThinkPad Xシリーズに追加されたX100eでも、米AMD社の「Vision Pro」プラットフォームの採用に、本体デザインの刷新、さらにネットブック並みの低価格化と、大きく3つの注目ポイントがある。筆者も含め、従来のThinkPad Xシリーズのユーザーの多くは、特にキーボードの変更が気になっているようだが、まずは全体像から見ていこう。
ThinkPadといえば“黒”のイメージが強かったが、X100eでは、評価機の「ミッドナイト・ブラック」(黒)に加えて、「アークティック・ホワイト」(白)「ヒートウェーブ・レッド」(赤)のカラーバリエーションが用意されている。コンシューマー市場向けは白と黒になるが、直販サイトでは全色が選べる。なお、いずれのカラーでも液晶ベゼル、キーボード、パームレスト、バッテリーは黒に統一されている。
低コスト化のため、筐体にはマグネシウム合金やカーボンハイブリッド素材などは使われておらず。「エンジニアリングプラスチック」と呼ばれる樹脂製となっている。カラーリングも塗装ではなく、樹脂そのものが着色されている。おかげで、少々のキズならほとんど目立たない。ディスプレー部の天板は、強度を持たせるために、中央がわずかにふくらんだドーム状となっているのも特徴だ。
店頭販売向けモデルの構成は、カラーリングの違いとOSの違い(Windows 7 Home PremiumもしくはWindows 7 Professional)、さらにOffice Personal 2007の有無であり、基本スペックは共通である。
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