イラストレーター志望やデザイナー志望の方に注意してほしいこと

インターネットで検索しても、どこにも記事が無いので書きました。

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・デザイナーになりたい。もしくはイラストを描く仕事がしたいという方によくある注意点
いろいろとお仕事を自分でするようになると、今まで気が付かなかったことに気が付くようになります。
私は基本的に、下記のような案件は全てお断りさせて頂いております。

著作権を譲ると、「それは自分の作品です」 と言えなくなります

心当たりがある方、いらっしゃるのではないでしょうか? 「著作権を譲る」
簡単に言いますと、自分が制作したイラストやデザイン、自分の作品を世に出せなくなる。という事です。

心当たりのある方は、一度よくお考え頂ければ幸いです。

ホームページの更新作業や、写真加工、修正等、もしくは条件が合えば良いのですが、余程のことがない限り、このような場合の案件は受けないように、私はデザイナー志望の方に呼びかけています。

最近、インターネットの普及とデザイナーの急増により、イラストやデザインのお仕事は非常にしやすくなりました。しかし、かけだしの方や、イラストの仕事がしたくてたまらない方は、この 「著作権を依頼者に譲る」 という契約をしている方が急増しているように思います。

仮にイラストを素晴らしい作品を1000点描いても実績はゼロと同じです

著作権を会社に譲り、仕事をする。これは、ゴーストライターと一緒です。

受注してきた仕事を、駆け出しデザイナーに制作してもらいます。お仕事をあげる代わりに著作権を渡してもらいます。という内容です。当然デザイナーは、受注額よりも低い制作料金になります。

(例)ホームページを50万円で受注した仕事をで8〜10万円で発注。イラストで言えば、1万円で受注した仕事を2000円で発注等。 ※いわゆる外注ですが、条件があまりにも悪すぎるところを多々見かけます。

どうしてこれが注意点なのか・・・?
どうしてもお仕事をしたい方は受けて頂いて結構です。制作に慣れるといった意味では良いのかもしれません。ですが、しばらくこのようなお仕事をしているうちに、この案件や契約がどういうものなのか分かってくると思いますので。

都心以外に、イラストレーターというお仕事はありません

残念ながら徳島県や他の地域でもそうだと思いますが、イラストレーターというイラストだけを描くお仕事は、東京や主要都市以外には、まずありません。それだけで生活されている方も、ほとんどいません。

多いのはどこかでイラストの講師をしたり、副業として別の仕事を掛け持ちしています。
地方の場合、イラストだけで生活している方は非常に少ないのです。東京などの大都市ならば話は別です。イラストレーターのお仕事はたくさんあります。出版社やゲーム会社、その他、イラストの需要が多いからです。私もイラスト制作のお仕事はほとんど東京からでして、地元、徳島県からのイラスト制作のお仕事は、ほぼ皆無です。あったとしても単価的な物がありますので、ほとんど受けることができておりません。

ですが、東京都等は、日本中からイラストレーター志望の方やデザイナー志望の方が集まってきますので、激戦区です。フリーの場合、お仕事のとり方は持ち込みやコネクションがほとんどです。お仕事を受注してくるテクニックやコツが必要になってきます。

中でもお仕事を頂く際にイラストレーター志望の方の場合は、出版社への持ち込みが多いと思います。

有名なところ、そうでないところ、様々ですがどんどんアポをとって、作品を持ち込んでみましょう。私の知人も東京に行き、はじめはアルバイトをしながらイラストレーターを目指していました。

「イラストの仕事がしたい」からと、すぐ飛びついてはいけません

かけ出しのデザイナーやイラストレーター志望の方は 「デザインやイラストの仕事がしたい。」、「どんなに安くても仕事が出来ればいい。」 という方が非常に多いです。そのお気持ちはよく分かります。私も昔はそうでした。

ですが、イラストレーター志望の方は
そのため上記のような 「著作権を譲る契約」 を受け入れておられます。

県外等でも、成功報酬型の案件にイラストを提出されている方を非常に多く見かけました。
これも要注意です。

「駆け出しのデザイナーの方にもっと仕事をしてほしい。」
「素晴らしいイラストを世に出してほしい。」
「イラストがクライアントに気に入られれば、毎月お仕事をお渡しできます。」

ありがたいお言葉をかかげているようですが、残念ながら良い事を言っておられても、
そのほとんどの契約書に、このような文字が入っていることが多のいです。

※著作権、及び制作物の使用権等は全て当社に帰属します。
※制作物や知的財産は全て当社にお譲り頂きます。

※制作に関する全ての権利は当社に帰属することを了承して頂きます。

文言は会社によって若干表記が違います。

・・・という文章が入っている時点で、すでに 「イラストや作品をもっと世に出してほしい」 というありがたいお言葉は消えてしまいます。

なぜなら、確かに世にイラスト等の作品は出ますが、著作権や使用権を帰属させるということは、それらの作品は会社の物であって、制作者されたアナタの物では無くなっていまうからです。

イラストレーターで活躍されている方は、まず著作権を譲ったりはしません。雑誌やフリーペーパーなどに名前が記載されていると思います。著作権を譲ると名前は掲載できなくなります。

あなたが、どんなに有名なポスターのイラストを描いても、大ヒットゲームのキャラクターイラストを描いても、誰にも言えなくなるのです。イラストを描く者やデザイナーにとってこれほど辛いことはないと思いますが、いかがでしょうか?

「このデザイン、凄い」、「このイラスト、誰が描いたんだろう」
という言葉が耳に入っても自分が作ったと言ってはいけませんし、インターネットで発表するのも駄目です。契約違反になりますので、罰則金を払うことになる場合もあります。

そして、報酬のほとんどが当然ではありますが、会社側に入りますし、イラスト等の作成者も会社ということになります。「○○社に頼めば、このイラストを描いてくれるから、依頼しよう」となり、イラストやデザインを作成した本人には依頼が来ないのです。

「それでも、仕事が入ってくるのであれば良い。」 という事であれば特に問題はありません。

ですが、デザイナーやイラストレーターに制作してもらったイラストやデザイン等の作品は、クライアントからOKが出なければ、制作料金は発生しません。そして、OKがでれば10分の1〜3位の制作料が支払われます。いかがでしょうか?一生懸命イラストを作っても企画が通らなければ無しになるのです。 ・・・契約内容は会社によって様々ですが。クライアントと直接お話するよりも間に人が入ると非常に難度が高くなります。

私はこのような案件は基本的に、全てお断りしております。

あなたは、月々60〜90枚以上イラストが描けますか?

仮に会社側はイラスト1点1万円でとってきます。制作者に支払われるイラスト制作料金は、仮に1枚2000円〜3000円だとします。月18万円程度稼ぐには最低でも60〜90枚も描かないといけません。修正も当然発生しますし、納期もあります。

あなたはずっとイラストを描き続けられますか?

1枚描くのに大体、早い方でも平均1〜3日位はかかるのではないでしょうか?
月10枚描いた場合、OKが出るのが5〜6枚だとすると月1万5000円程になります。頑張って15枚描き、全てOKをもらえると・・・

それでも。4万5000円です。場合によっては、源泉徴収10%引かれますので、受け取りは4万500円です。
20日以上イラストを描き続けて、時間がたくさんかかるわりには、アルバイトをするよりも収入が少ない事になります。

制作料金も少なく、イラストも自分が作ったとは言えない。このようなお仕事をしたいですか?

そして、この契約や案件には、もう一つ重大な注意点があります。それは訂正やデザインの全変更があった場合、イラストを描いているのは会社ではないため、二つ返事で 「はい、何度でも気に入るまで作り直してきます」 となります。あなたの作業量がどんどん増えていきます。

会社側としては制作に1ヶ月フルにかかっても、なんの問題もありません。

そして、あなたのイラストを描いた著作権は放棄し、制作料金もOKが出たときだけ。さらに変更は相手がいうままに延々と繰り返され・・・ 契約があるので、完遂するまで断ることは出来ません。

心当たりのある方、多いと思いますが、

「自分の作品で制作料金をもらった。とても嬉しいです。」という声を聞きます。ですが、いくら良い作品を作っても「それを自分が作りました。」と言ったり、発表するのは契約違反になるのです。

場合によっては罰則金が出ます。
この契約が明記されている場合、冗談ではなく、本当に罰則金が出るのでご注意を。

これがデザインをする者にとってどういう事を意味しているのか・・・

あまりにもたくさんの方が、イラストやデザインの仕事したさに、
このような条件の悪いお仕事をされていらっしゃるので書きました・・・

著作権を譲るということがデザイナーにとって、どういうことなのか・・・

何十、何百と制作しても、どんなに素晴らしい作品が出来たとしても、自分が作ったとは言えません。

この記事を読んで一人でも多くの方が、著作権を譲る案件に応募されない事を祈るばかりです。私もデザイナー暦は長いので、かけ出しデザイナーやイラストレーターの方が仕事したさに、このような条件の契約を承諾しているのを見ていると悲しくなります・・・

著作権を譲る案件の、制作料金や条件は非常に悪いのです。

この著作権を譲る仕事をきっかけにイラストを描くのが嫌いになってしまった方も何人か見てきました。イラストの仕事がしたい。デザインの仕事がしたい。でも、著作権を譲る案件の制作料金や条件は非常に悪いということだけ覚えておいてください。

あなたの一生懸命描いたイラストの価値は2000〜3000円なのでしょうか?そのところを考えて頂ければ幸いです。私は、一生懸命描いた、そして、大好きなイラストを安売りしないでほしいのです。

もう何人もの方が、イラストの仕事がしたくて、こういった条件の悪い案件や、1枚500円〜1000円位の案件をなくなく、受け入れている方がいらっしゃいます。

本当に、こういったことがきっかけで、イラストを描くのを諦め、イラストを描くのが嫌になって、やめていった方を見てきました。残念でなりません。そういった方が少しでも、この記事を読んで減って頂けるとよいのですが。

今も、このような著作権を譲る契約を交わすイラストレーター志望の方が、
後を耐えないので残念でなりません・・・

なぜでしょうか・・・

頑張って、直接お客様とお話を進めていくのが一番なのです。誰かから仕事をもらおう。と思っているとどんどんと、このような悪条件のお仕事が舞い込んでくるようになり、イラストやデザインのお仕事が嫌いになっていくようです。

著作権は制作者にあるところを。

雑誌や書籍を見れば、分かると思いますが、イラストレーターの名前が必ず書かれています。雑誌や書籍関連等、制作者の権利が守られているところを探しましょう。著作権を渡してしまうところは、使い捨感覚、丁の良い労働力のような使われ方になるところが多いです。

コンテストに応募の際の注意点。

よく、デザイナー、イラストレーターの方も同様ですが、デザイナーになりたい方は、「デザインコンペ、コンテストにどんどん応募しましょう。」という事を書いているところを見つけることがあります。

それは、いいことなのですが、こちらも注意点としては、「入賞作品の著作権、使用・販売権等は、主催者に帰属します。」となっているところの募集です。賞金が出ればそれでいい、という方は別として、コンテストで1位になりました。と言いたい方は、こちらも自分で書いた作品の著作権がなくなるという事のでご注意ください。この場合は、実績として発表はできません。

※1年後、制作者に帰属します。という物は大丈夫です。

コンペ形式の注意点。よくトラブルになるのが、こちらのコンペ形式です。私は、コンペ形式の物には一切参加しませんが、何点か応募があっても全て不採用にし、後で応募されたデザインの中かから一番良い物を改良し、自社で制作する。といった提案だけを持っていかれるということもあります。

どのような採点基準なのか、応募側には分かりませんし、実際に不採用にされたのに後で調べてみると自分の作品とよく似た作品が使用されていた、というトラブルもあります。

コンペ形式で作品を募集していたのですが、良い作品がないので、この応募作品を参考に、○○さんにデザインをお願いできませんか?という話もあるそうです。

インターネットで調べるとトラブルの話がいくつか出てきます。コンペ形式は、コンテスト以上に少し注意が必要な部類になります。

外注、下請けに自ら応募しない方がよいのではないでしょうか。

条件がよければ全く問題が無いのですが、ホームページデザインの下請けの相場は、だいたい1式、8〜12万円程度です。TOPページは、3〜5万円といったところでしょうか。

実際には80〜100万円で受注してきたとしてもこのお値段というところもあります。私のところには、実際に県外からいくつも下請け、外注の話がやってきます。内容や条件はというと、とても悪いです。

とてもじゃないですが、私の16万円〜、という最低料金にも満たないところがほとんどです。

何度か、私がビックリしたのが、某HP制作会社の方々から電話です。
何故か別々の方なのですが、口調が似ています。

某制作会社A様(仮)
「お宅、ホームページ作ってるよね?今、うちで制作できないのがいくつかあるけどできる?」
「値段は○万だけど、え?最低16万円〜、お宅個人のくせに高すぎるよ、個人なんて仕事ないんでしょ。」

某制作会社B様(仮)
「見積、すぐ出してほしいんだけど。納期?早ければ早い方がいいよ。」

そして、内容をお聞きし、実績掲載が出来れば制作が可能ですとお答えしました。見積提出後、資料が送られてきました。すると、
「あのさ、あの見積、やっぱだめだよ。こっちは資料の用意も打ち合わせもしてるんだらさー!手間もかかってるし、だから間をとって○万円にしましょうよ。これ先方に気に入られたら次も頼めると思うんだけどなー。」
見積の変更だけならいいのですが、このときのお値段に絶句してしまいました。間をとるどころのお値段ではありませんでしたから。このような件は、残念ながら私は、お断りしております。

某個人制作者C様(仮)
「私、同業者ですが、ホームページのデザインをお願いしたいんですけど大丈夫ですか?」

私は、そのとき申し訳ないのですが仕事の依頼でスケジュールが埋まっていた事と、下請け・外注は申し訳ないのですが、受けていないのですが、とその旨をお伝えしました。すると、
「だったらいいです!よかったですね!もういいです!!!(ガチャン)」
依頼が受けれない旨を丁寧に伝えたのですが、少し怒鳴られてしまいました。

やはり少なからず、個人事業者は、制作会社の方にこのように見られていることにショックを受けました。しかし、初対面の方に対して、と言いますか個人事業者を使い捨ての道具のようにしか見ていない制作会社の方には、このような感じの方が多いです。中には同じ個人事業者の方も下請けを出そうとする際には態度がよろしくないようで少しショックでした。

当たり前の事ですが、個人に外注として出す場合、手間のかかる仕事、あまりお金にならない小さな仕事、忙しくてできないが、低価格で下請けさせよう、期日も早い、変更修正の多い仕事等、自社でかかえたくない物からとなります。

自ら条件の悪い、低価格で使い捨てのような個人外注、個人への下請けを志願する位ならその分、頑張って自分で仕事をとってきたほうが、お客様も喜びますし、自分も直接やり取りができて嬉しいのではないかと私は思っております。

※ただ、外注、下請けの方が自分にあっている。もしくは、私の発注元の方はいい人ばかりです。と言う方もいらっしゃると思います。そういった場合は、全く問題はございません。

ホームページから集客を頑張る、営業を頑張る、持ち込みをする、電話をかける、チラシを配る等、自分の得意な事でお仕事をとってこれるはずです。デザインやイラストを作成してほしいという方は思っている以上にたくさんいるのです。

ただ、個人事業者の方の中には残念ながら、嫌になるとすぐに投げ出してしまったり、連絡がとれなくなってしまったりする方、はじめは低い値段で作成しますと言っていたのに、いざ作成してみると手間がかかって嫌になり、だんだんとお客様に無礼な態度をとる方も少なからずいらっしゃいますのでイメージが悪いようです。

その点を解決し、努力すれば必ずお仕事は入ってきますので。私は、ホームページからの集客のみで、営業はしたことがないのですが、一般的に営業をすると一回目のお電話や訪問はまず100%の確率で断られます。これで数社訪問しただけで諦めてしまう方がいますが、なぜかと言いますと誰でも一回目の営業というのは断られる物なのです。

※ただ、最終的にはその人の人間力が必要だと言うことになります。

敬語、名刺交換や上座下座、挨拶文や訪問の際の最低限のビジネスマナーは必須です。人見知りをする方でも一生懸命にしていればそれは伝わりますので、その点はそれほど気にすることはないと思います。

待っているだけでは、依頼は来ません。

イラストを描く方にこそホームページを持ってもらいたいのです。
そうすれば、イラストの実績を見てもらえますし、話が早いです。

ですが、私の見る限り、イラストレーターの方のホームページは9割以上が営業向きではありません。その理由はSEO対策を知らない方、もしくはSEO対策に興味無いという方が多いので、「 イラスト制作 」に関連するキーワードで検索しても全くといっていいほどヒットしないのですイラスト制作に関しては、数がどんどん増えてきて実績を掲載する時間もなくなってきています。

※ヒットするのは、数多くいらっしゃるイラストレーターの方の内SEO対策をしている方のみです

私も集客のノウハウがありますので、記載はできませんが、ホームページからの集客に力を入れることが重要になります。イラストを描いている方は、非常に素晴らしい作品を描かれる方が多いのですが、いかんせんチャンスに恵まれず、諦めている方が多いと思いますので残念でなりません。

東京や都心ではなく、地方からもイラストの場合は、問題なくお仕事を受注できるのです。

ホームページは作品を載せるだけでなく、
営業ツールとして活躍させる事が大事なのです。

 

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